コーヒーカップとティーカップ


「ちょっと!このカップ薄い!珈琲用じゃないでしょ!熱くて持てないでしょ!それでもプロなの!」

なんてクレームをつけている、全く親しくないし名前も知らないが、顔見知りの人間が飲食店で珈琲の厚さと熱さで店員にクレームを入れている風景を見てしまった。

うわぁ、と思わず身を引いてしまった。

話は変わるがコーヒーカップとティーカップの違いとは何だろうか?

ネットを少し検索すると出てくる説明には。
珈琲の方は冷めるのが遅くなるように口径が小さく厚い。小さい分、量が少なくなるので背が高くなる。
紅茶の方は香りが広がりやすいように口径が大きく薄い。基本的に白色でコーヒーカップより背が低い。

という感じの説明が最初の方に出てくる。

検索する前に聞き齧っていた情報も似たような物で、よくある、つい最近決まったことかもしれないが、主観では聞いてから20年くらいは経っている。ここではとりあえず、これを一般的な定義として踏まえた上で、世の中には兼用カップ何て物が存在し、香りを楽しむために口径の広いティーカップで珈琲を飲む、冷めないようにコーヒーカップで紅茶を飲む、なんて物品や使い方があること明記しておく。

そもそも、一貫して薄い紙コップで提供している店は腐るほどある。

つまりは、店がどういうカップで提供しようと自由なのだ。
珈琲が熱すぎると訴えて、何億円もせしめるみたいな仰天案件でも考えない限り、声を上げるのはどうかと思ってしまう。

そして、残念なことにその顔見知りは、カップの厚みやホットが熱すぎる、なんてことよりも更にちょっとあれな案件で憤っていることに、全くコレぽっちも決して親しくはないが、私は気付いて身を引いてしまった。

この時の季節は冬だったのだが、その顔見知りは寒い季節になると、手先が寒いのかコーヒーカップを包むように両手で持って暖をとるのである。
この行為をマナー的に正しく無いなんて私は指摘しないが、一番熱い部分を肉体の中でもとても敏感な部位である両手で触れて熱いとクレームを入れるのは、意味がわからないし傍観している立場でも、なんだかいたたまれない気分になってしまう。

本当に止めて欲しい。

加えて、そのコーヒーカップには、ちゃんと取ってがあった。その下にはソーサーまでもがセットされていた。
店員に文句を言う前に、全く使いこなせていないコーヒーカップセットに謝罪した方が良いんじゃないか?

そんなことを思いながら、顔見知りに見つかる前に私はその場から足早に去った。


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