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口臭の原因は舌が臭いだけじゃない!?

口腔ケアアンバサダー(社団法人口腔ケア学会認定)の上林登です。

口臭を治すために口臭外来に行くと、「口臭がしているのは、唾液の分泌が少ないからです。」と言われることが多いですよね。

その理由はこうです。たいていの口臭は口内の(酸素を嫌う)嫌気性菌に原因があり、(酸素を含む)唾液が減ると嫌気性菌が増殖し、硫黄ガス(揮発性硫黄化合物)を発生するからです。

では、「口臭原因の嫌気性菌はどこにあるのか?」というと、それはプラーク、歯周ポケット、舌苔(ぜったい)の中です。

(口の中が乾いて)口臭があるから舌を観ると、舌苔が厚い。これで舌苔と口臭の関係性を納得できますよね。

これが口臭の原因なら、ブラシで舌を磨いて舌苔を取り除けば、口臭は治るはずです。ところが、口臭はなおらないことの方が多いのが現実です。

この記事を読まれているあなたも、この意見に同感なのではないでしょうか。

今回は、「舌が臭いのは舌苔だけが原因ではない!」本当の口臭原因についてお伝えします。ご参考になれば幸いです。

口臭は舌の匂い!?

口臭予防歯磨き粉『美息美人(びいきびじん)』通販ショップにいただいた、お客さまからのご相談の一部をご紹介します。

「15年ほど前から口臭に悩み、口臭外来にも行き「口臭ケア用キャンディ」も処方してもらいましたが、全く改善せずあきらめております。最近になり、よく舌が乾き、変な味もするため何度も水を飲んでいます。唇も乾きます、いつも舌は白く厚ぼったいです。

舌苔からの匂いだと思いますが、周りの人が鼻を押さえて距離をおいて話すので口臭があることは確かです。

何をしてもダメです。不安で人と話すことが嫌になってきております。本当に改善するのでしょうか?結局、歯科を受診しても臭い原因はわからないままです。」

この患者さんは、口臭外来で診断されたように、唾液の分泌が少ないようです。それなら、口臭治療をしても口臭ケア用キャンディ(飴)でも、効果がないのは何故でしょう?

舌の匂いの原因は?

舌に舌苔(ぜったい)が付着すると、匂いを発生するようになります。舌に付いた白っぽい汚れ(舌苔)には、口臭を引き起こす嫌気性菌やタンパク質を多量に含んでいるからです。

嫌気性菌は、唾液量が減少すると活発に増殖します。そのため、緊張・不安などのストレスがかかると(自律神経が乱れ)唾液の分泌量が減り口臭を強くします。同様に、この作用は口呼吸の場合も起こるので、睡眠時に開口して「すぅすぅ」と寝息をしている人は要注意です。

まとめると、、(舌苔ができて)口臭が起こるのは、ドライマウス(唾液の分泌の減少、口呼吸)が原因です。

【唾液量が減少する原因】
1, 緊張や不安などのストレス
2, 降圧剤や睡眠誘導剤など薬の副作用
3, 病気や疲労による自律神経の乱れ

舌苔の匂いはどんなにおい?

口臭が酷いと、「口臭がドブ臭い」とか「口臭がうんちの匂いがする」と言われますが、舌苔による口臭は「卵の腐ったような匂い」、硫黄臭が特徴です。

たいていの口臭原因物質は、硫化水素かメチルメルカプタンですが、舌苔の場合は、硫化水素の割合が多いために口臭が強くなります。

また、メチルメルカプタンは、歯周病になると多くなる口臭物質であり、便臭や腐敗臭のような匂いがするのが特徴です。

ですから、口臭外来の口臭測定装置で「口臭原因物質」を特定すると、「硫化水素が多いと舌苔に原因」というように診断ができる、というわけです。

>>口臭がうんちの臭い!?その原因は?

口臭原因は舌苔だけではない!?

結論から申しますと、、舌苔そのものが臭いのではなくて、口臭原因物質を含む「唾液」と「痰」が臭いからです。

舌背の後方には、リンパ組織の「舌扁桃」があります。(ちなみに、喉の左右には口蓋扁桃がある)リンパ組織は、外から口の中に入ってきた細菌やウイルスを体の中に侵入しないよう防御するためのものです。

そのため、舌の奥やのど粘膜には、細菌やリンパ球の死がいが痰に混じった、ネバネバ唾液(痰)が付着します。このネバネバの液体が臭いのです!!舌の奥に舌苔ができるのも、このネバネバした唾液が原因なのです。

のどのネバネバ唾液の正体は「膿汁(のうじゅう)」というものです。詳しくはこちらをご参考にしてください。
>>喉に膿汁(のうじゅう)が着くと臭い!?膿汁とは?

通常は、飲食や唾液によってこのネバネバ唾液(痰)は胃の中に流されてしまいます。(もしくは咳をして出す)

ところが、唾液量が少ない、口呼吸をしている、水やお茶を飲む回数が少ないと、ネバネバ唾液が舌やのどの粘膜から離れない。

それでは、どうすれば(舌苔と口臭の原因となる)ネバネバ唾液を着かないようにできるのでしょう?

舌苔と口臭を予防するには

口臭に不安のある人は、舌で感じる「不快な味覚」や「口の乾き」にとらわれて、その不安によるストレスから口腔乾燥を起こす、というように悪循環を来します。

そして、舌を過剰に磨くため、さらに口腔を乾燥させて口臭を悪化させてしまっています。

口臭を改善し予防するためには、適切に「舌苔ケア」を行なうことが大切です。
>>舌磨きはコットンが効果的!?

そして、舌の奥と喉を清潔に保つことが重要です。
そのための方法をご紹介します。

1,「口内うがい」でクチュクチュと口内を洗浄する。
2,「喉うがい」でゴロゴロと喉を洗浄する。
3,小まめに水やお茶を飲んで、喉を洗浄するとともに乾燥を防ぐ。

>>アルカリイオン水でうがいを行うと口臭予防になる

口臭対策で大事なことは、サラサラした唾液を多く出るようにすることです。唾液量が増えると自然に舌苔や口臭は改善されます。そのためには、ストレスによる「悪循環」を断ち切るようにしましょう。

関連記事:舌が白い人と白くない人5つの違い!舌苔の原因と取り方

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