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【歌舞伎感想】九月大歌舞伎〜かさね・鷺娘〜

 2020年、気付けばもう年末ですね。9月初旬の更新を最後に音沙汰なしでしたが、実は月に2演目のペースで観に行っていまして、歌舞伎観劇始めてから過去最多年間観劇記録更新しました。わ〜〜〜〜い!!!折角ですし、9月以降観劇した歌舞伎の感想を今年中にアップします。

 というわけで、今回は九月大歌舞伎@歌舞伎座で観劇した「かさね」と「鷺娘」の感想を述べます!サクサク更新できるように、感想評価テンプレートを作ってみました。この評価はアマチュアな私個人の主観に基づくものであり、テンプレートも試行錯誤中なので、お目汚し何卒ご容赦ください。

1.色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ、通称:かさね)

かさね

あらすじ:こちらの個人ブログサイトが分かりやすいです。
歌舞伎見物のお供/「色彩間苅豆」 いろもよう ちょっと かりまめ

 あらすじを簡単にいうと、主人公の男が過去に恋人の父親を殺しており、その因果で恋人の顔がただれ始め、恐ろしくなった男は恋人も殺めるが、幽霊になった恋人に襲われるって話で「怨念深けぇ〜顔がただれる演出は四谷怪談みたいで面白そ〜!」と思って観に行きました。

 実際のところ四谷怪談の様な派手な早変わりではなく、普通に苦しみながら裏にはけていきましたが、やっぱりただれた顔・人ならざるものに変わっていく様は怖かったし、今回この恋人を演じたのが猿之助さんだったので、やはりこういう凄みがある役が似合う!と思いました。あと火の玉(日本人がよく想像する青白い炎のやつ)も出てきて面白かったな。

 主人公の男は幸四郎さんが演じていまして、恋人を殺めようと組んず解れつしている時の決めポーズがどれも浮世絵みたいで良かったので、記念にブロマイド1枚ぐらい購入すれば良かったわ。

 あと役者の台詞よりも、清元の唄や舞踊で話が進んでいく感じだったので、イヤホンガイド借りれば良かったかな〜とも思いました。歌舞伎は唄の掛詞が分かるとより深く物語の背景とか理解できるようになっていたり、洒落てんな〜ってなったりするので、より楽しめただろうなぁ〜。


2.鷺娘

鷺娘

 前回の記事でも書いたのですが、まさに玉三郎様という大御所による歌舞伎鑑賞教室@歌舞伎座という感じで想像以上に最高でした!!!初心者も玄人も楽しめる内容でしたよ!!!

 出演者は玉三郎様お一人のみで、前半は口上という名の歌舞伎座バックヤードツアー、後半は鷺娘を踊り納した際の映像とコラボしながら一部踊るというプログラムでした。

 前半の歌舞伎座バックヤードツアーの目玉は奈落(舞台下から役者・長唄連中・大道具などを舞台上にせり出す装置のこと)の紹介だったのですが、奈落ってめっちゃ深いんですね!!!深さ18メートルってすごくないですか???下の方になればなるほど、光が届かず暗くなっていくのが怖かった。結構歌舞伎って早変わりでダッシュとかするから誤って足滑らせそう…だとか、女方の裾長い衣装とか装置に挟まれて危なそう…とか思いましたね。いやはや命張ってるなぁ〜。

 そういう装置を案内しながら「実際に使ってみましょう」と言って、玉三郎様が過去演じてきた衣装でせり出して舞ったりしてたんですが、どの衣装も綺麗でめっちゃ良かった…眼福…🙏そして女方の花形な役柄はほとんど演じられてるんですね…さすが…。

 後半の鷺娘は、最初映像でスタートしたのですが、舞台上の玉三郎様の舞踊に切り替わる場面で、夢か現か分からなくなるような幽玄の世界に入り込むような演出がされてすごく良かった!上手く言葉に表せないんですけど、薄暗い映像の背景から若干明るくなってスファ〜〜〜って切り替わる感じでした。(何も伝えられてないね笑)

 踊り納めしていると聞いていたので、もっと映像多用されるかと思ったんですけど、私が思うには2/3ぐらいは踊っていたように見えました。そんなに舞ってくれるなら、まだ踊れるんじゃないですか!?!?って思ってしまったけど、目を閉じる瞬間や指先の方向まで、一つ一つの挙動全てに神経が張り巡らされているような所作だし、ずっと白無垢なのかなと思ったら衣装チェンジもたくさんあったので自重すごいだろうし、御歳70(信じられます?)だから厳しいのかな…。

 やっぱり歌舞伎役者も人なので抗いきれない部分もあるので、観れる時に観に行かないとね!!!そこの儚さも含めて歌舞伎ですね。


 ということで9月の観劇感想でした!それではまた!

皆々様よりいただいたサポートを活用して、よりたくさん歌舞伎を鑑賞して、noteで皆様と共有していきます!