ドライビングポジションについて
【はじめに】
正しいドライビングポジション(以降ドラポジ)は安全運転のためにとても大切です。
ドラポジは自動車学校でも習ったと思いますが、その時に良い教え方をされなかったか、忘れてしまったのか、いい加減な人が多いように思えます。
自動車メーカーのTVCMであっても「オイオイ」と突っ込みたくなるようなものもあります。
正しいドライビングポジションを取るためにどうしたらいいのか?
また、メリット・デメリットを紹介したいと思います。
【設定順番】
ドラポジの設定順序は以下になります。
①深く腰掛ける
②シートの上下位置設定
③シートの前後位置設定
④シートバックの角度調整&ハンドル位置調整
⑤ヘッドレストを調整する
解説付きで以降に詳しく紹介します。
①深く腰掛ける
シートの背面と座面の間の隙間にお尻を押し込むかのように押し付けます。
シートと腰の間に空間が開かないことを確認してください。
良いシートはこの部分の密着度が高いです。
②シートの上下位置設定
メーターが自然に読めて、ペダルが自然に踏めて、頭に圧迫を感じない範囲で、出来るだけ高い位置に設定します。
最近はシート高の設定が出来る車が多いです。
昔は調整できないか座面だけ持ち上がる使いにくいものが多かったですが、最近はシート全てが持ち上がることか多いです。
電動パワーシートだと無駄に座面の角度調整とか、座面のみの前後上下位置調整があって正直めんどくさいです。
しかし、しっくりくる位置が作れるっちゃあ作れます。
③シートの前後位置設定
フットレストを踏んだときにシートにお尻が押し付けられる位置まで前に出してください。
この位置が甘いと、いざというときにブレーキが強く踏めません。
身体にGがかかってもフットレストを踏めばシートに身体を固定することが出来ます。
④シートバックの角度調整&ハンドル位置調整
シートバックの角度を調整することで肩~ハンドルまでの距離を調整します。
ハンドルの頂点を両腕で持った時に肩がシートバックから離れず、かつ腕が伸びきらない位置に調整します。
最近はテレスコピックというハンドルの前後位置調整機能が普及しているので、これを使っても良いでしょう。
といっても調整幅はあまりないと思うので、基本的な位置はシートバックで調整します。
併せてチルトというハンドルの上下角度調整を行います。
ハンドルをさするようにして回すそぶりをしてみてください。
回すときに肩に違和感を覚えない角度にすると良いでしょう。
多くの車がハンドル越しにメーターパネルを見ることになるので、メータが見やすい位置にすることも大事です。
⑤ヘッドレストを調整する
ヘッドレストの中央と頭の重心の位置を合わせるようにします。
ヘッドレストは安全装置です。
もしもの時に首を守ってくれます。
ヘッドレストの役割については下記のノートを参照ください。
【正しいドラポジのメリット】
〈操作がしやすい〉
下半身が安定することでハンドル操作がしやすくなります。
ハンドルを回しても肩が浮かないので、座面に身体をあずけたまま操作ができます。
〈疲れにくい〉
身体が安定しているので、操作に無理な力が入らず疲れづらいです。
個人的な感想ですが、運転席は他の座席に比べて姿勢が崩れづらく、疲れづらいと思います。
長時間運転すると運転の疲労自体はありますが、姿勢の崩れに伴う疲労は少ないと感じます。
腰痛で悩んでいる人は、深く腰掛けるだけで改善するかもしれません。
〈視界が広い〉
視点が高く、フロントガラスに近いため多くの車で前方の死角が少ないです。
〈事故の時に被害が少ない〉
シートバックが寝ていたり、腰が浮いている状態だとシートベルトの間を身体がすり抜け、役に立たなくなることがあります。
(サブマリン現象と言います)
追突にはヘッドレストが役に立ちます。
これらは運転席だけの問題ではないので、同乗者にも守らせるようにしてください。
【正しいドラポジのデメリット】
〈肘かけが使いづらい〉
今や軽自動車でもひじ掛けは多くの車に装備されていますが、正しいドラポジでは肘掛けがあまり役に立ちません。
肘掛けを利用すると身体が少しねじれた状態になります。
これは疲れやすくなりますし、衝突時の姿勢も正しくないので、シートベルトやエアバッグも効果を発揮できません。
〈乗り降りがしづらい〉
シートとハンドルが近くなるので空いている空間が少なくなり、少し乗り降りがしづらくなります。
特に太っている人は顕著です。
〈運転が交代しづらい〉
正しいドラポジを意識すると、少しの違和感も気になるようになり、他の人が設定したポジションのまま運転するのが嫌になります。
よって、ドラポジを設定しなおすことになりますが、これが自分の車ならば少し面倒なだけで別にかまわないでしょう。
しかし、他の人の車だとドラポジを変えると文句を言われることがあります。
〈体に合わない車が買えなくなる〉
ドラポジの設計はある程度の幅をもたせて一般的にAM95というアメリカ成人男性の95%をカバーする寸法を基準に作られていることが多いですが、しっくりくるポジションは車によって異なります。
中にはどう調整してもしっくりこない車もあるので、そういった車は選びづらくなります。
【あとがき】
あえてデメリットも書きましたが、どれも安全より優先する内容のモノではありません。
正しいドラポジをマスターし、安全で楽しいカーライフを送ってください。
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