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ロッピスウエダ、261など民間の取り組みとサントミューゼ芝生広場の活用について~2022年12月議会②~

上田市は約78万m²の公共空間の不動産オーナー

(斉藤達也君)次に、公共空間をより豊かにするための活用について質問いたします。豊田市では、中心市街地の196ヘクタールの約4割の土地を行政が所有していることが分かり、行政はお金をかけずに規制緩和等で民間を後押しし、公民連携で10か所の公共空間の利活用を進め、にぎわいをつくり出すことに成功しています。上田市では、民間の取組でロッピスウエダという民有地を使った、非常におしゃれなマーケットが開催されたり、最近でもこの週末もありましたが、261という空き家をリノベーションした店舗等を上手に生かした古道具市が開催されたり、また柳町でも朝カフェなど新たな試みが始まるなど、コロナ禍でも民間主導で町ににぎわいをつくる新たな取組が行われています。
 市は、391施設、約78万平米の公共施設を所有しており、上田市で最大の不動産オーナーとして多くの魅力的な公共空間を持っていますが、それらはどれだけこの町に豊かな空間をつくり出しているのでしょうか。中でもサントミューゼの芝生広場は、6月議会で武田議員がそのことについても質問されていましたが、もっと活用したいとか、利用しやすくしてほしいとか、そういう声が非常に多くあります。近隣自治体では、小諸市の駅前にあるまちタネ広場は、サントミューゼよりは規模は小さいのですが、とても気持ちのいい芝生の公共空間であり、小諸市はそこを民間に開放し、毎週のように様々なイベントが行われています。公共空間を活用して、上田市をより豊かなまちにしていくためにも、まずは市民から利活用のニーズが非常に高いサントミューゼの芝生広場を、より使いやすいように積極的に開放していくべきだと私は考えます。様々な行政側の制約もあるとは思いますが、今はトライアル・サウンディングとか、あと社会実験という名目で民間による利活用を促しながら、真に必要なルールを決めていく、そういった手法も非常に有効です。そこで伺います。
 1点目として、ロッピスウエダや261など、民有地やリノベーションした空き家を活用した市内のイベントについて、その価値をどう評価しているか。
 2点目として、サントミューゼの芝生広場は市民や民間団体がイベントなどを開催できる場にすることで、より豊かな空間として活用できると考えるが、トライアル・サウンディング等を実施することはできないか。
 以上、2点お尋ねし、第4問といたします。

ロッピス、261など民間の取り組みについて

◎商工観光部長(北沢健治君) まず、私からは市民の皆様による民有地や空き家を活用したイベント等に対する考えについて申し上げます。
 コロナ禍において、昨年度まで過去2年はやむなく開催を断念されたイベントが、今年度はウィズコロナの下、感染対策を講じながら数多く開催されるなど、市内の商業活動等も徐々に活発になってきているものと認識しております。こうした中、ロッピスにつきましては議員からもお話がありましたけれども、信州の蚤の市イベントとして2014年に上田で始まった市民の皆様による取組でありまして、雑貨や飲食など市内外の魅力的なお店が中心市街地の改装した店舗や駐車場などに多数出店し、若者や親子連れなどでにぎわうイベントとして定着しておりました。ここ2年は中止となりまして、今年は小諸市内で開催されたともお聞きしております。
 また、261につきましては、中心市街地にある銭湯の倉庫を改修した古道具店をメイン会場に、市内外の個性的な出店者が集うほか、古着屋や雑貨店など商店街の裏通りのレトロな雰囲気を生かした市場としてこれまでに8回開かれておりまして、先日も12月3日、4日に開催されまして、若い方から、また高齢の方まで様々な皆様でにぎわっておられました。これに加えまして、海野町商店街を歩行者天国にした秋の海野町まつり、また議員のお話にありました柳町通りで定期的に行われている朝カフェ、また上田商工会議所の駐車場スペースでの上田まちなかグルメ広場などにおきましても、市内外から飲食店やキッチンカー、小売業者などの皆様が数多く参加し、にぎわいを見せました。
 これらのイベントには、市をはじめ市の職員も客として参加をさせていただきましたけれども、コロナ禍ではあるものの、想像を超える大勢のお客様でにぎわいを見せており、家族連れなどが感染対策を取りながら飲食や買物、体験イベントを楽しんでおりました。また、事業者の皆様の生き生きと接客する姿を見るにつけ、お客、お店双方が開放的な空間でのイベントに参加するだけでなく、イベントを通じて触れ合う、また交流の場を求めておられることを改めて実感したところでもございます。このように眠っていた空き家を改装し、再生された魅力的なお店が通り沿いに点在することにより、新たなコミュニティーが形成され、個々の店に加えて市内外のおしゃれなお店も出店する手作りのイベントが開催されることで、その町の新しい魅力や価値が創出され、それがにぎわいにもつながっていくものと捉えております。
 市では、現在空き店舗改修やイベントなどの取組を支援しておりますが、引き続き市民の皆様によるまちづくり活動の輪が広がることで、まちに活力が生まれるようサポートしてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上でございます。

サントミューゼ芝生広場の活用について

◎政策企画部長(大矢義博君) 私からは、サントミューゼの芝生広場におけるトライアル・サウンディングの実施についての考え方でございます。
 トライアル・サウンディングは、公共空間の魅力向上や活性化を図るとともに、効果的な利活用の方法を探るため、暫定利用を希望する民間事業者などの提案を募集し、一定期間実際に使用してもらう制度であります。市では、昨年12月にトライアル・サウンディング実施指針を策定し、これまで塩田の館と武石地域の巣栗渓谷緑の広場の2つの施設でトライアル・サウンディングを実施しております。
 ご質問のサントミューゼの交流芝生広場につきましては、これまで東京オリンピックの聖火リレーやイタリア文化交流イベントなどの会場として使われてきた実績がございます。一方で、芝生広場は市民の皆様の散歩や憩いの場としての側面も持ち合わせております。ボール遊びやダンスの練習など、誰もがいつでも使える開放された広場ですので、独占的に利用することなく、また近隣の住宅街やホールの公演、美術館の展覧会などにも配慮いただくなど、一定の制限や条件はございますが、有効に活用していただきたいと考えております。
 ご提案のトライアル・サウンディングにつきましては、ホールや美術館事業との兼ね合いや施設管理上の課題もございますが、一時的なイベントにとどまらず、一定期間における民間事業者のアイデアやノウハウを試すことができるため、今後さらなる交流芝生広場活用の可能性を探ることができるものと考えます。また、広場を含めたサントミューゼ全体の魅力を高めていくための有効な手段の一つと思いますし、サントミューゼに限らず、市が所管する公共的なスペースにつきましても、市の実施指針に基づき検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。

(斉藤達也君) ご答弁いただきました。参考までに、小諸市のまちタネ広場はURと組んでやっているのです、その利活用に向けての取組自体を。今大矢部長おっしゃっていましたけれども、民間のアイデアとかノウハウ、それによって本当にその場の価値というのは高められると思うので、それを仕掛けていくのもまた民間と組んでやっていくというのはありだと思います。

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