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『劇場版 幼女戦記』 ひたすら面白い映画に会いたくて 〜68本目〜

   戦争を終結させるのは神ではなく、人間である。恐怖、憎しみ、復讐心。このような感情が戦争を連鎖させる。そして神は感情と結びつく。本作のテーマは「感情vs理性」だ。存在X・メアリー(感情)vsターニャ(理性)。本作では、この両者の対決が描かれている。

68本目 : 『劇場版 幼女戦記』(2018)

             『劇場版 幼女戦記』(2018)

           脚本 : 猪原健太 / 監督 : 上村泰 /
              アニメーション制作 : NUT

              「どうして こうなった…」

物語のあらすじ

   TVアニメ最終回「勝利の使い方」の続きから本作は始まる。

   本作は、帝国軍対連邦国軍・連合王国主導の多国籍義勇軍との戦争を描いた物語である。

   多国籍義勇軍の中に、合衆国所属のメアリー・スーが加わっていた。なんと彼女は、ターニャと因縁のある連邦国軍アンソン・スーの娘なのである。

   TVアニメでは観られなかったターニャとメアリーの対決が遂に幕を開ける。

私が1番印象に残ったシーン

   ターニャとメアリーの対決シーン。この場面が本作で1番印象に残った。存在Xの力を借りて、不死身のように何度やられても立ち向かってくるメアリー。おぞましいほどの執念には恐怖を感じた。

   特にこの2人の対決での作画は、とんでもなく素晴らしかった。目で追いかけるのがやっとのスピード感で展開される凄まじいアニメーションであったのだ。

   観た人はこの映像の凄さに圧倒されてしまうに違いない。動きすぎるぐらい動くアニメーションに引き込まれてしまった。今のCG×アニメーションの技術ってすごいな。

「化け物」 vs 「獣」

   憎しみ、復讐心に突き動かされた人間はこんなにも恐ろしいものなのか。ターニャも言っていたが、メアリーはまるで獣のようである。

   理性ではなく、本能(感情)だけで動く人間。それが「獣」だ。一方、感情を押し殺し、感情よりも理性で動く人間。そうした人間を畏敬の念を込めて「化け物」と呼ぶのだろう。

   メアリーは、ターニャのような「化け物」ではない。野蛮な「獣」であるのだ。このターニャ(化け物)とメアリー(獣)による2人の対決は、本作最大の見所である。

最後に

   劇場版ならではの音響がターニャたちの戦闘シーンを最高潮に引き立てる。戦争映画の醍醐味を味わうことができる魅力的な1作であった。

   TVアニメのときから『幼女戦記』の迫力はとてつもなかったが、劇場版はその上をいく。これは劇場まで足を運んでまで観に行く価値があったと素直に思う。

   「幼女戦記」はまだ終わらない。TVアニメのときから思っていたが、毎回本当に良いところで終わる。絶妙に引きが上手い作品であるのだ。本作もそうである。本作の続きが気になってしょうがない。続編が本当に楽しみだ。

予告編

↓映画『劇場版 幼女戦記』の予告編です↓

(出典 : 【YouTube】KADOKAWAanime 「劇場版 幼女戦記」 本予告)

(出典 : 【YouTube】KADOKAWAanime 【大ヒット御礼】『劇場版 幼女戦記』 本編一部特別公開!)

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