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日曜日のクルーメイト #0088 MY LITTLE HERO!!!!

ハロー、たまの日曜日に現れる冲方丁です。寒暖の差がまだまだあなどれない週末、いかがお過ごしでしょうか?

冲方は先日、『SGU』に続き、『マイ・リトル・ヒーロー』が刊行され大変テンションが上がっております。
長いことかけて連載し、編集者とともにゲラと格闘する日々の末、素敵なデザインで一冊の本、一つのコンテンツに仕上げて頂くたび、物語作りというまだまだ先の長い旅を一生続けていきたいと思わされるもの。

本書では、ぜひ主人公である暢光(のぶみつ)とともに、本気で誰かを応援する喜びを味わっていただければと思います。
というわけで、さっそく本書をご紹介――の前に、いくつかお知らせがございます。

『蒼穹のファフナー』尾道イベントに初参加

まさについ先日の3/25に開催されたアニメジャパン・ビッグサイトにて、キングレコードさんブースにてイベントが発表されました。

【「蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE」大ヒット感謝特別上映イベント IN 尾道~邂逅~】の開催決定!!

とのことで、『蒼穹のファフナー』の舞台のモデルとなった尾道での、恒例ともいえる記念イベントが開催されます。
そして、これになんと冲方も参加させて頂くことになりました!
実は尾道訪問は初めてで、写真やデザインでは何度も見てきた風景の中に、おのれの身を置くことが今から楽しみでなりません!自撮り棒買わなきゃ!

イベントの内容は、「蒼穹のファフナー BEHIND THE LINE」のBlu-ray & DVD発売を記念しての本編上映と、豪華出演者によるスペシャルトークとのこと。
現地観覧のほか、ライブ・ビューイングも予定しており、観覧チケット抽選受付は2023年3月25日(土) 14:00より4月9日(日) 23:59まで、ライブ・ビューイングの詳細は後日発表。
 
開催日時:2023年6月4日(日)  開場 15:00/開演 15:30
場所:しまなみ交流館 テアトロシェルネ
出演予定:石井 真(真壁一騎 役)、喜安浩平(皆城総士 役)、能戸 隆(監督)、冲方 丁(脚本)、angela(主題歌アーティスト)、中西 豪(プロデューサー)
 
チケットの先行抽選の詳細やお問い合わせは、公式の発表を御覧下さい!
  


『サイコパスPROVIDENCE』インタビュー

脚本脱稿から長いときを経て公開が決定した『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE』につきまして、各メディアにてインタビューおよび深見真さんとの対談が掲載される予定です。

深見真さんとの対談掲載予定
「SFマガジン」
「アニメイトタイムズ」
「NewType」
「劇場パンフレット」

インタビュー掲載予定
「Voice」
「MANTAN WEB」

各掲載は公開の前後となりますので、ネタバレありなし両バージョンをお楽しみ下さい。

さて。
『サイコパス2』では、プロットと設定を作りつつも、脚本会議などに参加できなかったため、今回しっかり関われたことが個人的に満足。

というのも当時、『攻殻機動隊ARISE』と『蒼穹のファフナーEXODUS』と『サイコパス2』の作業を同時並行させる某スタジオと諸Pたちに加え、連載をいくつも並行させる編集者諸氏に、冲方丁は残念ながら一人しかいないのだと説明せねばならないほどスケジュールが錯綜していたのでした。

当時の反省からスケジュール管理を徹底するようになったという点では良い経験でしたが、結局『サイコパス2』に割ける時間が圧倒的に足りず、参加したという意識がどうしても希薄なまま忸怩たる思いでおりました。

ちなみに制作陣も同様だったらしく、アフレコ台本は送られてこず、ギャラは未払いのまま一年半余も忘れられていたことは今では笑い話です。

対して『サイコパス3』や、今回の「総決算」たる劇場版では、監督や脚本勢と向き合い、やるべきことは、ひととおりやれたと思っております。

監督をはじめ、フィルム作りに尽力した膨大な数のスタッフに敬意を表しつつ、個人的にも公開を楽しみにしております!

『マイ・リトル・ヒーロー』刊行!!

お知らせが長くなりましたが、先日刊行されました『マイ・リトル・ヒーロー』をご紹介!!

別冊文藝春秋にて長らく連載しておりましたが、こうして一冊の本としてまとめることができました! ハレルヤ!

本作の主人公は、その途方もない暢気さのせいで、騙され続け、財産を食い潰し、離婚の憂き目に遭った、朝倉暢光(あさくらのぶみつ)。

あるとき息子の凜一郎(りんいちろう)が交通事故に遭って意識不明の重体となったことから、暢光は自分の人生を一変させるゲームの世界大会を目指すことになります。

冲方が長らく書きたいと思っていた、「ライバルはいるけど敵はおらず、被害者も加害者もいるけど悪人はいない物語」を、思う存分、書かせていただきました。

なお別冊文藝春秋にて、インタビューが掲載される予定です。
本作に込めた思いを、我ながら前のめりに語っておりますので、ぜひご笑覧ください。

『マイ・リトル・ヒーロー』サイン本作成から、まさかの――

文藝春秋社さんの一室にて。
本作のサイン本を作らせていただいたのですが、製本前の最初のページだけを並べてサインするという、初めての体験をいたしました。

このやり方は素晴らしいです! 書きやすいし、汚れにくいし、まとめやすいし、運びやすい! 良いことずくめなので、ぜひ出版業界のスタンダードになってほしいと思います!

インタビューと撮影後の、「餌付け」という名の打ち上げ画像。
KADOKAWAの担当N氏が「餌付け写真」と称して冲方の食事中の様子をツイートして以来、各社の担当諸氏が同じ言い方をするように。

当然のように、たいていの餌付けは「肉」であります。
この日もでっかいラムチョップにテンションが上がっていたところ、まさかのデザートが登場。

なんと、拍手と歌とともに、バースデーセットが運ばれて参りました。
心遣いがにくい! ありがとうございます!

自分の誕生日を忘れる癖があるため、誰かのお祝いだろうと思い、うっかり一緒に拍手して歌いかけました。
この歳でレストランのそこかしこから放たれる拍手とともに誕生日を祝われると、猛烈に照れくさいですが嬉しい限りであります。

デビューしてかれこれ27年目。
こうした思いがけない喜びを大事に、これからも執筆に邁進して参ります。

皆様におかれましても、健やかで喜びのある週末をお送り下さい。
冲方丁でした。

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