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ハゼノキで季節を詠む

みなさんこんにちは!このnoteでお話をしているハゼノキですが、温暖地を好むので関東以北の方にはあまり馴染みがない。と言うようなお話をしましたが、実は東京にもハゼノキにまつわる場所が残っていたりします。その前に、先週はハゼノキに重要な「接ぎ木」に関して書いてみました。記事はこちらから!

さて、東京のハゼノキにまつわる場所は意外な場所にあります。後楽園駅の北口を出てすぐにある礫川公園。この場所にひっそりと「ちいさい秋の碑文」が飾られていまが、何を隠そうその石碑の後ろにあるのがハゼノキです。実はハゼノキは昔から秋を彩る言葉としては親しまれて来ました。

■季語としての櫨

ハゼノキは俳句の季語として今でも使われますが、かなり昔から使われてきた歴史がありま。代表的な「櫨紅葉」は秋の季語として使われています。それ以外でも櫨の季節性で言うと「櫨の花」は春の季語、「櫨の実」は冬と、夏以外の季節性があるので馴染みのある方には使いやすい季語なのかもしれません。

さらに古くからハゼノキは詠まれています。例えば西行が「山家集」の中でも「はじの立ち枝」という言葉を使っている他、新古今和歌集や伏見院御集などでも秋や冬の訪れを詠う言葉として使われているのを発見することができます。時代としては平安時代から鎌倉時代にかけて使われるようになっており、その頃から今のように櫨紅葉が目を楽しめていたということになります。

■ちいさい秋みいつけた

「ハゼノキ」で最も有名な歌はサトウハチローさんの「ちさい秋見つけた」ではないでしょうか?もう随分昔になってしまいますが童謡として歌った記憶があります。個人的には結構暗い感じの歌だな……とか思っていましたが、まさにハゼノキを通じて改めて巡り会えるとは思っても見ませんでした。 

冒頭でもお話しましたが、礫川公園には「ちいさい秋みつけた」の碑文が残っています。既に葉っぱは落ちていましたが、少しだけ見事な櫨紅葉が残っていました。幼少期のサトウハチローさんもこのような鮮やかな櫨紅葉を目にし、その印象の強さがその後歌詞として「ちいさい秋みつけた」の中で表現されたのではないでしょうか。

■詠まれるハゼノキと実を採るハゼノキ

1000年近く詠まれてきたハゼノキですが、実は平安時代の方が見てきたハゼノキと、現在私達が見ているハゼノキは同じようで別と考えています。サトウハチローさんの碑文の後ろのハゼノキは立派な葉っぱに鮮やかな櫨紅葉がありましたが、実を取るためのハゼノキはここまで葉っぱが大きくなく、紅葉ももう少し控えめです。

つまりハゼノキは2種類ある?という事になります。植物学者の牧野富太郎博士も「植物一日一題」の中でもこの事に言及しています。2種類のハゼノキとはどういった事でしょうか。

さていよいよこと氏も次の更新がラストにになります!来週はこの「2種類のハゼノキ」に事に関してお話しようと思います!

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