情報システム部門の進化 システム保守からシステム戦略立案でDXのリード役へ
▼東京都「DX人材リスキリング支援事業」※に参加されている、株式会社柴田屋ホールディングスのDX推進チーム課長の山下浩さん(業務効率化コース)、DX推進チーム副主任の小林可奈さん(データを活用した営業力向上コース)、DX推進チーム副主任の笹川美雪さん(集客・売上向上コース)に現在の学習方法や実践されていることについて取材しました。
対処療法的な解決でなく、根本的な解決をしたい
-このプログラムに参加しようと思ったきっかけを教えてください。
システムチーム3名で参加しています。業務効率化や営業力向上のため、これまでも改善をしてきました。しかし、これまでの改善は一部の課題に対する対処療法的なものであり、根本的な解決には至っていませんでした。また、社長からの社内でのDX推進役を担ってほしいというという意向もありました。そんな時、プログラムを知り、参加することにしました。
システムチームからDX推進チームへ チーム名称と役割の変化
-DX推進に力をいれていらっしゃるんですね。現在、DX推進をするために社内ではどんなことが行われているのでしょうか。
先ほど参加している私たちはシステムチーム所属とお話しましたが、2023年9月にDX推進チームと名称が変わりました。
以前は、障害が起きないシステム運用を目指すことがチームの主な目標でした。しかし、名称が変わったことでビジネスの成果に貢献するためのシステム戦略を立案していくことに役割が変わりました。
ー社内でのDX推進が加速されているのですね。それでは、皆さんの学習内容とそれを元にした実践状況についてお聞かせください。
取り組み① 効率化を実現するための「ムダをそぎ落とした」人事勤怠給与システム統合プロジェクト
▼山下浩さん(業務効率化コース)
2023年4月から人事勤怠給与のシステム統合に取り組んでいます。まずは勤怠と給与システムの統合を行いました。具体的には、不要なデータを削除し、重複するデータを統合するなどの改善を行いました。
この考え方は、業務効率化コースの箕輪先生の実践ゼミで学びました。一度収集している情報は今は不要かもしれませんが、いつか使用するかもしれないと考え、そのままにしてしまいがちです。それでは、単なるシステムの置き換え作業になってしまうと気付きました。実践ゼミで取り上げられる他の受講者が提出した宿題は、他業界・業種の知見を得ることができます。また箕輪先生が行う宿題のフィードバックは、自分では思いつかない内容で非常に参考になります。このプログラムで「ムダをそぎ落とす」という考え方を学ぶことができました。
取り組み② データ活用の最初の一歩:社内連携による手ごたえの実感
▼小林可奈さん(データを活用した営業力向上コース)
実践ゼミやUdemyBusinessで統計学を学んでいます。
勘や経験に頼る部分をデータに基づいた戦略立案に移行していきたいと思っています。しかし、各部門でデータの蓄積が不足しています。そのために、経営陣や各部門にデータ分析したい項目とその目的、データ要件の定義などを相談しています。学んだことを元に話をすることで納得感を得られたと感じています。職場での手ごたえも少しずつ感じることが増えてきました。
取り組み③ 実践的なマーケティングの学習で、売上前年比300%
▼笹川美雪さん(集客・売上向上コース)
大学でマーケティングを学んでいましたが、今回のプログラムは実務に取り入れるための内容として、非常に分かりやすい内容だと感じています。プログラムが始まり、1か月経過した9月には、弊社が運営しているコワーキングスペースのペルソナ設定を行いました。それをもとにサイト修正・営業時間を変更したところ、売上が前年比300%になりました。好機が重なったこともあると思いますが、実践ゼミで習ったことを活かせていると感じています。
DX活用で会社に貢献できるシステム企画チームへ
-これからの目標を教えてください。
私たちは、社内のコスト削減や売上向上など、会社に貢献できるシステム戦略を企画していくことを目指しています。まずは現在の学習で、システム保守だったチームをシステム企画をするチームに成長させ、会社をリードする役割を果たしたいです。また、将来的には効率的なデータ分析や予測、パーソナライズされた顧客体験の提供など、AIの活用にも興味を持っています。
そのためにも、まずは3人でしっかり学習して、実践に活かしていきたいと思います。
※東京都では、2023年度現在、都内中小企業を対象にしたDX人材を育成するための学習プログラム、「DX人材リスキリング支援事業」を実施しています。(事業概要はこちら)
※本記事は、株式会社ベネッセコーポレーションが東京都の許諾の下取材を実施しています。