ウエダさん

本の紹介をいろいろする50代のおじさんです。いろんな本を紹介しますので、よろしくであり…

ウエダさん

本の紹介をいろいろする50代のおじさんです。いろんな本を紹介しますので、よろしくであります。

最近の記事

「クララとお日さま」英語版

カズオイシグロの「クララとお日さま」 舞台は近未来。ティーンエージャーの友達用のAIクララが、彼女を選んだ、病気がちのジョジーのために奮闘する、という「心温まる」お話。 いつものカズオイシグロの文章は「高雅な美文」その文章の美しさは、英語に堪能ではないわたしですらうっとりするくらいなのですが、そのぶん、文章は難解で、いつも読むのには本当に苦労します。 しかし、「クララとお日さま」はシンプルで平易な英語。主人公はティーンエージャーだし、この小説でカズオイシグロは、イギリスが誇る

    • 「ヴェトナムの少数民族の神話」

      ヴェトナムというのは「多民族国家」なんだそうな。最終的に、中国の影響の深い多数派のヴェト族が主導権を握り、現在の国家が成立するんだけど、色々ある少数民族の文化も守られている、らしい。ちなみにヴェトナムの人名や地名は全部中国語で「ハノイ」は「河内」なんだって! チャム族はインドやイスラムの影響を強く受けた文化を持っている。その創世神話にはアッラーや「アダムとイヴ」が登場して、えーっ、ヴェトナムだよねー!の驚き。彼らの宗教はヒンドゥー教化したイスラム教、とかいろいろあるみたいで、

      • 「世界の台所探検」とても良い本です

        著者は仕事のかたわら、世界中のいろいろな国の一般家庭を訪ね、その家の台所でその家の人たちと家庭料理を作り、そして食卓を囲む。既に世界60ヶ国を訪ねた、というまさに「世界の台所探検」記。 訪ねた国には、豊かな国もあり貧しい国もある。平和な国もあれば、紛争のさなかの国もある。でもどんな国にも、家に台所があり、料理を作り、その料理を笑顔で囲む家族の食卓がある。男たちの猛々しいルポルタージュによって作られた「世界」のイメージに、この本は全く別の角度から光を当てます。 どんな場所にも、

      「クララとお日さま」英語版