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曜日・時間帯別のAmazon広告効果についてAMCで分析してみた

初めまして。ウブン広告運用チームの組地(くみじ)です。

ウブン広告noteも第3回目となりました!
今回はAMC(Amazon Marketing Cloud)で抽出可能な曜日・時間帯別の実績レポートをもとに、広告効果の分析と活用方法について触れてみたいと思います。
分析データをもとに、今話題のChatGPTを使ってまとめてみました。

AMCについては第2回の記事でもお話していますので、ぜひご覧ください!

広告運用における曜日・時間帯別の重要性

広告運用において、曜日・時間帯別の実績を確認、調整することはどのような意味を持つでしょうか?

パフォーマンスの最大化

曜日・時間帯によって、ユーザーの行動パターンが異なります。
特にAmazonのようなECモールでは様々なユーザーが出入りするため、広告の表示タイミングを商品ごとに最適化することで、広告クリック数や注文数を増やすことができます。

また、時間帯によってクリック単価が高くなる場合があるため、適切な時間帯を選択することで広告のコストパフォーマンスを最大化することができます。

競合他社との差別化

スポンサー広告は当日0時から開始してキャンペーンの日予算に当たるまで配信される仕様なので、1日を通して予算を配分する機能はありません。つまり、広告対象商品に関心を持つ購入客が多数いる場合、予算が少ないと数時間で使い切ってしまう可能性があります。
日予算に当たりやすい夜間帯にもしっかり広告配信することで、予算切れを起こしている競合他社に対して差別化を図ることができます。

曜日・時間帯別の傾向を把握しておくことで、打てる対策が出てくるかもしれません。
【例】
・週末のROASが良いので、週末に予算を寄せて配信強化する
・平日のパフォーマンスが悪いので、平日の期間は配信を抑えておく…等

曜日・時間帯別の広告指標について

時間帯別のレポーティング機能がないため、今回もAMCを活用して特定の広告アカウントの曜日・時間帯別データを取得してみました。

作成したローデータを曜日・時間帯でPivotしました。
早速内容を確認してみましょう!

アカウントA

  • 計測期間:2023年3月(暫定)

  • 対象広告:スポンサー広告

まず広告ROAS指標で集計してみました。
・横軸の「1」が月曜日で、「7」が日曜日です。
・また縦軸は各時間帯を表しています(「0」は深夜0時)

こちらのアカウントでは深夜帯(3~6時)のROASが際立って低く、午前中の7時~10時が相対的に高いROASとなっていました。
曜日別ではそこまで大きな差異は無さそうですが、週の真ん中である火・水が低く、「5」金曜日~「6」土曜日にかけてROASが高まっています。週末にかけて、購買意欲の高いユーザーが増えている影響がありそうです。

同様に、CPC(クリック単価)、CVR(注文率)でも集計してみました。
表の左側がCPC、右側がCVRを集計したものです。

ROAS傾向と同様に深夜帯のCVRは明らかに低く推移しています。
CPCは深夜帯で大きく高騰しているということは無さそうですが、0時で日予算がリセットされることで競合他社含めた入札競争が再開されますので、効果が悪い場合は都度抑制していきたいところですね…。

アカウントB

続いて、別の広告アカウントについても見ていきたいと思います。

  • 計測期間:2023年2月

  • 対象広告:スポンサー広告

こちらもアカウントAと同様に深夜帯(3~5時台)のROASは低く推移していますが、それ以外では目立った差異は無さそうです。
夜間帯でROASが伸長している曜日もありますが、おしなべて見ると日中と夜間でそこまで乖離がないことがわかります。

CPC、CVRの実績はこちら。
カラースケールで表している通り、CPC(表左)については深夜帯が少し濃くなっている程度で、全体的に安定した単価で推移しています(¥55~¥58)
CVRも3~5時台を除けば11%-15%で推移できているため、獲得効率の悪い時間帯の入札抑制を試みたいところです。

ROASの悪い時間帯の配信を止めたら…?

アカウントBにおいて、もしROAS効率の悪い1~5時台の配信を行わなかった場合、全体のROASがどう改善するか試算してみました。
下記グラフは1~5時台に配信しなかった場合のROASを元のROASと比較しているものです。

上の総計が全体平均、下の総計が1~5時台を除いた平均

379%から391%へと僅かながらROASが向上しました。パフォーマンスの低い深夜帯はそもそもアクセス数自体が少ないので、仮にその配信調整をおこなったとしても全体ROAS向上へのインパクトは限定的でした。

これは1アカウントの分析結果に過ぎませんが、仮にアクセス数の多くパフォーマンスの低い時間帯のあるアカウントであれば、一定のパフォーマンス改善効果が期待できます。

今後に向けて

上記2アカウントの実績を見た結果、深夜帯(1~5時)のコストパフォーマンスがあまり良くないことがわかりました。
しかし深夜帯に利用している広告費の割合が少ない場合、仮に配信を止めたとしても目に見えたパフォーマンス改善が見込めるわけではなさそうです。
各アカウントの実績を確認しながら、傾向に応じた入札調整を繰り返していくことが大事だと改めて感じました。

現時点では時間帯別の配信調整機能が提供されていないため、マニュアルで対応する必要があり、実際には実行することが困難な状況です。「特定の時間帯の入札を〇%下げる」といったルールベースの配信調整機能が実装されることを待つ必要があります。

時間帯別の配信調整機能が実装されたら対応したいこと

  • コストパフォーマンスの低い深夜帯の広告配信は抑制する

  • 時間帯別の実績を確認し、相対的にパフォーマンスの良い時間帯の入札を強化してみる

  • ユーザーが多い曜日・時間帯に対して広告表示回数を増やす
    Amazonでは土日祝日やセール実施時のトラフィックが増えるので、特定の曜日で入札強化してみる

  • 他媒体の掲載日時に合わせて、曜日・時間帯の調整を変更してみる
    (例:SNS広告、テレビCMなど)

時間帯別の入札調整は現状対応できませんが、実績の把握・分析はAMCを活用して確認することが可能です。
キャンペーンの日予算を特定の曜日に強化することはできますので、曜日別のデータを参照しながら細かく調整していくことが、今後大事になってくると思います。

最後に

さて、毎度のお知らせとなりますが、ウブンでは一緒に働く仲間を募集しています!

デジマ・運用型広告のネクストレベルを追及している方、直近ではキャリアチェンジを考えていなくてもまずはお気軽に情報交換させてください。

長文をお読みいただきありがとうございました。
今後も広告運用について色々情報発信していこうと思っています。よろしくお願いいたします!

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