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宇田川准教授にインタビュー!前編【オープンゼミ直前記事⑦】

こんにちは、3年の渡辺です!

今回はオープンゼミ開催に向けて、宇田川准教授に意気込みや、研究に関することについて、インタビューしてきました!

学生も社会人の方も必見の内容となっております!是非ご覧ください!


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対面で話し合う重要性


渡)まず最初の質問なのですが、オープンゼミが久々に対面で開催されますが、先生のお気持ちをお聞かせください!


宇)オープンゼミに限った話ではないんですけど、オンラインでも出来ないことはないですよね。でも、オンラインだと発信が一方向で、ZOOMとかも同時に話すことはできない。オープンゼミは参加した人同士で話すことが目的の一つですが、些細な人と人のやり取りってオンラインには乗らないんですよね。

要は、議論をするとか深めるとかの場では人と人とが会うことが大事だと思うんです。話している相手が実際にどういう顔をして、どんな身長なのかとかもオンラインだとわからない。そういうのも含めて、人は会ったほうが良いですよね。

なので、実際に会ってゼミができるのは良いなと思います。大学もそうだし、オープンゼミの場も少しずつ日常に戻っているのは良いと思います。


渡)オンラインってどうしても、他の人と発言のタイミングがかぶってしまうこともあり、発言を遠慮してしまい、会話のペースがつかみにくいと感じているので、議論の場をオンラインにするのは難しいと感じます。

オープンゼミを対面で開催できることが嬉しいです。


宇)実際2年間ほぼオンラインで生活してみて大学生活はどうでした?


渡)僕はあんまりデメリットを受けていないというか、正直うれしかったです。むしろ、3年になり、急に対面になった反動が大きかったことが辛かったですね。急に通学してきてくださいと言われても、一方的に授業を受けるだけなのに大学に行く意味あるのかなと思いながら電車に乗っていたり。3年になってから順応しなければいけないことがきつかったです。


宇)今はどうなの?


渡)正直、単位をほとんど取り終わっているので、ゼミ以外に大学に行くことがないのですが、ゼミは対面の方が絶対にいいですね。


宇)僕の(講義を)やっている側の立場とするとね、講義はオンデマンドでやるとつまらない。学生がどんな顔で受けているのか全然わからない。僕からは学生がどう思ってるかさっぱりわからないというか。

しかも、文句とか結構書かれたりするでしょ?あれが本当に辛い。多分、人と人が会っていればそういうふうにはならないはずなんだけど、オンラインだと聞いている側が関わっている度合いが下がるし、どうしても無責任になりやすいんですよ。


渡)オフラインだったら得られるものが捨象されてる感じですよね。


宇)例えばさ、これで喋ってみて。(カメラをオフにする)


渡)この状況は結構ですね...。


宇)これきついでしょう。これがオンラインの授業。これが2年間続くって想像してみて。辛いでしょ?


渡)はい。これがきついということは、講義している人も学生の顔とかを見ているんですか?


宇)僕はそう。やっぱり僕は学生に届けたいとか、伝えたいなっていつも思って講義をしてる。けれど、これだと伝わっているかどうかわからない。反応がない。

知識のレベルとか背景経験も全然違う人たちそれぞれに合わせて話すような場面で、やっぱり、これはない。(再びカメラオフ)


渡)たしかに、相手の理解していることとかも何も伝わってこないですよね。

聞き手としても、オンデマンドはサブスクの動画サービスを見ているような気分で、自分が大学に所属している意識も最近ようやくついてきたぐらいですね。


宇)要は、みんなの参加している感覚を奪うんです。オンデマンドだと、聞き手がそこの参加者ではなく、傍観者になるわけですね。その傍観者の前で何かを演じなきゃいけなかった。それは別に聞いている人に問題があるわけでもなく、仕組みに問題がある。

そうなると、不思議と効率性ばかり気にするようになってくる。それはすごく良くないことだなと思いました。だからオフラインになってすごく教える喜びというか、大学で働く楽しさみたいな再確認しましたね。


渡)なるほど、ありがとうございます。あまり教員側の目線に立って考えたことなかったので、面白いお話でした。


何を研究し、どう議論すればよいのか?


渡)次の質問に移ります。各班の研究活動や研究内容について、現時点でどのような印象をお持ちでしょうか。


宇)それぞれの班で進み具合に差があるのは、メンバーも認識していると思うんですよ。でも、今年は「このことをなんとかしたい」と思うことをテーマに研究したほうがいいよね、といったアドバイスをできたのはよかったですね。

前は「興味があること」をテーマに選んだほうがいいとアドバイスしていたけど、「なんとかしたいと思うこと」をテーマにした時に、みんなそれぞれに関心があることの意味がわかった気がしたんですよ。つまり、みんな「興味があること」を対象にすると、大学生は就職とかに寄ってしまうんだけれど、おかしいと思うこととか、これを良くしたいと思うことを考えると全然違うテーマが出てくるし、視点もやっぱり面白い。

あと、スペクターとキツセの『社会問題の構築』という学術書を読んだのも良かったなと思う。大変だったと思うけど、よく読んだよね。そのあとも、それに関連する日本の研究の本を読んだ班もありましたよね。

やっぱり、そういうことをしていると、「あ!研究面白いな」とか、「研究ってそういうことか」みたいな考えが深まっている感じがしますよね。全体としてそういう印象があります。

そして、いい議論ができるチームのほうがいい研究になっているのは、多分みんな分かっていると思うんですよね。その上で、良い議論がどうしてできるのかというと、まずそれぞれがしっかり自分なりに考えてくるとか、それをやっているかどうかの差は結構大きい。

考えないで集まっても、なんとなく話してう~ん、また考えようかみたいなことをやっているだけだと進まない。反対に、それぞれ考えてから議論をして課題を出して、みたいなことをすると進みますよね。それが面白いからみんなさらに考えて、良い循環を回せている班はやっぱり良い研究になっているし、最初はできなかった班もだんだん途中から気づいて、そういうことに取り組めるようになってきているのは、見ていてとてもいいことだなと思います。

そういうプロセス自体に意味があると思うし、こういうふうにやりなさいと言われたことをだんだん掴んでいって、「あ!そういうことか」ってわかるみたいなところがあって、良かったなとも思う。


渡)僕の班は最近になってそれに気づけて。まさにコミュニケーションが不足しているという問題を感じたこともありました。例えば、本を読んだ後の議論で、本の内容を全然その応用していない議論になってしまったとき、なんて言えばいいんだろうなと思ったり……。言うことにも葛藤しちゃう部分も結構ありますね。


宇)それはメンバーの課題なのか、言えないこっちの課題なのかという感じするよね。


渡)本を読んでいる段階ではみんな理解できていても、それを活かせるような議論をできているかわからなくなって。自分がわからないだけかもしれないと思ったりもして、葛藤があります。


宇)うん、そういうのもあるだろうし、あとは「本の内容が議論に反映されているか、自分の中で分からない」みたいなことを言えるかどうかが渡辺の課題でもあるんじゃないですかね。その発言ができるとグループが良くなるんですよね。そう思いません?そこは頑張ってほしいね。


渡)思います。はい、頑張ります!


宇)課題だと思っていることを言わなければ、その問題がずっと残るから。言わないと残るような場合に、じゃあ言うか言わないかの話でいうと、多分ほかの人もきっとそれが課題だと思ってるので、よく言ってくれたって思うだろうし、それで変な空気になるならそっちの方が問題だよね。今のゼミの雰囲気だと、多分そうはならないと思うけどね。


渡)変な空気作ってしまうかもなという印象だけで遠慮していた部分もあるので、そこは次回からのミーティングでもいろいろやっていきたいです。


宇)すごい大事なことだと思う。それって一生において価値があることだと思うんだ。それをやるかやらないかみたいなところの葛藤も含めて……。そう思いません?


渡)ここでもし課題について言及できたら、その後の相手の反応とかも経験できて、それをさらに繋げられることができると思うので、そういう意味ではやっておくべきだと思いますね。


宇)はい、ぜひそうしてください!


渡)頑張ります!


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以上、宇田川元一准教授への突撃インタビュー、前編でした!

オープンゼミに参加してくださる方、興味を持ってくださっている方、そういった方々に届いたら良いなと思います。

明日は後編を公開予定ですので、明日もお楽しみに!

オープンゼミの参加者はまだまだ募集中ですので、少しでも興味を持ってくださった方は、ぜひ下記の参加フォームからご応募いただけたらと思います!


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2022年度第2回宇田川ゼミオープンゼミを開催します。

今回は3年ぶりのオフライン開催です!!

【日時】2023/1/24(火) 18:00~21:00 (開場 17:30)

【場所】住友不動産六本木グランドタワー(南北線 六本木一丁目駅直通)
株式会社Yappli 六本木オフィス
※アクセス等の詳細は以下のURLを参照ください。
https://news.yappli.co.jp/n/n5d59f2d3c9af 
※詳細は参加者の方に後日メールにてお伝えいたします。

【内容】4つの班による研究発表とそれに基づく参加者の皆様とのディスカッション
A班「90年代から日本の性教育の変革(変化)がないのはなぜか」
B班「国内のキャッシュレス事情」
C班「公立学校の教員の意見を反映した労働環境の改善が行われないのはなぜか」
D班「社会問題化した体罰事件から見る体罰対応のあり方」
宇田川准教授の最近の研究内容についての発表

【参加費】無料
 ※書籍購入費・文献コピー代等の研究費のため、当日に皆様からご厚志を募りたいと存じます。趣旨にご賛同いただけましたら幸いです。
 ※打上げ等の費用等には使用いたしません。大切に使用させていただきます。

【連絡先】 openzemi_udagawaseminar@yahoo.co.jp
 ※申込時に頂いたメールアドレスには、ご連絡と今後のイベントご案内をお送りします。ご了承ください。

【応募フォーム】

※ソーシャルディスタンスの確保のため、定員を設けています。お早めに申し込みください。

こちらでいただいたサポートは研究費(書籍の購入や論文のコピー代など)にあてさせていただきます。