59. スイスやデンマークで感じた豊かさ
こんにちは。
最近、魅力的な出会いや再会に恵まれている内田です。
関係ないかもしれませんが、そんなところにも春を感じるようです。
世界一周をしていた26歳から28歳までの間に、スイスとデンマークにも訪れた。
幸福度世界一位のデンマークには特に興味があり、B&Bに住み込みで1ヶ月働いたりもした。
そこで感じた豊かさの鍵は、満たされていることではなくむしろ少ないことであるように感じた。
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スイスのグリンデルワルトは、本当に美しい村だった。
丘の上に家々が点々と立ち、自然の中に人々が暮らしているように僕には感じられた。
物は少なく、その分スペースがあった。
そして同時に、何かに意識を向けなければならないとか、考え事で頭がいっぱいになるような状態とは程遠かった。
心理的、思考的なスペースも存分にあった。
そのスペースは、空っぽという意味ではなく、代わりに何かがそこを満たすのだと思った。
物理的なスペースであれば、そこには緑や、空間がある。(空間は、無ではなく空間。その空間が”在る”ことに、心理的なスペースを生むなどの意味があるのだと思う。)
心理的、思考的なスペースがあると、穏やかな豊かさを感じられる。
多くの物はないし、多くの物を欲しがろうとも思わない。
そうやって生まれたそのスペースを、味わうことができる。まるで、心がいつも深呼吸しているかのように。
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デンマークでは、トルネというほぼ最北端の小さな村で過ごした。
アメリカ人の主人と、ドイツ人の奥さんがB&Bを営みながら、自らろくろで手作りした食器でパンやコーヒーを提供する。
4人の子どもは、広い家と広い庭で存分にはしゃぐ。
「これからどんな人生を歩みたい?」
そんなコーチングでよく使われるような質問が、小さな吐息で簡単に吹き飛んでしまいそうなくらい、今その瞬間の豊かさの中に生きていたように感じた。
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無い、少ないからこその豊かさというものが、確かにある。
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先日、約8年ぶりにNPOカタリバ時代の友人と会った。
彼は僕と同じように、学生の頃から幸福感というものに興味があり、僕と同じようにもがいて生きているように見えた。
仕事には8割の苦しさと2割のやりがいや成長を感じているようで、会社に染まり切るでもなく、自分を出し切るでもなく、だけど投げ出すでもなく、もがいている。
心の奥底に、叫びなのか、温かな手で優しく触れてもらいたい部分なのか、そんなものが潜んでいるような気がした。
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豊かさとは何なのか。
充実した自分らしい人生とは何なのか。
どうやら答えは簡単に出るものではないらしい。
このnoteで書いた豊かさは、きっと豊かさの種類の一つに過ぎないのだと思う。
明確で簡単に手に入る答えがないからこそ、僕らは悩むし動くしもがく。
そうやって、人としての幅が広がり、人間的に深みが増し、人生がより豊かになっていくのかもしれない。きっとそうだと、僕は思う。
だけど、”無い/少ないからこそ感じる豊かさやスペース”が、もしかしたら今をもがく人々には必要なのかもしれない。
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