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カウンセリング中の流れ

 カウンセリングと聞いてイメージするのは、クライエントさんとカウンセラーが対面で向き合い話をするシーンを想像する方が多いのではないでしょうか。もしくはフロイトが行っていた自由連想法では、寝椅子に横たわる患者に対して、傍に座る治療者が語り掛けるという構図です。大分古いイメージですね。  

 有史以来長らく対面でのカウンセリングが主とされてきましたが、今日では電話や手紙、メール、チャットなど、様々な形態のカウンセリングが存在します。2019年のパンデミックにより、オンラインでの相談の需要は急増しました。時間や場所に制限されることなく、悩んでいる時にいつでも相談できるという利用者側の安心感はとても大きいですよね。    

 カウンセラーとしては、対面は最も情報量が多く、電話は耳からの情報だけに注力し集中力を高められます。文字媒体は相談内容を熟読し落ち着いて返信ができるなど、それぞれに特色があるため、人によっては得意不得意もあるかもしれません。ちなみに私は全てのご要望に対応していますが、現状では電話やチャットでのご相談が主となっています。それぞれに特色があるにせよ、どの方法でも、カウンセラーのやるべきことは同じです。それでは、相談を受けてからの流れを簡単にご説明します。


【カウンセリングの流れ】
①傾聴(受容共感しながら相談の意図及び人物像を把握する)
②主訴を確認
③不明点の確認
④理解の共有
⑤新たな視点の明示
⑥解決に向けた選択肢を提案
⑦クライエントさんの選択を力強く支援


対面や電話でのカウンセリングの場合はおよそ50分間というところが多いかと思いますので、始めの10分位までに①~④までを同時に進めていきます。

手紙の場合には③ができないため、相談の文面を深く読み込み、あらゆる可能性を考慮した納得しやすい返事という文章力が問われますね。

メールやチャットの場合にも、クライエントさんと何度もやり取りができると言えども、無責任なメッセージには返信してもらえず、カウンセリングが途中で終わってしまうこともしばしばです。 少ない情報の中からいかに主訴を汲み取り、端的な言葉で深い共感を伝え返せるかという瞬発力を要します。

⑤⑥では冷静かつ柔軟な思考と、クライエントさんの人物像に合わせた提案ができるかどうかというクリエイティビティが問われます。

そして⑦です。①~⑥までかけて築き上げた信頼関係とクライエントさんの成長を信じるカウンセラーの人間力を総動員して未来へと送り出します。

 こうしてみるとカウンセリング中というのはやることが盛り沢山でかなり忙しいですよね。カウンセラーは、単に相談を聴いているのではなく、心と頭と体をフル回転して向き合っていることがお分かりいただけるかと思います。相当な集中力を要するため、決められた時間以上に長くなる程、集中力が継続せずカウンセリングが成立しなくなっていきます。延長を希望される場合もあるかと思いますが、集中力が保てずにカウンセリングの質が悪くなっていくと依存関係に陥る隙が増えます。既定の時間で終了することがカウンセリングの質を保つことになりますので、カウンセラーとしての自覚として大事にしていただけたらと思います。

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