見出し画像

ランニングフォームの評価と改善に必要なこと

SEOの影響もあり、これまでランナーズNEXT内の「ランニングフォーム」に関連する記事は沢山読まれてきたと思っています。

サイト側での計測は仕様をいじっていて、リセットされたりもしましたが、1つのページで100万ページビュー(PV)以上のものもあったりします。
※分析ツール上のPV数はもっとあるはずです。確認はしていませんが。

スクリーンショット 2020-06-24 13.52.08

恐らく、ランナーズNEXTを立ち上げた2015年頃はランニングフォームを動画で撮って、撮影者の主観でフィードバックをするスタイルが主流だったはずです。専門施設を除いて。

もしかしたら、今でも主流のスタイルかもしれません。

それからテクノロジーが発達してきて、スローモーションで映像を流すことができるようになったり、ジンバルを使って追尾しながらランニングフォームを撮影できるようになりました。

私もよく自転車に乗って撮影していましたね。

さらに、最近ではランニングフォームを客観的に評価できるデジタルデバイスがいくつも登場しました。例えば以下のようなデバイスがあります。

JINS MEME RUN

Garminのランニングダイナミクスポッド、RunScribe、Strydなどのポッドタイプの加速度センサーデバイス

スマートシューズ【ORPHE TRACK】

ランニングフォームの分析・評価方法を大きく分けると、映像を使って主観的なフィードバックを受ける方法デジタルデバイスを使って客観的なフィードバックを受ける方法があります。

どちらもメリットとデメリットがあると思っていて、

映像を使って主観的なフィードバックを受ける場合、確かに映像を通じて走っている姿を客観的に見ることはできますが、評価をするのは「人」です。

なので、主観的なフィードバックが少なからず入ってしまいます。

例えば、同じランニング中の腕振りを評価する場合でも、人によって「腕がよく振れてますね!」と言う人と「腕の振りが大きいので、よりコンパクトに振っていきましょう!」という人が出たりします。

ランニング中の着地についても、踵着地なのか?足の裏全体で着地するミッドフット着地なのか?人によって意見が別れるケースもあります。

"The・職人技"みたいな領域です。

一方、デジタルデバイスを使って客観的なフィードバックを受ける方法については、確かに数値を使うことで比較がしやすい部分もありますが、数値だけ見せられてもイメージができない・・・というデメリットもあります。

データ上で「あなたの走り方は着地が踵接地になっていますよ!」と判断されたとしても、実際の映像を見ないと何となく納得ができないですよね。

なので、理想的には

ランニンング中の映像と各計測項目を同時に取得し、それらをリンクさせた状態でフィードバックする

ことが重要です。

そうすることで、フィードバックをする側と受ける側、両者の納得感が上がるので、お互いにメリットがあります。

完全に評価する人がいらなくなるのか?というと、残念ながらまだその段階にはありません。

ですが近い将来、人を介すことなく自動的に質の高いフィードバックが得られる時代が来るはずです。

その先の将来には、映像を使わなくてもデータのみで質の高いフィードバックが得られるようになると思うんですよね。

ですが、ランニングフォームの現状を知ることはスタート地点であって、一番大事なのはフォームに問題があった時に、「どう改善していくのか?」まで考えて、アクションを起こしていくことです。

質の高いデータのフィードバックと、その情報をもとに「こんなトレーニングをしてくださいね!」といった機械的なアドバイスで、どれくらいの人が実践できるのか・・・?

と考えた場合、恐らく大半の人はできないはずです。

頭で分かっていても、実践できないことって沢山ありますよね。

「ストレッチはやらないといけないって分かっていても、面倒くさいんだよね・・・」

「筋トレはやりたいんだけど、時間がなくて・・・」

「スピードトレーニングはやった方がいいんだろうけど、気持ちが・・・」

などなど、挙げたらキリがありません。

フィードバックをもとに、一体どれ程の人が弱点強化のためのトレーニングまで実践するのか・・・?

更に単にトレーニングをすればいいわけではなくて、正しい方法でトレーニングを実行するのは、残念ながら簡単ではありません。

私のようなデータを分析をする人は近い将来不要(もしくは極々少数が生き残る)になると思っていますが、コーチやモチベーターのような人はきっと必要とされ続けるはずです。

テクノロジーは活用しつつも、どこで人としてのバリュー(価値)を出していくのか?先の未来を見据えながら考えていきたいと思います!


いただいたサポートは、専門知識への投資や、海外での新たなチャレンジに使わせていただきます。