よしりん裁判傍聴記 判決言い渡し〜被告に132万円の支払い
伊藤さんは飽きられたのか?寂しい傍聴席
2023年10月19日、午後1時10分から東京地方裁判所803号法廷でジャーナリストの山口敬之氏が漫画家の小林よしのり氏と漫画の掲載元の出版社「小学館」を謝罪広告請求等で訴えた裁判の判決言い渡しがありました。
裁判所は被告(小林氏、小学館)に対して連帯で原告(山口氏)に132万円の支払いを命じました。原告のその余の請求は棄却するとの事でしたので認められたのは損害賠償金だけでしたが、裁判所は小林氏の描いた漫画が名誉感情を侵害するにあたると認定しました。
※問題の漫画は小学館が発行する『SAPIO』で平成29年8月号の「ゴーマニズム宣言」において掲載されました。
裁判官と傍聴人が数名だけの法廷
この日は有名人同士の裁判なのに法廷内の傍聴人は8人程度、双方の代理人は欠席。つまり、裁判官と傍聴人が数人だけの寂しい法廷でした。争いの元である伊藤詩織さんの事件自体がもう世間から飽きられているのかな、と思いました。世界的に報道された性被害の裁判も時事ネタになって世間に消費されていく。伊藤さんには「今、何が残ったのかな」と現在の消息が気になりました。
裁判の発端はジャーナリストの伊藤詩織さんが2015年4月3日、当時TBSのワシントン支局長だった山口氏に食事に誘われ、そこで意識を失い、性被害を受けたと告発した事件を小林氏が漫画で評論した事です。
この漫画の内容が肖像権の侵害と名誉毀損に当たるとして、山口氏が謝罪広告と損害賠償を求めて訴訟を提起しました。この裁判の事はSNSで「よしりん裁判」と呼ばれています。
虚構のストーリーで漫画を・・・
月刊『Hanada』2019年4月号に山口氏が寄稿した「小林よしのりを訴える」によると、小林氏は自身に取材も接触もせずに虚構のストーリーを漫画にして名誉を毀損された、と主張しています。漫画には山口氏とそっくりな裸の男が睡眠薬で眠った可愛い女性に卑猥な笑い顔を浮かべながら覆いかぶさる様子などが描かれています。
小林氏は単なる疑いではなく作中で「女性の酒に睡眠薬を混ぜ」と山口氏が犯罪を犯したことを断定しています。しかしそのような事を想起させる内容を著書で描写した伊藤詩織さんに「真実相当性がない」と賠償命令が出ています。つまり漫画に描いた内容は伊藤さんの根拠の無い主張を鵜呑みした小林氏の単なる思い込みだったというオチに。
このノートよりも先にX(旧ツイッター)で裁判報告をしたところ、判決は「当然だ」との反響を多くいただきました。
天狗の鼻は折られた
伊藤詩織さんが睡眠薬を飲まされて昏睡レイプされた_それを国家権力が隠した_そんなストーリが前提だからこそ、小林氏の漫画は社会的な告発として輝かしい意味を持つのですが、「睡眠薬が盛られた」をあの事件から省くと、単なる酔っ払い同士の揉め事になりますから、小林氏の漫画も単なる悪口、しかも度を超えた猥褻な漫画の卑猥な悪口になります。子供の本を出している小学館が。猥褻な漫画で負けた。社史に残る恥ずかしい裁判でしょう。
ま、賠償も出ますよね。謝罪広告が認められなかったのは本訴の二審でも山口氏に賠償命令が出ていますから、そこは間引かれたかな、というところです。いつもブログで動画で、怪気炎をあげる小林よしのり氏、今回は全くいいところなしで、若く美しい女性裁判官が朗々と判決文を読み上げ、天狗の鼻はへし折られたという事でした。
(Xの方には女性裁判長と明記してしまいま下が、正しくは女性裁判官です。訂正してお詫びします)
取材を受けました
裁判官の異常な愛情 ウッシーさん。
・取材をすると伊藤さんの言ってる事が変だとすぐにわかる。
・取材した居酒屋では伊藤さんがホステス風で積極的だった。それなら山口さんは睡眠薬を伊藤さんに服用させる動機はないはず。
・流出した防犯カメラ映像では伊藤さんはしっかりと歩いている。
・裁判所は判決文で山口さんにも伊藤さんにも辛口。伊藤さんは犯罪捜査知識が一般人以下との評価。だから伊藤さんがこの事件は権力が捜査に介入したとの誤解があっても仕方ないということにしている。
・裁判所は刑事事件としての立証は困難と評価。
伊藤さんは民事と刑事をごっちゃにすんなよ、と釘をさすのを忘れていない。
など、楽しくお話しさせていただきました。
アクセスが多ければ、また呼んでもらえるかもしれませんので、ぜひ、ご視聴ください。また、木原事件は文春情報を解析していますので、話を聞いてもいい、という方はzoom会議できますのでDMまで。よろしくお願いします。
(了)