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「知らんうちにできていた」ものが教える時の穴になる。レディネスについての話

故あって「新人教育」について真面目に考える必要が出てきて、各所に相談したり、資料を読んだりしながら手探りで進めています。

その際に考えていたことをつらつらと書きました。

新人の時の私、いうほど仕事できなくはなかった

かつて、新人の時の私を「仕事ができない」と表現したんですが、これはどう考えても「一流の仕事ができていない=優秀でない」という意味だったんだ……というのを、同時に複数の方向から突き付けられてちょっと混乱しています。

というのも、実は私、大学時代から今まで、ずーっと同じamazonアカウントを使っておりまして、書籍の購入履歴はすべてそこに集約されている(※神保町で買った本を除く)ので、amazonの購入履歴を見ると「当時何に困っていた」のかが割とわかってしまうのです。

そうすると、どうやら私が新卒~若手の時に困って、知識を求めたことというのは、

・仕事をする上での一流の心構え(体力なくて絶望しがちだったので、発奮させる系のビジネス書がとにかく多かった)
・業務知識に関連した議論を扱っている本(ソシャゲ屋だったので、電子アイテムとか射幸性とかそういう議論。この手の本が一番好きだった)
・人事関連の基礎知識
・ビジネスメールの書き方

とかで、「報告・連絡・相談」とか、基本的な仕事の進め方にはあまり困っていなかったみたいなんですよ……「話し方」の本とかそういう類が「一切」履歴になかったのです。

そして確かに、当時の記憶を掘り起こすと、新卒の企画職は2つの部署に割り振られていたのですが、ざっとこんな割り当てだったんですね。

・学生インターン歴が長い2名:ソーシャルゲーム事業部(私はここ)
→当時、新設部署かつ、売上を期待されていた
・他の企画職同期:クライアントワーク事業部
→安定して売上を立てていた部署で、教育しやすいと言われていた

さらに、上記の記事で泣きながら開発合宿する羽目になった経緯というのも、

もともとあるゲームのプラットフォーム替えだから新卒でもいけるべ

(商談の結果)プラットフォーム替えだと無理そう

新規タイトルつくるしかねぇ

じゃあ君担当Dね!サポートで上司つけとくから!(といっても、この上司が本気で上司の仕事をしなかった……まじでいまだに反面教師)

という新卒にどんな無茶ぶりしてんねんという狂気の経緯だったわけです……。

これ、今改めて冷静に考えたら、どう厳しく見積もっても「仕事できなさそう」な若手に振る仕事ではないです。当時の私の自己肯定感がおかしかったから、当時の心象風景はよくわからんことになっていますが、会社というのは人を故意に潰すために難しい仕事を振るほど甘い世界ではないです。利益求めて戦っているわけなので。まぁ、その力加減の上手い下手はあるけどさ!

だから、難しい仕事は必ず「こいつならなんとかできるだろう」と思われている相手のもとにやってきます。

今たまにアサインの意見求められたりするんですけど、基本的に新卒にこんな「新規タイトル/プロダクト」仕切らせるような無茶させませんもん。もし、本当に優秀な人物で、敢えて頑張らせるにしてもサポートメンバーとフォロー経路を超固める進言とセットです。実質一人で放り込むなんて意味が分からない。それだけの難案件ですこれ。

「仕事の進め方スキル」を自発的に獲得した記憶が、そもそも無い

というわけで、私自身の場合、もともと何らかの形で「仕事を自律的に進める」素地は身についていたのだと思われ、敢えて「スキルとして身につけなければ」という状態ではなかったようなのです。

ただ、こういう風に「気づいたらできていた」ことを人に教えるのは正直難しいです。これ、何か解決策はあるのだろうか……と地味に悩んでいたのですが、最近、参考になりそうな本を立て続けに見つけることができました。何がしかの解決策というのは概念によって見出されるようにできているみたいです。

今回はそのカギになるキーワードは「レディネス」でした。

レディネスは子供の学習に限らないし、学校だけにも限らない

手っ取り早く理解を試みたい場合はこちらの本(Kindle Unlimited会員なら無料)を読むのがよいです。

もともと「レディネス」という語は子供の教育の文脈で用いられている言葉で、大雑把に学習に必要な知識・技術・態度が身についている状態のことを言います。

……でもこれ、どれだけの大人が自信をもって「できる!」って言えるでしょうか。

しかも、学校教育というのはあまりにも狭い型のみを評価し、文字情報に偏りすぎているという性質があるので、学校教育・塾教育だけが学習じゃないということを別の方法で体感できないと、大人になってからも学びの成功体験を積みにくいという課題があるように思うのです。

っていうかね、マジな話「文字の読み書きは苦手だけど頭の回転速い」人って実在しますからね。
学校教育は「文字を読む能力=記号の解釈能力」に重きを置いているので、映像的な視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の話は結構豪快にスルーしてますからね。

ただ、別の方法でも何でもいいから学びの成功体験が何か積めていれば、それを手掛かりにすることはできるはずです。これは趣味でも、遊びでも何でもいいのです。自分で自発的に情報を求めて、実際に試行錯誤を繰り返して何かを作ったり、演じたり、産み出した経験。それこそが大人になってから新しく何かを習得し、変わっていくために必要な「レディネス」なのだと思います。

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