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未経験からのデータ活用学習 食品メーカーでのデータ活用プロジェクトの役割

▼東京都「DX人材リスキリング支援事業」※にて、データを活用した営業力向上コースを受講されている日本ケロッグ合同会社の冨川律子さんに現在の学習方法について取材しました。

冨川律子さん(日本ケロッグ合同会社)
コーンフレーク・プリングルズなどを取り扱う食品メーカーでファイナンス部に所属し、営業にかかるシステムの各種マスタ管理を行うデータマネジメントを担当。前職は信託銀行の信託事務企画をしており、1年半前に転職し現職。

未経験からのデータ活用学習


-このプログラムに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
弊社は創業61年目を迎えましたが、数年前まで販売は外部委託をしており、販売管理システムも委託先企業のものを利用していました。2020年4月から自社での販売に切り替わり、新たに自社システムの構築・管理が必要となりました。 私は前任者から引き継いでマスタ管理業務に携わりましたが、社内システムのデータ活用にはまだ改善の余地があると感じていました。
私自身、この分野は未経験であり、不明点はインターネットで検索したりしていましたが、何から手をつければ良いのか分からず悩んでいましたそんな時にこのプログラムを知りました。以前の職場でもUdemyを利用したことがあり、資格取得や実務に活かした経験がありましたので、このプログラムに参加したいと上司に相談しました。社からは経営戦略コースにもう1名参加しています。

営業データ活用プロジェクトとメンバーを「繋ぐ」役割


-データ活用について、社内でどのようなプロジェクトが動いているのでしょうか。
データに基づいた営業戦略を立てるための機能設計プロジェクトが進行中です。システムとPower BIを連携させることで各商品の売上データをリアルタイムに把握することを目標としています。
そのため、現在は視覚化したいデータの洗い出し、レポートの要件定義、テーブル設計などの作業を進めています。このプロジェクトは営業部・IT部のメンバーが協力して進めています。プロジェクトを円滑に進めるために、私はデータマネジメント担当として、両部を繋ぐ役割を意識しています。

-「両部を繋ぐ役割」について、もう少し詳しくお聞かせいただけますか。
前職でもシステム開発に関わる機会がありましたが、開発者と利用者の間には溝が存在していたと感じています。これは、業界特性やビジネスプロセスの理解が不十分だったためであり、完成した機能や仕様が当初の目的から逸れてしまったこともありました。

私は、開発者が利用者の視点を持ち、利用者のニーズや利便性を理解し、それをシステムの設計や開発に反映させることが成功の鍵だと考えています。私自身がその溝を埋める役割を果たす必要があると考えています。

「繋ぐ」を実行するための幅広い知識の獲得

-両者の視点を持つパイプ役は大切な存在ですね。そういった役割を担う上で現在のプログラムはどのように役立っていますか。
Udemy Businessの講座を視聴することで、営業部門と情報システム部門それぞれの思考プロセスや価値観を理解するのに役立っています。
私は、1つのことを深く理解するより、幅広い知識を身につけることに重点をおいています。全てを完全に理解できなくても、学修計画をもとに学習すると多様な視点を持つことができると感じています。割り当てられた以外の講座も含め、1.5倍速でざっと視聴するなど、効率的に学習を進めています。

データに基づく販売戦略の成功事例をもとに社内での取り組みスタート


-今回のプログラムで参考になった講座があれば教えてください。
齋藤 健太さんの「【数字を味方に付ける:初級編】ビジネスの現場で使えるデータ分析講座」です。
講座中、企業におけるデータ活用状況でデータ活用し、成果を上げている中小企業は3割弱であり、活用できている会社は収益も上がっているという説明は、PythonやRを使用しなくてもExcelスキルを上げることでデータ活用への取り組み幅が広げられるということが実感できました。
最近知った株式会社ワークマンの商品を変えず、売り方を変えたら売上が伸びたという「営業全社員がExeclを使いこなして数字とデータで経営する」話も、自己啓発を行う励みになっています
現職についてからPower Queryを勉強していました。弊社でも取り入れることができると感じ、営業部のメンバー向けの勉強会を提案し、11月下旬からスタートしました。営業現場の実態に即したハンズオン研修用Excelファイルを準備するなど、Udemyの手法を生かした研修を準備する中で、自分のスキルが定着してきていることを実感しています。今後も学習したことを社内に取り入れていきたいです。



※東京都では、2023年度現在、都内中小企業を対象にしたDX人材を育成するための学習プログラム、「DX人材リスキリング支援事業」を実施しています。(事業概要はこちら
※本記事は、株式会社ベネッセコーポレーションが東京都の許諾の下取材を実施しています。