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なんだかおかしな事になっている世の中だからこそ

今年2023年の5月から10月末まで、縁あってEckhart Tolle氏の主宰するSchool of Awakening – Becoming a Teacher of Presenceというコースにオンラインで参加していました。

スタートした5月、カナダで開催されていたリトリートにオンタイムで参加するため、朝5時からネットに繋いで頑張って聞き耳を立てていましたが、よく早起きしたなぁと思います。
それ以降、毎月配信される動画拝聴といくつかの課題をこなしていき、先月末に無事終了と相成りました。

このようなコースにはそれぞれ目的があるものですね。
氏の伝える端的な英語を適切に和訳するのは非常に難しいのですが、私なりの解釈を加えて言葉にすると、当コースはPresence…つまり、今という時間にのみ私たちは確固として存在していて、その存在しているという状態(being)に立脚して世界をとらえ、生きていくものだ…ということを人々に伝えるTeacherとなることを目的にしていました。

とはいっても、別に声を大にして説法をする、ということを必ずしも目指しているわけではなくて。
まずは自らが、様々な周囲の出来事やドラマに振り回されることなく、静かに自分の内奥ときちんと繋がり、自分の意識を目覚めさせること、そしてその目覚めている状態をSecond Nature(後天的な習性)として根付かせることが前提です。
これは、MOMOYOさんが常に仰っている、スピリットとしての存在を思い出し、目を覚ますこと、とほとんど一緒ですね。

目が覚めている状態では、世界に起こっているおかしなことが見えてくる。
無意識の中で周囲の出来事やドラマに反応してしまい、より大きなトラブルを引き起こすような展開は避けられる。
そのような“免疫”を一人でも多くの人に植え付けていってほしい、そんな願いで開催されたコースです。

世の中というのはとても複雑で、見方によっては様々な問題が絡み合って成り立っているとも言えます。
そんな状態に対し、人間の“思考”でそう簡単に解決策が導き出せることはありません。

私たちはどうしても、これは!という解決策が提示されることを願い、上手い謳い文句に飛びつきたい誘惑に駆られてしまうけれど、物事を単純化しようとする動きには注意が必要ですね。

“思考”が組み立てた理屈には、常に落とし穴が潜んでいるものと思った方がいい。
思考の罠に気づくには?
「ほんとかな?」という疑問を差し挟む、その余裕、本当の知性を発揮することです。

ただし、私たちはもはや悠長なことを言っている猶予はないよ、というのも残念ながら重要なメッセージです。

先日、アニメ『進撃の巨人』が完結しましたが、ラストのラストで登場してきた未来の男の子…これはとても私の印象に残りました。
(ご覧になっていない方、スミマセン!)
とても短い描写でしたが、結局争いが無くなることのなかった未来の果てに、私たち人間にはまだチャンスが残されているんだろうか?
私はストレートにそんな疑問を感じてしまいました。

さまざまな人間同士の争いや不協和音、無意識下での怒りや恐れの暴走の陰で、地球環境はとんでもない局面を迎えてしまっています。
最近読んだ本の中で、これは5年くらい前に刊行されたものでしたが、とても有名な著者が「本当に温暖化が怖いかどうかわからないのに、宗教みたいに終末論が流行っていて」というようなことを仰っていて、正直胸が悪くなりました。

まあ、その頃は温暖化のせいで深刻な天災が増えてしまったり、農作物の不作と価格高騰が日常化したり、お腹を空かせた熊が市街地にまで頻繁に出現して人間を襲うことになるなんて想像もしなかったのだろうと思います。

地球はそのうち…といっても長い年月がかかるでしょうが、修復していけるでしょう。
その前に私たち人間が世界からNOを突き付けられることになるのは自明だと感じています。

私たちの日々の暮らしにどうしても欠かせないエネルギー。
これも、地球からエネルギーを得るために山を削るとか穴を掘るとかに飽き足らず、地球の岩盤に人工的に割れ目を入れ破壊しながらガスやオイルを得ていくとか、どうしてそんなことを正当化できるのでしょう?
私はそんな行為に恐ろしさしか感じることが出来ないのですが…。

こんな私たちが一方では宇宙を目指したりしていますね。
地球の中ですら上手く調和して生きることが出来ない私たちが、さらに問題や苦難を宇宙にまで拡散させるつもりかしら。
これ以上、人間の罪状が増えませんようにと願わずにいられません。

最近のEckhart氏の言葉で印象に残っている部分を、私なりに意訳してシェアしておきたいと思います。

世界は多くの人にとって大変に困難な局面を迎えています。
世の中の動きを見ていれば、どんどんおかしな事がまかり通っていくのを感じ取ることができるでしょう。
これに気付いていない人が居るとすれば、その人は自覚がなくとも問題を発生させる側にいると考えた方がいいかも知れません。
過去にユングも指摘していますが、人類にとって最も危険なのは集団での“精神病”-頭の中が有毒な思考で占拠され、それが伝染病のように広がることです。
これに対して私たちは免疫を獲得し、ウィルスを見極め、対抗できるようになる必要があります。

ただし、逆説的になりますが、この困難によって私たちが目覚める可能性が高まることにもなります。
目覚める事でしか、現状の困難を乗り越えることが出来なくなるからです。

それをall is well - 万事上手く行っている、と表現することもできますが、困難を経てしか学べないのは、悲しいですよね。

その前に、少しでもスピリットをベースにした、地球に寄り添った生き方へシフトしていきたいものです!

長年の公私に渡る不調和を正面から受け入れ、それを越える決意をし、様々な探究を実践。縁を得て、不調和の原因となる人間のマインドを紐解き解放していく内観法を会得。人がどこで躓くのか、何を勘違いしてしまうのかを共に見出すとともに、叡智に満ちた重要なメッセージを共有する活動をしています。