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うちの場合は。 ⑦十姉妹

最近もっぱら菊菜にハマっている。ほろ苦くてシャキシャキとした食感が好みだ。いろんな具と組み合わせて日替わりお味噌汁にすることが多い。

子供の頃は「今日の夕飯は水炊きよ」と言われれると「え〜(残念すぎ)」という感じだった。出汁の味の奥深さなどどうでもいい年齢であった。鍋の具材の中で、最もどうでもよかったのが菊菜だ。白菜がいるからいてもいなくてもいい存在だと思っていた。なのに大人になった今となっては菊菜という遊び心がないと鍋が成立しないことがわかった。

先日行った美容院で、大阪の有名なおでん屋さんの話になり、そこの「菊菜のとろろのせ」が絶品であることで盛り上がった。「30過ぎてからですよね、菊菜に目覚めるの。」という意見で合致した。

ひとつの葉物に熱中している今、なぜか小鳥になった気分になる。昔家で、長い間十姉妹(文鳥の仲間)を飼っていたからか、葉物=小鳥と思ってしまう思考回路なのかもしれない。スーパーで菊菜を探すように、道端で「はこべ(十姉妹の好物の雑草)」を探すクセがいまだにある。無料の小鳥の食料という感覚が抜けないのだ。

あの子たちも新鮮なはこべをシャキシャキとおいしそうに食べていた。こんないおいしそうに食べてくれるなんて、、と無料の食料を調達してきた自分が誇らしく思えた。良い思い出がずっとそのクセを忘れさせないのだろう。

今日も菊菜買いに行こう。

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