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”対立”や”ズレ”をモデル化してみた

友人関係でどうも噛み合わなかったり、会社の上司とどうにも反りが合わなかったり、そういうことは誰しもあるかと思います。

それは人によって好き嫌いが異なったり、よりよいと思う未来が異なるから、つまり”考え方が違うことによる衝突”が発生するからだと考えています。

言葉でいえばこれだけなんですが、それだけではつまらないので、ちょっと図というかモデル化にしてみました。


まず、二人以上からなる集団というものは、下図のような仕組みというかイメージで表現できると考えています。

違う考え方同士で前へ進むモデル01

これは数学で習う「ベクトルの分解」そのままなのですが、考え方Aであれば左方向、Bであれば右方向にそれぞれ力がはたらきますが、それは対立し打ち消されます。(左右方向は「考え方の違い」を表しています)
ですが双方とも上(未来)方向への力ははたらくので、しっかりと未来方向に動くことができます(黄色の矢印がそれ)


これが対立を強め、お互いをディスりはじめると、未来方向へ割り振られる力が減り、決定的な対立をすれば未来方向への力はゼロになるでしょう。

違う考え方同士で前へ進むモデル02

綱引きのように考え方AチームとBチームが完全に引っ張り合えば、綱の横方向には移動しなくなりますよね。
本来向かいたい未来の方向への力がゼロとなれば、発展性がなくなります。
そういう状態は是非とも避けなければいけません。


このような停滞状態を回避するアイディアとして、全員が未来方向を向いていやすいように「理想」という共通の目標を設定する方法があります。

経営者の方が「この苦難の時代だからこそ、社員一丸となって」というようなことを口にするのは、まさにこの回避策パターンを実施しようとしているからです。

違う考え方同士で前へ進むモデル03

「理想」はより明確で具体的であれば、上図の「理想」の横幅は狭くなり、その分みんなが同じ方向を向きやすくなります。
なので未来へ進む力を発揮しやすい集団になるでしょう。


けれど、それを突き詰めて一点だけを目指すような集団になってしまうのも問題です。
なぜなら、一点を目指すことで考え方が統一化されていき、その考え方でよいのだと視野が狭くなり、それだけ他の考え方を知る機会も減ってしまうからです。

想像外のできごとはすべて「不測の事態」と言えますが、他の考え方を知る機会が減り視野が狭くなるほど想像外の範囲が広くなります。それだけ不測の事態に見舞われる確率は増えるでしょう。
また、そういった不測の事態に対応するための柔軟考え方というものを知る機会も減っているから、構造上「脆い」としか言えない手段になってしまいます。

プログラムの世界であれば、先鋭化し高効率な処理ほど冗長性がなく融通もきかないことは広く知られることなのですが、それと同じことが集団でも起こるでしょう。


つまるところ、色々な考え方を持った人間で構成され、かつ程々に未来へ進む力を発揮できる目標を設定した集団は、長期に渡り力を発揮できる理想的ともいえる集団だろうと考えています。

このモデルのように特定の特徴だけに注目して単純化してしまえば、自分たちの集団が理想的な集団と比べどのような特徴を持ち、どういう強さや弱さを持つのか把握しやすくなると思うのです。

そして、このモデルに反りの合わない相手と自分の関係性を落とし込められたら、自分を含め周囲の環境まで客観的に捉えられるので、気持ちが楽になるかもしれませんよ?

事実、私の場合であれば対立する相手の行動予測も立てやすくなり「不測の事態」が減りまして、めちゃくちゃ気楽になりましたよ。

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