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ファッションのコト〜祖母の思い出をリフォームする〜

先日の記事で少し書いたが、スキンジュエリーとして同じネックレスを10年ちょっと着け続けた。
よっぽどの時以外はお風呂でも就寝時でも着け続けたのだけれど、今年になってそれを変更した。
祖母の形見をリフォームしたのだ
今日はリフォームした時のお話。

祖母と私

子どもの頃の思い出

祖母が亡くなったのは今からもう10年以上前のことだ。
私は20代、祖母はまだ70代だったと思う。
比較的長寿な家系の中では早くに亡くなってしまった祖母だが(祖母の姉はその頃まだご健在で、亡くなったのも90過ぎてからだった)、幼い頃からかわいがってもらった。
私には同い年の従兄弟がいて、従兄弟は本家の長男であった。
従姉弟は他にもいて、みんな女の子。
唯一の男の子が同い年だった。
程よく田舎の私の地元では、今ではあまりないけれどやっぱり本家・分家と気にする人は気にするし、従兄弟は本家の長男、と丁重に扱われていたようだった。
それでも祖母は分け隔てなく私をかわいがってくれたし、お誕生日には祖母と2人でお買い物に出かけてお洋服を買ってもらったりもした。
今思えばそのショップでは従姉妹が働いていて、従姉妹の売上に貢献してあげたかったのもあったのだろう。
それでも私は嬉しかったし、そのお洋服は大切に着ていた。
近所に住んでいたし、従姉弟たちも一緒に祖父母と旅行もたくさんした。
夏は海、冬はスキー。
それでも一緒に住んでいたわけではなかったから、それぞれの家庭にそれぞれの事情や思いもあったと思う。
母は普段は何も言わなかったけれど、同い年の従兄弟と私は比べられているのではないかとずっと思っていたんじゃないかと思う。
(たまに口に出して言ってもいた)
母も田舎の出身で、嫌という程周りの目を気にする人である。
ただ、母と言う人は大胆な人でもあって、時にびっくりさせられるようなこともする人なので、私は尊敬している。
(この話もいつか書きたい)

形見分け

祖母が亡くなってしばらく経ったタイミングだっただろうか。
形見分けをすると言うので祖母の姉妹や従姉弟たち、みんなで各々に欲しいと思うものを譲り受けた。
着物にバッグ、本当に物が多かった。
叔母曰く、値打ちのないようなものも多く、そちらは先に処分したと言っていた。
祖母も私に負けず劣らずの浪費家である。
どうやら祖母は貴金属が好きだったようで、私のアクセサリー好きは祖母からのものかと思った程だ。
色々あった中から私は目の前にあったものをパッと手に取った。
所謂婚約指輪らしい婚約指輪と言う見た目の立爪の指輪と、ゴールドやプラチナの指輪、そして祖母がよく着けてた記憶のある指輪だ。
全部で5つ。
事前に写真に残しておかなかったらしく、それだけが悔やまれる。
立爪の指輪は普段使いできなさそうにしても、他はわりとシンプルで、普段使いできそうだった。
ただ、実際自宅で着けてみるとサイズが合わないものばかりだった。
歳を重ねてもいつもキッチンに居たような働き者の祖母は、やはり相応に指の節も太くなっていたのだろう。
よく着けていた印象のある指輪は、力がかかってしまったのか歪んでいるところもあった。
ちなみに立爪の指輪は、本当に婚約指輪として祖父から貰ったものと言うわけではないらしい。

立爪だけ写真に撮っていたらしい
他のも写真に残しておけばよかった…

リフォームについて

やっぱり身につけていたい

せっかく譲り受けた指輪たち、やっぱり身につけていたいなと思った。
祖母を身近に感じたいとかそういうなんだかちゃんとした理由と言うよりは、そのまま眠らせておいては譲り受けた意味があるのかと思ったのだ。
私はもう妙齢だし、今のネックレスは気に入っているけれど、スキンジュエリーもそろそろきちんとしたものに変えても良いのではないかと思った。
と言ってもそれまでつけていたものが、おもちゃみたいな、と言うわけでもないのだけれど。(お安くはないけれどジュエリーと言うにはお安い)
かねてから一粒ダイヤのシンプルなネックレスは欲しいと思っていて、バイザヤードはいつもその候補の筆頭だった。
だったら、この立爪をリフォームして、シンプルなネックレスにしたら良いのではないかと。
幸い、他のリングにもダイヤが埋め込まれていたし、うまく行けば2本作れそう。
そこから私の長い検索の日々が始まる。

リフォーム業者、ありすぎ問題

ネットで調べるとそれはもうたくさんのリフォーム業者がヒットする。
調べ始めたのはかなり前で、それこそ譲り受けた直後から何度も試みてはいるものの、イマイチどれも決め手に欠ける気がするのだ。
どれもそれぞれに良さはあると思ったし、実績もそれぞれ良さそう。
口コミも良いところが多いし、良い情報はいくらでもあって、それで二の足を踏んでしまう。
費用も現物がないことには調べられないし、わざわざ足を運んで一旦保留となると気が重い。
そうして悩んでいるうちに数年経ち、ついにはこのご時世。
なかなか外出もできなくなってしまってさぁどうしようと更に悩んだ。
ネットでやり取り出来るところもあるけれど、見積の為に郵送しなくてはならなかったりするのも面倒だし、紛失などの事故も不安に感じた。
デザインも、直接微調整がその場でできる方が良い。
メールのやり取りではラグがある。
もちろんそれくらい気長にやり取りするのも良いのだけれど、私は変なところでせっかちにになる。
サッと決めてパッと終わらせたいのだ。
その割には決めるまでに数年かけているので、せっかちなのかなんなのか、自分でも自分が不思議に思えてならない。
以前、一緒に買い物をした友だちに、「買い方が男前すぎる」と言われたことがある。
検索魔なので事前にある程度の情報は頭に入っていて、店舗に行く時には直感で選ぶ事が多い為である。

最終的な決め手は

最終的には、ブライダルジュエリーも多く取り扱っていて、全国展開のある会社に決めた。
相談に行くのに足を運びやすく、受け取りに行くのも億劫にならない距離に店舗があった。
やはり私はせっかちでありながら怠惰である。
リフォームの実績もそれなりにありそうで、サイトにも様々な紹介がされていた。
タイミング的にも少し外出規制が緩和された時期だった。

いざ相談へ

予約をとり、相談へ向かった。
デザインや見積などをしてもらったが、私はほぼデザインが決まっていたので、それに合わせて細かい部分の微調整、実際に見てもらって使える石の判断や買取額の見積をしてもらい、着手金として見積り金額の一部を支払った。
残りは買取になる地金の価格を確定し、仕上げてから最終的に金額を確定して着手金との差額を支払う流れ。
実際の買取額が先に支払った金額よりも高くなれば、差額を返金。
見積段階ではおおよその金額で、買取価格などはしっかりと工房の方でチェックし、確認をしてくれる為に時間がかかるらしい。

デザイン相談

かなり融通は効く印象だった。
私はもう自分の中にイメージがあり、そのイメージに近い商品がその会社に取扱いがあったので、売り場のショーケースを見ながらこれに近いデザインで、と伝えた。
担当さんと一緒にデザイナーさんも同席してくれ、その場でささっと書いてくれる。
合わせるチェーンの種類や長さ、留め方など、一つずつ決めていく。
2時間程で相談、デザインが終わり、支払いをして店舗を後にした。

その場で書いてもらったデザイン画

金額、買取について

私の場合は指輪5つを2本のネックレスにしたのだけれど、指輪5つ中2つがプラチナ、3つが18金だった。
地金は全て買い取ってもらい、使われていたダイヤをそのまま使ってもらったので、石を追加したりはしなかった。
バランスをとったりデザインによっては追加したりする事もできるみたい。
私は結局使わなかったダイヤを持ち帰った。
いつか残りの石も何かしらの形に変えたい。
変えられるのかしら…。

仕上がり

5つの指輪から2本のネックレスに。
シンプルだけれど2つ、カラーが違うだけでなくデザインも少し変えてデザインをお願いした。
プラチナとイエローゴールド。
プラチナはシンプルな1粒ダイヤ、ゴールドはダイヤの周りをぐるりと囲むようにメレダイヤを配置してもらった。
デザイン段階で石の大きさからだいたい何個くらいのメレダイヤを並べられるかも含めてデザインしてくれたのだけれど、実際に石を取り出して組み込んでいったところ、実際の石の大きさとデザインとでは並べられる石の数が違ったようで、仕上がり前の段階で確認のご連絡をくださった。
バランスの良いのは何粒、デザイン通りだと何粒、といった感じ。
私としてはどちらでもと言ったところではあったのだけれど、ちょっとしたデザインの変更でもこうやってご連絡をいただけるのは安心感が増した。
そして出来上がりが更に楽しみに、待ち遠しくなった。
そして2ヶ月後。
仕上がりは大満足!
私としてはプラチナとゴールドの2本を作って、プラチナをメインで使う予定でいたのだが、実際見てみたらゴールドの方が数倍かわいく見えた。
根っからのキラキラ好きのせいだろう。
お仕上がりの確認を…と見せていただいた瞬間、「かわいい〜!」と思わずはしゃいでしまった。
こういう時、あまり周りの目を気にせず素直にリアクションできるようになったなと思うと同時に、ナイスミドル・ナイスミディに近づいているのだなと思わされる。

ボリュームのある左のネックレスが好みすぎた

ネックレスのその後

ゴールドが気に入ったので、普段使いでゴールド、プラチナは洋服やその日の他のアクセサリー等で変えようかなと思っていた。
ただ、実家で母とリフォームの話をした時に、こんなことを言われた。
「貴方はちゃんとしたものもらえたのね。○○(妹)は大したものもらわなかったんじゃないかしら…。遠慮しちゃったのかしらね」
確かに妹はあまりその時に何をもらったとかそんな話をしていなかったな。。
旦那さん(義弟)も居たから、余計に遠慮したのかな。
そう思ったら、後日ちょうど遊びに来る予定があったから妹にあげちゃおう、そんな気持ちになった。

プラチナ?ゴールド?

私がどちらを妹にあげたかと言うと、プラチナの方である。
私も予想外だった。
肌色的には圧倒的にプラチナの方があっているのだけれど、デザインが可愛すぎた。
私は自己診断ブルベサマー。
ZOZOGLASSでも調べてみたところ、そちらでもブルベサマーだった。
それでも明るめのゴールドはわりと似合っている。
結婚指輪もプラチナだけれど、結局その後重ね付けしているリングはイエローゴールドやピンクゴールドで、手元にゴールドとプラチナをミックスしているので、トータルの相性も良かった。
あげちゃうなんてもったいないなと思う気持ちは1ミリもなかったけど、私は気に入ったゴールドの方をもらう、と言うところだけは許してもらおうと思った。
予想通り、「高価なものを…」と妹には恐縮されたけど、「おばあちゃんの指輪だから」の一点張りで、姉の権力振りかざして渡してしまった。
早速つけてくれたようで、妹には日常的につけっぱなしにするのは難しいみたいだけれど、妹にも祖母の形見を渡せて私は大変満足なジュエリーリフォームとなった。
ずっと検討案件となっているシンプルなプラチナのネックレスは、私はなにかの折にご褒美で自分で購入しよう。


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