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読書録 表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬(若林 正恭)


オードリーの若林さんのキューバ旅行記。
若林さんの本初めて読みましたが、一気読み!他の著作も読んでみたくなりました。

キューバへの旅は【自分と異なる社会システムで生きる人】を見るため

ニュースや時事ネタ等を学ぶために若林さんは東大の家庭教師を雇っているらしいです。
子供の頃から「競争が当たり前の社会」「勝っても負けても居心地の悪さを感じる社会」に悩まされていた。
家庭教師から「日本は新自由主義(格差社会であり競争社会)であること」を知り、

自分の悩みが「新自由主義」という「人」が作ったシステムの中でのことだった!
みんなが敗者を無視したのではなく、新自由主義が無視してたんだ!
他のシステムで生きている人間はどんな顔をしているんだ!?

自分を悩ませていた社会システム以外の中で生きている人を見たくて、キューバ行きを決めました(もう一つ実はキューバ行きを決めた理由があるのですが、ネタバレになるので触れません)。
こーゆう見方で海外旅行をしたことがないので、この発想自体がとても新鮮でした。

社会主義国を知り、自由であることのありがたみを実感する。

キューバの歴史的背景や社会主義であるということをお恥ずかしながら知らなかった私。キューバという国を超簡単に・・・

  • 1959年にフィデルカストロのもとキューバ革命が起こり、社会主義政権に(それまではアメリカの半植民地で貧困を強いられていた)。

  • 400年間スペインの植民地という歴史的背景から公用語はスペイン語

  • キューバとアメリカは50年もの間、国交が断絶していたが2016年に正常化。そこからアメリカ文化が入るようになっていた。

  • クラシックカー(1950年代のアメ車)が今も使われているのは、鎖国していたので修理をしながら古い車を使い続けてきているから。

  • 社会主義のためほとんど全ての企業が国営。食料などは配給制度がある(ただ量は十分出ないとか)。

Wi-Fiが浸透していないため携帯と睨めっこする人も(その当時はまだ)少なく、人とのおしゃべりや音楽が街に溢れいてること。そんな朗らかで明るい雰囲気は想像すると今の日本にないため、羨ましさも感じました。

一方で、「みんな平等」は必ずしも良いわけではないと強く感じたのが、職業選択。
選べることが当たり前ではない国もあるのだよな。。

キューバは職業訓練が徹底していて、ミュージシャンは音楽学校をでてミュージシャンになる。ウェイターもウェイター学校を出てウェイターになる。若いうちから才能を見分けられてふるいにかけられるのだ。
ぼくは、20代の頃はお金も仕事もなくて、社会から爪弾きにされている気分だったけど、それは全部自分で選んだのだし、選べる自由が日本にはあるんだ。

旅行記から家族への想い。競争社会の中での一番の応援者。

書籍の後半は、お父様への想いが綴られています。
詳細は記載しませんが、旅気分でワクワク読んでいたところから最後自分の家族に想いを巡らせ涙するほどにw。この本の面白さはここにもあるのかと思います。

強く感じたのは、新自由主義の競争社会に生きる私たち。子供や夫、家族。一番の応援者・理解者でいたいな、、と。

テレビで見ていた若林さん。お笑い以外の彼のことを知れて見る目がいい意味で変わりました(笑)。応援しています!

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