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不動産を活用した節税スキームとは

おはようございます。

マンションやアパートを購入される方で、サラリーマン大家と呼ばれる人たちとは別に、会社経営者が法人名義で不動産を購入されることがあります。

目的は法人税の節税ですが、今回はそれがどういった内容なのかについて執筆いたします。

これまで不動産を活用した節税スキームを意識していなかった会社経営者や不動産取引に興味がある人に読んでいただけましたら幸いです。

■損益通算について

不動産所得が赤字のとき、他の所得と通算することができます。
これを『損益通算』と言います。

不動産所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算しますが、損失(赤字)があるときは、他の黒字の所得金額から差し引くことができるということです。

■経費計上できるものは3つ

不動産投資で経費として計上できるのは大きく3つ。
理解を優先するため細かい事項は割愛して説明していきます。

  1. 物件管理費などの運営費

  2. 利息の金利部分

  3. 減価償却費

になります。

1と2はお金の支払いが実際ににありますが、3については実際の支払いがありません。

これにより、現金(家賃収入)は残るが、会計上は赤字になるという現象が起きます。

この赤字部分を会社の儲けと相殺して節税効果を出すというスキームです。

■不動産の減価償却について

建物には大きく①鉄筋コンクリート造(RC)、②鉄骨造、③木造、があります(軽量鉄骨など他にもございますが割愛)。

各々、経費として計上できる期間(減価償却の耐用年数)が法律で決められており、

鉄筋コンクリート:47年
鉄骨造:34年
木造:22年

となります。
上記年数で帳簿上建物価値が償却されていきます。

さて、上記耐用年数を過ぎた建物を購入した不動産オーナーは減価償却を1年も使えないのでしょうか?

そんなことはありません。

例えば、築22年を過ぎた木造アパートを購入した場合、耐用年数は4年となります。

とても少ないように感じますが、ここがポイントとなります。

つまり、4,000万円の建物を購入した場合、年間1,000万円償却できるということになります。

では、どれほどの節税効果があるのでしょうか?
下記のサンプルデータで確認していきます。

■家賃収入

物件価格:1億円(土地6,000万円 建物4,000万円)
家賃収入:800万円(表面利回り8%)
運営費:△160万円(家賃収入の20%)
正味家賃収入:640万円
返済額:611.5万円(借入1億 金利2% 期間20年)
税引き前:28.5万円

販売価格1億円の物件を購入した場合です。
通常は物件価格のほかに登録免許税などの諸経費が掛かりますが、割愛です。

各項目についての説明は別の記事に委ねますが、結論として諸々差し引いで現金28.5万円が残ることになります。

■節税効果

家賃収入:800万円
運営費:△160万円(家賃収入の20%)
金利支払:△411.5万円
減価償却費:△1,000万円(4,000万円を4年で)
課税所得:-711.5万円
節税額:264.6万円(課税所得×法人税率33%)

次に税金の話です。
家賃収入800万円に対して諸経費である、①運営費160万円、②金利支払分411.5万円、③減価償却費1,000万円を差し引いていきます。

これにより課税所得はマイナス711.5万円となります。
また節税効果は711.5万円に33%(法人税率)を乗じることで算出し、264.6万円となります。

■家賃収入と節税効果

税引き後:293.1万円(税引き前+節税額)

現金で得た家賃収入28.5万円と節税効果の264.6万円を足し合わせた293.1万円が不動産購入による効果となります。

借入額や融資条件など実際と違いますが、家賃収入を現金で取得しながら法人税も減らすことができるというのが不動産投資の魅力です。

■その他の節税スキームとの違い

その他の節税スキームと違うのは銀行から融資を引けるところです。
レバレッジをかけて大きな減価償却費を採れるということです。

■まとめ

今回は不動産を活用した節税スキームを説明しました。
法人は軌道に乗れば大きな売り上げが立ちますのでこういったスキームを知っておいて損はないと思います。

実務では4年後の立ち回りをどうするかを視野に入れて物件を選ぶ必要がありますので、その辺はまた別の記事にて説明させていただきます。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。

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