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短篇集

21
❚色んな感情を疑似体験しよう。 現代ファンタジー、恋愛、人間ドラマ、青春、シリアスなど、多岐にわたるジャンルの短編小説を掲載。
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記事一覧

女という性、紅の血③

「うあっちぃ!!」 「バカ正吾! 何やってんのよ!」 化学の実験での出来事。 正吾は、今の…

いじめられるのは「弱いから」じゃないよ

 初めは、聞き間違いかと思った。  でも、彼女ははっきりと言った。 「いじめられるのは、…

回収作業

「全機能停止を確認。回収に入ります」  黒く濁る瞳を見つめながら、僕は上官にそう報告した…

僕の世界(とびら)を開く鍵

 女顔というものは、性格によって「かわいがられる」か、「からかわれる」かに分かれると思う…

死にたいんじゃない。死んでもいいから守りたいんだ。

 全身が痛い。  もう、指一本動かすことも出来ない。  意識が吹っ飛びそうになる中、先生の…

劣等感ていうのは、自分だけが感じるものなんだよ

 私は、自分の中に流れる女の血が嫌いだった。  男に溺れた母親のようにはなるまいと、必死…

言う相手が間違ってても。言える場所があるって大事なこと

彼女は言った。「男が怖い」と。 次に「いなくなっちゃえばいいのに」と続けた。 そして最後に「ひどいこと言ってごめんなさい」と、俺に謝った。 言う相手が間違っていることも、そんな男ばかりでないこともわかっていると、彼女は言った。 でも、どうしても考えてしまうとも、彼女は言った。 男を利用した理不尽な女の攻撃を受け、どうしようもできない子供という立場を悪用された彼女は、そんな日々を『耐える』しかなく、自分が悪いと責め続けていた。 「いいじゃないか、言う相手が間違ってても。言え

廃棄処分にして下さい。

 私は、欠陥品だった。  欠陥品というと聞こえは悪いが、ある一定の水準までは達しているが…

15個のカノジョ

僕たちは二人で一人の作家であり クリエイターであり エンターテイナーだ 僕が目を瞬かせて見…

契りの果ては

「かーごーめ かーごーめ かーごのなーかの とーりーは いーついーつ でーあーう……」 侍…

私は『悪』になる

「ヴィル様、いつも楽しそうですね」 少女が言った。 ヴィルと呼ばれた男は、少女の言葉に対…

第1話 きっかけは「続きが読みたい」だった|先生!恋愛小説の書き方教えてください

 結局、玲音《れのん》からはっきりとした答えを聞くことはできなかった。はっきりとしたとい…

第2話 小説を書くって奥が深かった

 私は小説を書いたことがないから「続きが書けない」という感覚がよくわからなかった。  有…

第3話 自分を知るってこういうことなんだ。

「今さ、何が一番モヤモヤした?」  不意に尋ねられ、私は今までの会話で感じたことを思い出す。  シュウが有羽のことを好きでもないのに手を出そうとするのも「えー」と思ったし、誰でもいいってことにも驚いた。そして……それが私にも当てはまるんじゃないかって思って……そうだったら嫌だなっていうのと、そうかもしれない可能性が高くて……怖かった。 「あ、ストップ。男の人は誰でもいいわけじゃないからね。そこんとこ誤解しちゃうと、シュウでもかわいそう」 「え?違うの?」 「うん。シュウも