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神も仏もねえな

癌が見つかりあっという間になくなってしまった父

今は心電図がベッドの横にないのが普通らしく、ピーも何もなく
無言でギュッと目を閉じる父が本当に死んだものかと理解が及ばなかった。

亡くなったということは、
病室を空けないといけない。
面会のつもりで来たのに、理解が追いつかないまま
皆思い思いに買ってきたお札やお守りを、病室のゴミ箱に投げ捨てる。

全然効かねえじゃねえか馬鹿野郎と言わんばかりに。

その時姉が言っていた
神も仏もねえな
という言葉が残っている。

昨今、良い人ほど自分を追い詰めて自ら命を終えてしまうし、そうじゃない人ほどのうのうとずるく生きている。

それから神社仏閣は全く行かなくなり、お守りも可燃ごみに捨てている。
特に何も起きていない。

だって神も仏もいないでしょ。

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