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軽井沢の田崎美術館、知っていますか?

今まで開いている時に、なかなか行けなかった美術館にやっと行ってきました。

長野県の軽井沢にある田崎美術館は、毎年5月のゴールデンウィークから11月3日までの限定開館の美術館です。

美術館の上部から、自然光を多く取り入れる設計になっています

この美術館は、画家田崎廣助たさき ひろすけの絵画作品を常設展示しています。

富士山、阿蘇、浅間山、八ヶ岳などの風景画を中心に、静物画やフランス留学中の作品など、田崎廣助の生涯にわたる作品を、明るく落ち着いた雰囲気の中で鑑賞できます。

田崎は、阿蘇の山々を数多く描いていて、「阿蘇の田崎」と呼ばれていました。私はゴーギャンの風景画を連想しました。

八女市田崎廣助美術館のHPより

この美術館は、田崎作品だけでなく建築も大きな見どころです。設計は京都駅ビルや梅田スカイビルなどの設計で有名な建築家の原広司氏です。彼は東京大学の教授も勤めていましたが、彼の研究室からは隈研吾氏も輩出しています。

美術館の周囲の樹木が、シルバーとグレーを基調とした建物とコントラストをなしているのに、うまく調和していています。開館当初から春と夏のみの開館と決めていたそうで、周囲の自然の緑を設計に組み込まれているように思われます。

中庭の回廊
建物は、この中庭を囲んで展示室や資料室が並べられていています。

1986年にはこの田崎美術館のデザインで、原広司氏は日本建築学会作品賞を受賞しているそうです。

基本は幾何学的な組み合わせですが、屋根は曲線を使ったデザインで、雲をイメージしていると思いました この雲のような曲線が、建物内部にも散りばめれています


田崎廣助画伯は、1898年福岡県八女市の生まれですが、1932〜34年までフランスに留学し、その後住まいは東京に移しますが、1966年に軽井沢・三笠にアトリエを構えて、浅間山などの風景画を多数残しています。軽井沢を気に入り第二の故郷としていたとのことです。

田崎廣助画伯は、残念ながら1986年の美術館開館を見ることなく、1984年に永眠されました。

2017年には、出身の八女市に田崎廣助美術館が開館しています。

館内の作品は撮影不可ですが、販売図版から

この朱富士と白富士が並んで展示されています。

私が鑑賞している約2時間ぐらいの間、他の入場者は2人だけでした。もっと多くの人に訪れてもらいたいところです。田崎の作品と美術館の建築の2つを同時に鑑賞できるのが魅力です。建築を学ぶ学生さんは必見です。

田崎美術館を出て、徒歩10分足らずの所にある「石の教会 内村鑑三記念堂」に向かいました。残念ながら、石の教会では挙式が行われていたので、内部の見学はできませんでした。

石の教会の周辺には、軽井沢高原教会や星野リゾートのホテルがあり、かなりの人出でした。カップルや家族連れ、熟年夫婦、さらにはインバウンド客で賑わい、行き交うのも大変なほどです。この近くには、「星野温泉トンボの湯」もあります。

この多くの人出のうち、少しでも田崎美術館に向かわせることができないものか、と思いました。星野社長、コラボできないでしょうかね。

入場料は、大人1000円です

【田崎美術館のアクセス】

しなの鉄道の中軽井沢駅より徒歩で約25分、できるだけ歩かない方法は、軽井沢駅から「トンボの湯」行きのバスに乗り、終点から徒歩で約10分。(ただし、このバスは混んでいることが多いです)

【美術館のカフェ】

コロナ前は、美術館内にカフェがあったのですが、現在は営業していませんので、飲み物や軽食を持って行く方がいいかもしれません。全面ガラス張りで、中庭を見渡せる、飲食コーナーがあります。ここで優雅な時間を過ごすことができます。

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