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おばぁちゃんの苺

毎年ゴールデンウィーク頃の楽しみといえば
苺の収穫だった。

食べきれないほどたくさんの苺は
ジュースにしたりジャムにしたり
売られている金額で換算すると
ゾッとするくらい贅沢に使った。

父方、母方どちらものおばぁちゃんも
‘“畑が生き甲斐”だった。

 だった。 と過去形にしたが、
どちらのおばぁちゃんもまだ生きている。
しかし、畑仕事ができるほどの元気はない。

毎年の苺がない。寂しい。


市販されている苺は形も綺麗で
もちろん美味しいが
不恰好なおばぁちゃんの苺が大好きなのだ。

当然苺だけでなく全ての野菜がないわけだが
苺はなぜか特別な感情がある。
きっと子供の頃、苺の時期におばぁちゃんと
畑にいる時間が長かったからだろう。

インゲンやそら豆も同じ時期で
おばぁちゃんの身長を超えた頃から
高いところの収穫はもっぱら私だった。

春は大忙しの畑仕事。
大変そうだが活き活きしていたおばぁちゃん。

そんなおばちゃんが大好きだった。
畑での何気ない会話が大好きだった。

大人になり畑に行く機会は極端に減った。


今になり畑仕事をしたい欲求が強くある。
まだおばぁちゃんが元気なうちに
畑仕事を手伝いながらあれこれネットから得られない
経験からの知識を学びたかったなと後悔。

最後におばぁちゃんとひ孫のお気に入り写真

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