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日曜日のクルーメイト #0043 Merry Christmas!!!!

一日遅れのメリークリスマス! 
トップ画像は、いらすとやさんの可愛い絵をお借りし、剣樹地獄のクリスマスツリーを作ろうと思ったのですが、何かクリスマスに恨みでもあるかのような絵面になってしまったかもしれません。

凄惨なアクションシーンを書いていたせいか、つい、サンタとトナカイたちがモズのはやにえのように突き刺さっている絵面を想像してしまいます。まさに地獄。無惨すぎるので絵にしないでよかったと心から思います。

などと言っていると殺伐としたクリスマスを過ごしていると思われてしまいそうですが、冲方は一日、平穏無事に執筆することができ、満足いっぱいで、この記事を書いております。大丈夫です。書いていたものは殺伐としていましたが。

さておき。クルーメイトは良いクリスマスを迎えることができましたでしょうか? 誰かにプレゼントを贈るも、自分で自分に贈るも、等しく特別なご褒美感を味わえるのがクリスマス。
冲方は自分へのご褒美として、数年振りに、iPhoneとiPadの機種変をして、すいすいマイクラができる喜びにひたりました。最高。

さて。クルーメイトが迎えるアフター・クリスマスの日曜日が幸い多き一日であることを祈念しつつ、今週も元気に参りましょう!

『剣樹抄』ドラマ 最終回!&小説 第十五話!

全8回、あっという間に駆け抜け、最終回を迎えました!
ものすごく濃く豊かなドラマを拝見し、大満足でございます。

脚本を書かれた吉澤智子さんのコメントが掲載されており、「わかるー」と思いながら読んでおりました。
「許す」とは何か。まさに今の分断の世における大テーマに、よくぞ真正面から挑んだものだと喝采をお送りしたいです。
そして、まさかのオチに大笑い。なんと。気づきませんでした。(ご本人にお会いしたことがあるのに)

ほうぼうに『光圀伝』や『水戸黄門漫遊記』のネタをちりばめつつ、ドラマ独自の水戸光圀像を作り上げた制作陣の手腕にも拍手喝采です。

オリンピック中は機材と人員が足らず制作が出来ない、コロナ禍で途方もない労力を要するといった、様々なハンデを背負っていたと聞きますが、よくぞここまでのものを作り上げたと賛嘆の念でいっぱいなのです。

極大師が文字通りドロンしたので、もしやこれはいつか続きが観られるのではと、ひそかに期待しつつ、ドラマから得た学びと刺激を、引き続き小説の連載に活かして参りたいと思います。

小説は、12月22日発売のオール讀物にて、第十五話「かまりの隠れ里」が掲載されております。
ぜひ御覧下さい!

『マルドゥック・アノニマス』連載 第四十回!

気づけば四十回! 途中から雑誌が隔月になったので正確にはわかりませんが、だいだい60ヶ月くらい? 
いやいや、さすがにそんなに経ってはないはず……と思いきや、『マルドゥック・アノニマス1』が刊行されたのが2016年、なんと5年前でした。
こんなにも長く書かせて頂いているのかと思うと感無量です。
たっぷりと助走に助走を重ねての、終盤戦突入。
ぜひウフコックの、そしてバロットの、心理戦とアクションと政治劇と法廷劇のハイブリッドを、最後まで見届けて頂ければと思います!

また現在、『マルドゥック・アノニマス7』の改稿作業を進めております。
いよいよ「マルドゥック市の地図」が作られるかもしれません。
そして人物紹介が、もうこれ以上は無理、入らない、という人数になってしまったため、どうしようか、と担当氏と相談中。
巻末に人物一覧を載せるという『ゲーム・オブ・スローンズ』方式になるかもしれません。

来春にはお届けできるよう、頑張ります。
ぜひお楽しみ下さい!

『骨灰』連載 第六回!

お次は野性時代にて、『骨灰』の第六回が掲載されております。

再開発が大々的に推し進められる2015年渋谷を舞台に、後戻りの出来ない暗がりへ引きずり込まれていく主人公を通して、ひりひり炙られる「極乾」ホラーをお届け。

日本には、しっとりじめじめした季節もあれば、ひりひり乾燥する季節もあり、どちらも描けるのが良いのです。

工事現場の地下で鎖につながれた男、追いかけてくる「灰」、家に入り込んだ何か、まとわりつく異臭、娘の異変、死んだはずの父親の声。
年末の静かな夜に、どうぞ恐怖を。

『マイ・リトル・ジェダイ』連載 第四回!

さて、トリは『マイ・リトル・ジェダイ』第四回!

ゲーム世界にとらわれた息子のために奔走する父であったが、自分もかき集めたチームも、息子の足を引っ張るばかり。
果たして息子が願う大会出場は叶うのか。

今回はみっちり作中のゲーム、『ゲート・オブ・レジェンズ』のプレイを書きました。
『荒野行動』『フォートナイト』『モンスターハンター』『コール オブ デューティ』などを参考にしつつ、オンラインシステムが生んだバトルロイヤルという激しいゲームプレイを描写するのは、ものっすごい大変でしたが、しっかり手応えのあるものとなったと思います。

父が結成したチームは、果たして息子の役に立つのか?
ハートフル・現代ゲーム・ファンタジー、どうぞお楽しみ下さい!

コメント・トーク

今週は連載四本が各誌に掲載され、我ながら「書いたな~」という感慨が。連載四本で、月に三百五十枚くらいでしょうか。
江戸・日光、2015年渋谷、マルドゥック市、ゲーム世界と、相変わらずステイホームなのに出張しまくっている気分です。
ちなみにまだ企画が発表できない原稿もやっておりました。書いたな~。

さてさて、いつも冲方の執筆と当記事を支えて下さるクルーメイトのコメントをご紹介です!

いつも多謝! 森人さんからのコメントです!
鶴市の徹頭徹尾のクズっぷりが、かえって光圀の心をかき乱すというのが、個人的には大変良かったですねえ。
ダイハード並の悪投が、すとーんとビルから落ちると、妙にスッキリするのですが、鶴市の場合はもやもやを残すという大仕事がありますからね。
まさに中途半端さこそが人間っぽさとなって印象に残るんだなあと改めて思いました

再び森人さんからのコメント!
テストステロン、巣ごもり筋トレ大流行でやたらと聞くようになりましたが、そういう効果があったとは。
ランニングではなく筋トレをやるべきだったかもしれません。

と言いつつランニング中、実際はiPadでドラマを観ていることが多かったのですが、画面操作をしようとしてバランスを崩すという目に遭い、心を置かないランニングを心がけたものです。義仙さんは正しい。

T.プカ夫さんからのコメントです! 初めまして! ご応募ありがとうございます!

漢字にすると「竈馬不如帰」。おお、かっこいいではありませんか。いかにも傾奇者が名前にしそうで、字面も良い。帰ることなき突進といった風情。
うむ。どこかで使うかもしれません。

ちなみに「かまどうま」を「釜」「堂馬」だと勘違いしていた頃が冲方にもありました。釜の上に乗って鳴いている虫かと。釜どころか竈を我が物とするとは。キッチンの征服者ですな。

薔薇肉船舶さんからのコメントです!

ありがとうございます! 個人的にも同感なところがありましたので、ワクワクハラハラな描写を十一人の視点でやろうとしたところ、本当に大変でした。
プレイヤーあるあるを盛り込みつつ、こんな風にプレイできたら楽しいだろうなあ、という思いを今後とも、どっさり詰め込んでゆくつもりです。
どうぞお楽しみ下さい!

Kei.さんからのコメントです!

ダブルバックアップは基本だ、みたいなことを大抵のサイボーグやロボットやAIが言い出しますね。
スプレッドシートとエクセルを勘違いしてしまったのが敗因でした。全てのエクセルファイルは、ハードディスクに入れたばっかりだし、と思い込んでしまったのです。ファック。

ローカルの破損は長年の恐怖の源でしたが、クラウドのハッキングなんてSFか、あと二十年後の話しだと思ってましたよ。しかも最近は、ローカルまでウィルスでロックされたりして。やだ怖い。

現状、ハードディスク①にそのままコピー、ハードディスク②に圧縮したものをコピー、クラウドに保存、というトリプル・バックアップを講じておりますが、まあ、容量を食いますね。どうでもいいファイルまでそうするのはどうかと整理しているうちに、うっかり……ということになりそう。怖い。

黒井真さんからのコメントです!
というかマカロニ・ウェスタン・テロリズムです!腹減った!
アツアツのマカロニグラタンは冬に最高です。ラザニアと甲乙つけがたい勝負です。ハングリー。
了助くんもきっとこいつにはかぶりついてしまうでしょう。火傷にご注意。

負けじとこちらも飯テロというか、ふるさと納税テロを。

毛蟹が到来! 初めて解体しました。蟹の腹側にある三角形の部分を「ふんどし」と呼ぶことを知りました。

素手で解体していたら指が傷だらけになったので軍手をはめて蟹の解体ショーを開催。
意外にざくざく切れます。

われおもうゆえに、かにあり。
沈思黙考ならぬ、沈思黙甲の構えである。
というわけで、蟹バリズムな毛蟹三昧をクリスマスイブに味わったのでありました。

あとがき

さてさて。クルーメイトにとって、2021年とは、いったいどのような年であったでしょうか。
年明けからのステイホームに、閑散とした街に訪れる春、一転して真夏の五輪開催とそれにまつわる狂騒曲じみた言論の氾濫、かと思うといつ来て去ったのかもわからぬ秋が過ぎ、気づけば年の暮れに。

ひどく静かでいて、何もかもが騒々しい、過去に経験したことのない一年であり、「いったいなんだったんだ……」と思い返すことしばしば。

激しく変化する世においては、変わるべきでないものを受け継いで次代へ届けることが、文筆家の使命の一つであるわけですが、今年は、ほとほと戸惑わされました。
自分の身の回りだけでなく、世界各地で、人類の知恵が空転した一年であったのでは、と思います。

「一寸先は闇」という言葉が最もふさわしい2021年においても、やはり学べたことは多く、それらを年の暮れに向けて、少しずつ言葉にしてゆきたい次第。

クリスマスを経て、年末・迎春へ一転する日曜日、どうかクルーメイトにおかれましては、しっかりと地に足をつけ、平穏たる一日をお過ごし下さいますよう!
メリー・アフタークリスマス!
冲方丁でした。


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