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『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜74本目〜

   何かに全力で熱中できる人は尊い。そこに才能はいらない。必要なのは、その対象を心の底から好きだという熱意だけだ。この熱意こそが何をするにしても1番大切なものである、ということを本シリーズを通して学ばされた。

74本目 : 『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』(2017)

『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』(2017)

          脚本 : 花田十輝 / 監督 : 小川太一

「まぁあんたもさ 後悔のないようにしなさいよ」

物語の概要

   物語の中心となってくるのは、次の2人だ。
黄前久美子と田中あすか。本作はこの2人の話を中心に、関西大会から3年生の卒業までを描いた作品である。久美子とあすかの物語である本作からは、「後悔をしないように、行動する大切さ」を学ぶことができる。

   本作の前作とは違う特徴を挙げるとするなら、主に次の2つが挙げられるだろう。

   1つめは、久美子とあすか以外の話を大胆にカットすることを徹底したことだ。このおかげで本作は、2期の単なる総集編ではなくなった。それどころか、2期を全て観た人にとっても新鮮な映画へと昇華されたのである。

   そして2つめは、久美子とあすか以外の話をカットした代わりに、劇場版オリジナルシーンを絶妙に挿入していることだ。このおかげで本作は、2期のストーリーの補完的要素を埋めつつ、1つの映画としての完成度も高い作品として羽ばたくことに成功したのである。

   本作は2期を観た人にとっては、ご褒美のような作品であろう。総集編映画としての枠を遥かに超えた素晴らしい作品であった。本作の完成度の高さに驚いてしまったほどだ。

私の1番好きな場面

   関西大会版「プロヴァンスの風」の演奏を聴けたのが1番嬉しい。この曲を本作のOPとして用いる演出は本当にカッコ良かった。ここは、私の1番好きな場面である。この場面を観て、どれだけテンションが上がったことか。もう冒頭からクライマックスのような迫力で、観る人に対して向かってくるのだ。この場面は、ほんとこの作品の良さを存分に発揮した、非常に良いシーンであった。

   2期で北宇治高校吹奏楽部の「プロヴァンスの風」が聴けなかった、という視聴者のモヤモヤを本作でこんなにも見事に解消してくれるとは。なんて最高な作品なんだろう。

   本作のタイトルクレジットが現れるまでの一連の流れはパーフェクトであった。綺麗すぎるぐらいである。まさか、前作以上にこんなにも冒頭から心を鷲掴みにされてしまうとは思ってもみなかった。

   最近観た作品の中でもズバ抜けて素晴らしいOPであったなあ。

最後に

   吹奏楽の魅力を余すことなく見せつけられた。吹奏楽に対しての捉え方が本作を観たことで随分と変わったものだ。こんなにも熱い部活動が存在していたのかと。

   本当に好きなことであれば、誰かと比べることよりも自分を納得させるために全力になったほうがいい。自分が納得できれば、どんな結果になってもきっと受け入れることができる。後悔なんてしない。私は本作の北宇治高校吹奏楽部からそんな大切なことを教わった。

予告編

↓映画『劇場版 響け!ユーフォニアム 届けたいメロディ』の予告編です↓

(出典 : 【YouTube】KyoaniChannel 『劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜』本予告)

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