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【読書メモ】『ChatGPT時代の文系AI人材になる』, 野口 竜司 (著)

▶今回の読書記録 『ChatGPT時代の文系AI人材になる』, 野口 竜司 (著)

  • 『ChatGPT時代の文系AI人材になる』

  • 野口 竜司 (著)

  • 東洋経済新報社

▶感想

ChatGPTの基礎から使い方まで分かりやすく解説してあります。随所にプロンプトも掲載されているので、実際にプロンプトをChatGPTに打ち込んで回答を見ながら、本書を読み進める知識が定着し、理解が進むと思います!

▶読後メモ

AIを操る7つの力

①AI活用マインド

  • 以前の常識   =AIによって置き換えられるのはフィジカルな仕事
    →GPT時代の常識=AIによって置き換えられるのはホワイトカラーの仕事

  • 「AIを操る力」×「ジブンの得意」=「ヒトの強み」

  • マインドチェンジのための「問い」

    • これから先AIを使わずに仕事で高い生産性を維持できるか?

    • これから先AIを使わずに良いサービスは生まれるか?

    • これから先AIと戦って勝てる領域はどれくらい残っているか?

    • AIの実力を心の底から認め、前向きな降伏(=健全な危機感)をすることで、自然とAIを活用するのが当たり前なマインドに切り替わっていく

    • 「アンラーン」:以前の知識や常識を捨て去り、新しい視点や考え方を受け入れること

②AIキホン理解力

  • GPTのすごさの基本は以下の3つ

    1. 人間に寄り添う力=「アラインメント」力=人がどんな回答を好むか、不快に思うことは何か、人間界では何が常識で正しいのかといった要素を習得すること

    2. 「ゼロショット性能」=AIが素の状態で(個別学習せずに)タスクに対応できる力

    3. 専門知識=膨大なデータ群から学習しているため

  • ここまでできる10選

    1. 先生を量産できる:
      教師、医師、プログラマー、学者、シェフ、建築家、松下幸之助…

    2. ていねいな顧客対応ができる
      苦情対応、ていねいな応答

    3. スタイルを自在に操れる

      • 対象を指定

      • トーンを指定

      • 用途を指定

      • 表現方法を指定

    4. 「センチメント」を予想できる
      テキストの文面から人のセンチメント(感情)を判定し、読み取ることができる

    5. 言葉でプログラムが書ける

    6. ビジネスフレームワークを使える
      SWOT、PDCA、5F、バリューチェーン分析、ブルーオーシャン戦略、カイゼン、6σ、リーンスタートアップ、デザイン思考

    7. ブラウザ操作ができる

    8. Excelに組み込んで使える

    9. GPTの使い方を聞ける

    10. 漫才のネタも無限に作れる→ただし結果はイマイチですwww

  • 基本用語

    • ゼロショットプロンプティング:AIが特定のタスクに対して事前に学習や訓練を受けていなくても、プロンプトを与えるだけで適切な回答や対応ができる状況

    • フューショットプロンプティング:AIに特定のタスクを解決させるために数個の例を与えて学習させるアプローチ

    • テンパラチャー(Temperature:温度):出力される内容の多様性やランダム性を調整するパラメータ

    • トランスフォーマー:文章の単語や文節間の関係性を効果的に捉え、重要な箇所に注目することができる「アテンション」という機構を活用している

    • 自己教師あり学習:AIが自分で教師データを作成して学習する方法。大量のテキストデータを用いて自ら「穴あき問題」を作り、それと対になる「答え」を使って学習を自ら行う

    • アラインメント:AIシステムが人間の価値観や常識に寄り添うため、人間が利用して心地いいと感じるように訓練すること

    • RLHF(Reinforcement Learning from Human Feedback):人間からのフィードバックを利用してAIモデルを改善する強化学習(報酬と罰によりAIを育てる学習方法)の手法

    • Chain of thought:思考の連鎖。複数のステップを経て最終的な回答や意見を導き出すようにすると、回答精度が上がることがある

③AI仕組み理解力

  • GPT時代のAI=超大規模データ×超大規模演算

  • スケーリング則=規模が大きくなる(=学習データの量やパラメータ数が多くなる)につれて、AIの性能が高精度になるという法則

  • 「次にくる言葉の予測」を壮大なスケールで行っている
    「むかしむかし」→「あるところに」

  • 「ステップバイステップで」「あなたは○○のプロです」といった一文を加えるだけで、回答性能が向上する

  • 画像生成AIの仕組み
    ・プロンプト
    →エンコーダー(命令の理解者)
    →特徴マッピング(ドラフト担当)⇔合致性チェック(テキスト/画像)
    →デコーダー(仕上げ人)

④AI事例収集力

⑤AI企画力

  • AIに置き換えられる身近なタスクの洗い出し

    • テンプレート

      • STEP1:あなたの業務の中で「最も時間を使っているタスク」を挙げてください

      • STEP2:それぞれの「業務の概要フロー」を書いてください

      • STEP3:タスク実行に「必要な情報やデータ」をすべてあげてください。

      • STEP4:新人にそのタスクを実施してもらうための「具体的な指示文」を200文字程度で書いてみてください。
        →これがそのまま「プロンプト」になる

    • 【例1】:広告バナーの作成

      • STEP1:広告バナー、テキストの作成

      • STEP2:
        ①訴求内容の決定
        ②キャッチコピーを考える
        ③画像を探す
        ④配置する
        ⑤デザイン調整する

      • STEP3:訴求する商品・内容、広告のバナーサイズ、コピーの文字数と内容、画像、必要なパターン数

      • STEP4:
        広告配信用のバナー作成をお願いします。
        訴求する商品はxx、訴求内容はxxです。
        広告のバナーサイズは○○○×○○○ピクセル、コピーは○○文字以下で3パターンの作成をお願いします。
        画像はxxの中から使ってください。

    • 【例2】:打合せの調整

      • STEP1:打合せとその調整、指示出し

      • STEP2:
        ①スケジュール調整:
        ②ミーテイング実施:アジェンダ作成、ミーティング進行、議事録作成、ネクストアクションとタスクの期限の確認
        ③ミーティング実施後:議事録共有、タスクの担当割り振り、次回打合せの調整

      • STEP3:メンバーのスケジュールと連絡先、打合せの目的

      • STEP4:
        Xプロジェクトの進捗状況について打合せの調整をお願いします。
        メンバーはAさん、Bさん、Cさん、時間は1時間で、オンラインミーティングで実施します。
        事前にアジェンダを作成してメンバーに共有しておいてください。
        ミーティング当日、進行と議事録作成、ネクストアクションとタスクの期限の確認をお願いします。
        ミーティング実施後は、議事録の共有とタスクの担当割り振り、次回打合せの調整をお願いします。

  • 「I→5W1H」:ISSUE→Who/Why/Which/Where/What/How

    • 「I→5W1H」をまず1枚にまとめてみる

      • Which:どこのデータを使って

      • Where:どこのAIで?

      • What:どんなAI?(AIができること、AIで解決されること)

      • How:どう人と分業して?

    • 次に5W1HをAI(プロンプト)で磨き上げる

  • 100本ノック with GPT

  • ISSUEマップ

    • 「重要度」と「実現性」でマッピング

  • 日本の仕事ライブラリ

    • 厚生労働省の職業情報提供サイト
      事務/マーケティング/コールセンター/管理職/営業/販売/接客・サービス/理美容・調理/介護・福祉/保育・教育/医療、看護、保健/製造・検査/印刷・製図/建設技術/IT開発/製品開発/法務/クリエイター/通訳・カウンセリング/建築・土木・電気工事/警備/施設管理・設備運転/運転・運輸・配送/清掃・洗浄/倉庫・包装・軽作業/農業・林業・漁業

⑥AIプロンプト力

  • 入力 → 7R → 出力

  • 7Rプロンプト

    1. Request(依頼)を出す

    2. Role(役割)を決める

    3. Regulation(形式)を指定する

    4. Rule(ルール)を定める

    5. Review & Refine(評価・改善)を求める

    6. Reference(参照知識・例)を与える

    7. Run Scenario(実行シナリオ)で制御する

  • プロンプト上手になるための7つのポイント

    1. 明確な質問

    2. 具体性

    3. 構造化

    4. 文脈の提供

    5. 複数の質問

    6. ステップバイステップ指示

    7. 校正とフィードバック

  • プロンプトの3つの型

    1. 簡易プロンプト:短くシンプルに指示する
      →7Rのうち役割、依頼、形式の3Rを意識して指示する
      【プロンプト例】
      あなたは「広報担当者」です。(役割)
      「情報セキュリティ事故への想定質問と回答例」をあげて、(依頼)
      「表形式」で出力してください。(形式)

    2. 詳細プロンプト:具体的な指示を詳しく指示する
      →7Rのうち、3Rに加え、ルール、評価・改善、参照知識・例の要素を用いて詳細な指示をする

      • ルール

        1. 背景 BACKGROUND

        2. ターゲット TARGET

        3. 含めること INCLUDED

        4. 禁止すること PROHIBITED

        5. スタイル STYLE

        6. 量 AMOUNT

        7. 抽象度/具体度 ABSTRACT

        8. 順番 ORDER

    3. シナリオプロンプト:対話の流れを指示する

⑦AIマネジメント力

  • AIマネジメント力 = AI操作力 + AI導入力

  • AI操作力を伸ばす7つのTips

    1. 最適な利用インタフェースを選ぶ:Chat形式、プレイグラウンド、ブラウザプラグイン、GPT搭載市販アプリ、GPT搭載カスタムアプリ作成、既存システムとAPI連携

    2. インプット情報をコントロールする

    3. アウトプット形式を操る

    4. 参照知識を与える

    5. コード実行・オート処理をさせる:コード実行プラグイン

    6. 個別学習で賢くする

    7. ChatGPTだけでなくGPT時代のAIを使い分ける

  • AI導入力を伸ばす

    • タスク選定:AIに任せる仕事を決める。
      定期⇔1ショット、専門⇔一般 のマトリックス
      創造⇔量産、自分の得意⇔不得意 のマトリックス

    • 分業:AIにどれくらい任せるかを決める

    • 評価:AIの正しい評価を行う

    • 導入:AIの現場導入を進める

    • 運用:AIの運用を管理する

【おまけ】主なプロンプト集

本書で取り上げられていた、主なプロンプト集を以下に限定公開いたします。実際にプロンプトをChatGPTに打ち込んで回答を見ながら、本書を読み進めると知識が定着し、理解が進むと思います!
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