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水道広域化(合併)に際し、特定の事業体が損をすることのないルールとは~2023年9月議会④~


水道広域化により合併する企業体の内部留保資金と企業債残高は

(斉藤達也) 次に、引継ぎ資金のルール化について、令和5年6月議会における尾島議員の質問に対する答弁の中で、今後の研究会の中での検討事項であり、どこか特定の事業体が損をすることがないようなルールとなるよう検討していくとのことでした。先ほどお伝えしたとおり、大和郡山市は引継ぎ資金の額が大きいため、当初10年間は優先的に投資されることが決まっています。
 そこで伺います。1点目として、上田市と広域化を検討している長野市、千曲市、県企業局の内部留保資金と企業債残高はどうか。
 2点目として、民間企業はM&A、合併買収を検討する際、財務デューデリジェンスを行い相手方の財務状況や財務リスクなどを把握しています。水道事業の広域化検討においても、第三者機関による財務デューデリジェンスを実施することが有効と考えるが、見解はどうか。
 以上2点お尋ねし、第4問といたします。

内部留保資金は長野市水道事業139億円、千曲市水道事業1.7億円、県企業局水道事業20.6億円

上下水道局長(堀内俊克君) 内部留保資金と企業債残高についてご質問いただきました。
 内部留保資金につきましては公表されていないため、上田長野地域水道事業広域化研究会で令和3年度に実施した、水道事業広域化・広域連携に係る基礎資料作成業務報告書による各事業体の令和2年度の決算統計により間接的に算出した額によりますと、長野市水道事業は139億5,000万円余、千曲市水道事業は1億7,000万円余、県企業局水道事業は20億6,000万円余となっております。(追記)上田市水道事業は28億円余
 なお、内部留保資金については、ここからさらに使途が特定されている退職給付引当金等を差し引いたものを内部留保資金とする場合がございますので、事業体によって実際の内部留保資金と先ほどの推計とは異なる場合がございます。また、先ほど答弁いたしました令和4年度の上田市の内部留保資金のように、繰越しや年度ごとの事業によって増減があるため、単年度の残高で経営状況を判断するのは難しいと考えております。

企業債残高は長野市水道事業307億円、千曲市水道事業6億円、県企業局水道事業199億円

次に、企業債残高につきましては、毎年の決算統計により公表されており、令和3年度末の残高につきまして、長野市水道事業は307億円余、千曲市水道事業は6億円余、県企業局水道事業は199億円余となっております。(追記)上田市水道事業は73億円余

特定の事業体が損をすることのないようなルールとは

 次に、財務デューデリジェンスについての答弁をいたします。財務デューデリジェンスは、日本語では適正評価手続といい、投資家が投資を行う際、もしくは金融機関が引受業務を行う際に、投資対象のリスクリターンを適正に把握するために事前に行う一連の調査のこととされております。
 広域化に当たり、財務状況を把握することは当然必要なものと考えておりますが、公営企業については、法律にのっとり財務事務を行っているため、民間企業がM&Aを検討する際と同様の財務デューデリジェンスではなく、計算方法、計算ルールについてそごがないかを確認することが財務デューデリジェンスに該当すると考えております。
 水道事業の広域化は、地域の水道事業の安定化と基盤整備を高め、水道の安全で安定した供給を達成することが目的であり、民間企業のように利益を最大化することを目的とはしておりません。この先の未来を考えた場合、長野県において50年間で約4割の人口が減少することとされております。また、50年たてば人口減少が止まるのではなく、さらに進むことが推計されております。その中で、安全安心な水を届けるための最重要インフラをどのように維持していくのか、真剣に検討する段階に来ていると考えております。
 以上となります。

(斉藤達也) ご答弁いただきましたが、今回の広域化でも、民間企業と同様の利益を最大化することを別に考えていないと思うのです。僕の言っていた趣旨というのは、上田市が100年前から先人たちが築き上げてきた大きな資産、緩速ろ過という技術だったり、それでなかなか老朽化、年数はたっているけれども、今でも現役で動いている、そういった大きな資産を適正にやっぱり評価する必要があるのではないかということを言っています。それができなければ、特定の事業体が損をすることがないようなルールというのは定められないのではないかなと思っています。それで、そうならないために一つこういう、例えば財務デューデリジェンスというものがありますけれども、それができないのかという、そういう提案でした。
 今の答弁のままでは、実際に今後特定の事業体が損をすることのないようなルールをどうやって検討していくのかがちょっとイメージが湧かないので、そこだけ今答えられる範囲で結構ですので、もう一度今の質問を再質問しますので、お答えいただければと思います。

上下水道局長(堀内俊克君) これから安定した水道水を市民の皆様に供給するということが第一使命でございますので、これが単独で行った場合、それから事業統合した場合、議員さんがご心配しているとおりだと思います。各事業体が財務状況が違いますので、それを整理、ある程度ルール化していかないと、これを統合に持っていけないというふうに私も考えております。ですので、この財務状況を適正に他事業体のも把握しながら、先ほど内部留保資金、それから起債残高等ございますので、それを見ながら料金統一も将来していく中で、どういった状況になるかというのを事前に調査していくことが非常に重要だと考えておりますので、そういったことについて整理しまして、また皆様のほうに報告させていただく機会を設けていきたいというふうに思っておりまして、よろしくお願いしたいと思います。

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