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「ヴェトナムの少数民族の神話」

ヴェトナムというのは「多民族国家」なんだそうな。最終的に、中国の影響の深い多数派のヴェト族が主導権を握り、現在の国家が成立するんだけど、色々ある少数民族の文化も守られている、らしい。ちなみにヴェトナムの人名や地名は全部中国語で「ハノイ」は「河内」なんだって!
チャム族はインドやイスラムの影響を強く受けた文化を持っている。その創世神話にはアッラーや「アダムとイヴ」が登場して、えーっ、ヴェトナムだよねー!の驚き。彼らの宗教はヒンドゥー教化したイスラム教、とかいろいろあるみたいで、大陸国家のヴェトナムにはいろいろ奥深いものがあるなぁ、全然知識が無かったので、ビックリの連続。
チャム族は完全な「母系社会」で、家を相続するのは「末娘」。民話にも、末娘がいちばん心優しく美しい、という話がいろいろ出て来て、末娘が異型の者と結婚する話もたくさん出て来る。これって「美女と野獣」じゃん!えーっ、「美女と野獣」ってアジアに起源があるお話なの?
日本には「末娘」のお話は無いけど、なんとアイヌ民話にはあるのだ!
こういうのって、今までは「人間の考えることはだいたい似てるから、同じ話が世界中にあるのは単なる偶然」説だったんだけど、現在は「世界神話学」を筆頭に比較神話学が発展。アフリカから人類が世界中に拡がり、その過程のゴンドワナ大陸の移動も視野に入れ、世界中の共通のお話には、同じルーツが有る、という研究が進んでいる。なので、「美女と野獣」のお話のルーツも、今後の研究で明らかになってくるかもしれない、のです。
チャム族の民話には、羽衣伝説とか椰子の実とか、日本民話と共通のお話もあり、この関係性を調べていくと面白そうだなあ。

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