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【資格】「二次試験の合格戦略大全」中小企業診断士に独学で合格するための効果的な勉強法まとめ

▶はじめに

この度、中小企業診断士試験に無事合格することができました。
今回、中小企業診断士試験に、(スクールに通う、通信講座を受講する等ではなく)独学で合格するための効果的な勉強方法について書いていきます。
本noteでは、このうち「中小企業診断士二次試験の合格戦略」について書きたいと思います。

●中小企業診断士とは

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。経営コンサルティングに関する唯一の国家資格とも言われています。

●中小企業診断士試験について

試験は第一次試験、第二次試験(筆記、口述)があります。
(1)第一次試験:7科目(マークシート)を2日間で受験
 A 経済学・経済政策
 B 財務・会計
 C 企業経営理論
 D 運営管理 ( オペレーション・マネジメント )
 E 経営法務
 F 経営情報システム
 G 中小企業経営・中小企業政策

(2)第二次試験
 ①筆記試験
 以下の4科目(筆記)を1日間で受験します。
 事例Ⅰ「組織・人事」
 事例Ⅱ「マーケティング・流通」
 事例Ⅲ「生産・技術」
 事例Ⅳ「財務・会計」


 ②口述試験
 筆記試験合格者が受験する、1人10分程度の口頭による試験

▶中小企業診断士二次試験の合格戦略

●二次試験の「3C分析」

勉強を開始する前に、戦略策定の基本である「3C分析」をして、二次試験を分析し、自分なりのCSF(重要成功要因)を導き出すことが合格への近道になります。

二次試験の3C分析(試験/他者/自分)

(1)試験分析

①勉強中=過去問ファースト
・他の資格試験の勉強でもそうですが、中小企業診断士の二次試験でも勉強中に最重要視すべきは「過去問」です。テキストを中心に勉強を進めたとしても、最終的には過去問レベルの問題が解けなければ合格はできません。
・また、二次試験は一次試験に合格した人が受験するわけなので、解答に必要なベース知識は既に身についているはずです。よって、勉強にかける時間も必然と「過去問 >> テキスト」となります。
・また、過去問を解いていくと分かりますが、筆記試験の勉強法は大きく2つに分かれます。
 (1)事例Ⅰ~Ⅲは共通の勉強法
 (2)事例Ⅳだけは別の勉強法が必要

②試験中=与件文ファースト
試験本番では「与件文ファースト」で解いていくことが大切です。
・例えば、
  ○過去問に合った似たような答案をそのまま書く
  ○自分の業務経験に基づいた答案を書く
  ○自分の知識・経験をアピールするような答案を書く
  ○誰も思いつかないような斬新なアイデアを答案に書く
 
といったことは全く必要ありません
・あくまで「与件文」に沿った答案が大事です。

(2)他者分析

①相対評価
・中小企業診断士の二次試験は相対評価だと言われています。
・以下の表は、2017~2021年度の5年間の二次試験の受験者数と合格率を表にしたものです。
・ここで注目したいのは、5年間の最終的な合格率が18.3~19.4%と非常に安定しているということです。最近、受験者数は約4千強→約9千人弱と増加傾向にあり、問題の難易度も年によって変化すると思うのですが、それでも合格率は安定して約2割弱をキープしています。これが相対評価であると言われている理由です。
・そのためには「とび抜けた出来栄えで合格する必要はない」「この答案は上位2割に入っているのか」という、曖昧な基準と比較しながら勉強を進める必要があります。そのためにも「他の受験生がどのような答案を書いて合格/不合格となっているのか」ということを把握することが重要になってきます。

過去5年間の二次試験の受験者数と合格者数、合格率の推移

・もう1つ注意しないといけない点としては、筆記試験は
 ○総点数の60%以上かつ、1科目でも満点の40%未満がないこと
 ○科目合格制度はない

ということです。つまり、受験するときには、事例Ⅰ「組織・人事」~
事例Ⅳ「財務・会計」の4科目を毎回すべて受験する必要があり、かつ「合計240点以上を取り、1つでも40点未満がない」という必要がありますので、一次試験以上に「苦手をつくらずバランスよく勉強する」ことが重要となります。

(3)自分分析

①自分の今の実力を知る
まずは、自分の今の実力(現在地)を知ることが大切です。

事例Ⅰ~Ⅲ=「国語力」
あくまでも私のイメージですが、事例Ⅰ~Ⅲは「国語力」を測る試験です。つまり、事例や与件文によって得意・不得意はあるかもしれないが、共通の答案スタンスは「この問題の作者は何を答えてほしいのかということを想像しながら、与件文にちりばめられたヒントをもとに、作者の意図に沿った答案を作成する」という国語力が試されます。暗記や知識量を測る試験ではないので、勉強時間と得点が比例するわけではないと思います。

事例Ⅳ=「計算力」
一方で、事例Ⅳは「計算力」を測る試験です「色々なパターンの計算問題を、素早く正確に解ける」という計算力が試されます。そのため、どれだけ計算問題を解いたかということが大事で、勉強時間と得点が比例する傾向にあると思います。

②今後充てられる資源(時間)を知る
●先に「過去問をどう使って勉強するか」を決める
・筆記試験は1事例80分×4科目の試験です。単純に、1事例あたり、問題を80分で解き、答え合わせを40分で行ったと仮定すると、5年分の過去問を3周やる場合、
  1事例2時間(80分+40分)×4科目×5年×3周=120時間
かかります。

・これまで他人の勉強法、合格体験記をいくつか読みました。過去問を何年分やるのか、何周やるのかといったことを中心に書かれていますが、私自身は「過去問○年分を○周するという勉強法は一切していません」。これは、同じ過去問を何周もやると、2回目にやるときは事例の内容を何となく覚えてしまっているし、解答を書く時も、前にミスした観点を覚えていて改善できてしまうので、前よりも短い時間で解けて、点数もよくなるが、それは単に内容を覚えているからであって、自分の実力が上がったからだと勘違いしてしまうのではないかと思ったからです。

・では、過去問をどう使って勉強したのかというと、特に事例Ⅰ~Ⅲについては「5年分過去問について、テーマ・論点別に、設問と合格答案を並べ替えた後、筆記試験で回答すべきキーワード集、フレーズ集を盛り込んだ、オリジナルの虎の巻を作る」という使い方をしました。つまり、過去問を繰り返し解くのではなく、自らの手で過去問の傾向分析をするという使い方をしました。

・さらに言うと、私自身は過去問を時間を測って解いたことは一度もありませんし、答案用紙に実際に回答を手書きで書いてみたことも一度もありません。これについては、賛否両論あると思います。私自身、たまたま80分で答案を書き切るという時間感覚と、○字以内で回答するという文字数の感覚がたまたま身についていただけかもしれません。

●自分の確保できる勉強時間の算定
また、独学での勉強に必要となる資源は、主に以下のようになると思いますが、一番のネックは「時間」=今後、資格試験の勉強にどれだけの時間を充てられるのかになると思います
 ・「人」 =講師(動画視聴)
 ・「物」 =タブレット、アプリ等のデジタルツール
 ・「金」 =教材(過去問・テキスト)代
 ・「情報」=ネットの情報
 ・「時間」=勉強に充てられる時間

個人ごとに、仕事の繁忙度合いや家庭(育児等)とのバランスが異なりますので、自分が置かれた環境をよく把握して、どの月・期間に、平日・休日でそれぞれどれだけの勉強時間を確保できるのかを、ざっくりとでも良いので把握する必要があります。

●CSF(重要成功要因)を導き出す

CSFは、
①効率的・効果的な「勉強法」を確立する
②自分に合った試験中の「解き方」を見つける
の2つだと思います。

中小企業診断士の参考書、テキスト、色々な方の勉強法、解き方を参考にしながら、自分に合った方法を確立しておくことが合格への近道となります。

①効率的・効果的な「勉強法」を確立する
・過去問をどう使って勉強するのか
・テキストを使うか

②自分に合った試験中の「解き方」を見つける
・80分の試験時間をどう時間配分するか
・与件文を読む、設問を解く順番をどうするか
・与件文、設問の何にどのようなマークをするのか
・答案をいきなり書き始めるか、下書きをしてから書くか

▶「勉強法」「解き方」「虎の巻」の具体例

●勉強法

・事例Ⅰ~Ⅲ 共通編

・事例Ⅳ「財務・会計」

●解き方

・事例Ⅰ~Ⅲ共通編

・事例Ⅳ「財務・会計」

●虎の巻

・事例Ⅰ「組織・人事」

・事例Ⅱ「マーケティング・流通」

・事例Ⅲ「生産・技術」

・事例Ⅳ「財務・会計」

●口述試験対策

▶二次試験の結果公開

独学での勉強法、解き方を確立し、虎の巻を作成して挑んだ二次試験の結果はいかに?

▶【参考】一次試験の合格戦略

一次試験の合格戦略については、以下の文書に記載していますので、合わせてご参考ください。

以上です。


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