Love is war ～『かぐや様は告らせたい』～

　生徒会長と副生徒会長による恋愛頭脳戦がストーリーの中核を占める。恋愛頭脳戦とは、素直になれない男女の恋の戦いのことである。

　これは、恋愛という名の頭脳戦ではなく、アンジャッシュというコンビのネタ合戦に思えるのは私だけだろうか。かなり面白いほどのすれ違いを見せつけてくれる。そして、アンジャッシュだけでなくカイジさながらの心理戦をもたっぷり楽しませてくれるこのアニメには恐れ入った。完全にハマってしまったことよ。

『かぐや様は告らせたい』(2019)　

　　   　シリーズ構成 中西やすひろ
　　　　アニメーション制作 A-1 Pictures
　　　　　　    　監督 畠山守
主な登場人物：四宮かぐや(古賀葵)、白金御行(古川慎)、藤原千花(小原好美)、石上優(鈴木峻汰)、早坂愛(花守ゆみり)、ナレーション(青山穰)、白金圭(鈴代紗弓)

　　　　 「ラブゲームが止まらない」

本作の魅力

　会長のキャラ、かぐやのキャラ、藤原書記のキャラ、そして石上会計のキャラ。全てのキャラが出揃い、観るものに本作の世界観が十分に伝わってから本作の面白さに拍車がかかる。回を重ねるごとに面白くなるところがクセになる。1話に3本もの話が入っているのもテンポがよくて見やすい。全く飽きることなく新しい話へ進んでいくのでノーストレスで視聴し続けられるのだ。

　王道のラブコメの話あり、カイジさながらの心理戦あり、そして心あったまるいい話もある。想像以上に幅が広い作品であった。もはや恋愛頭脳戦じゃなくても面白い回が多いなと思う。各々のキャラのクセが強すぎて単体の話でもめっちゃ面白かったのだが。

　コメディ路線に振り切っても面白いし、ラブコメ路線に舵を切っても安定の面白さ。これって最強じゃね？笑

私の1番好きな話

　「花火は聞こえない」の話がとってもいい話であったなあ。会長がかっこよすぎて花火の音が聞こえないかぐやの気持ちがものすごく理解できた。ありゃ、目が離せないさ。花火を見ることも花火の音を聞くこともできなかった。けれど、あなたの横顔から目が離せなかった。めっちゃいい夏の思い出じゃーーん！！うわあ、青春のタコ殴りだー！！二学期からの秀知院学園生徒会の恋愛頭脳戦模様を是非とも見届けたい。楽しみに待っているので。

藤原千花の魅力

　藤原書記の可愛さの破壊力について話したい。「なんだよ！可愛すぎるだろ、このヤロー！！」と口を枕で覆って叫びたい気分になりっぱなしであった。いい加減にしてくれ！なんでこんなに可愛いんだ。この政治家の娘がときたま見せるしたたかな心理戦は本作の魅力を底上げしてくれる。彼女がいるからこそ心理戦が遥かに面白いものへと飛翔するのである。可愛いだけの存在ではないのだ。

　本当に藤原千花の存在感が恐ろしい作品であった。中でも、3話のEDには度肝を抜かれた。どうやら私は、このEDで彼女に心を鷲掴みされたようである。これは、反則技だわ。インパクト抜群の彼女の今後の活躍にも期待大である。いやあ、本当に楽しませてもらったよ。

OP＆EDどちらの曲も本当に素晴らしい

　OPとEDにものすごく凝っているなと素人目でもわかるぐらい作り手の熱量が伝わってくるので、見ていて本当に清々しい。

　OPは『ラブ・ドラマティック feat.伊原六花』。歌っているのは、なんとあの「鈴木雅之」。そして、 作詞作曲は、「いきものがかり」のリーダー「水野良樹」という何とも贅沢な曲である。この鈴木雅之の曲がめちゃくちゃ好きだ。何度でも聴きたくなるような素晴らしい曲である。つい口ずさみたくなるようなメロディであった。OPの絵もこの曲にものすごくぴったりである。このOPはスキップするのがもったいないので、じっくり毎回観てしまったほどだ。『ジョジョの奇妙な冒険』のOPで流れていてもおかしくないようなお洒落な曲だなと感じた。

   EDも素晴らしい。EDの曲は、『センチメンタルクライシス』、歌っているアーティストは、halcaだ。まるで映画のような映像にはうっとりしてしまう。曲もいい。なんだかジブリ映画を彷彿させるような映像に思わず笑みがこぼれてしまった。かぐや様が可愛すぎるよね。このEDもOPと同じく一度もスキップすることなくたっぷりと最後まで味わったものだ。こんないい曲スキップできるわけがない。

最後に

　かぐや様が可愛い。会長も可愛い。こんなに王道なラブコメ作品だったのか。知らなかった。これ大好物なジャンルだったわ。完全に見逃していたよ。マンガが人気で気にはなっていたのだが、どうしても天邪鬼精神が邪魔をして手を出せないでいた。そのことを後悔しまうぐらい面白い作品であった。

　ラブコメが好きで、むずキュンを感じたいそこのあなた。本作をとりあえず見てみよう。のめり込むようにかぐや様の世界に入り込んでしまうから。笑いどころがめちゃくちゃ多いのもおすすめのポイントの一つ。何回か腹を抱えて大笑いさせられたよ。

　「2期の制作が決定！」ということで、今からもう絶対に観るつもり満々だ。それまでマンガを読んで待機しておきますか。