見出し画像

バズと選抜主義に傾きやすい、生まれたての電脳世界で、私は半径10mにドングリを埋めていく。

大変残念なことに、私、「不特定多数に刺さりそうな何か」を狙って特定の時期に生み出せるほど、器用なつくりになっていないんですね。

だからこそ思うんですけど、自覚的に狙いに行く気がある人以外は、コンテストの類は積極的にスルーして、結果だけ見て「おおお」と感想もらしてた方がたぶん精神衛生上は健康的です。ちなみにこれ、私設賞でも同様ですよ。

本当に盛り上がる時ほど再現性がない人生だった

実は私、人生最初のバズは高校生の時でした。高校生はてなダイアラーだったんですね。

何の気なしに「高校生の普段の生活で、そんなに必要な知識ってなくね?」みたいな話をちくちく書いてたら、それが想像以上に爆伸びしてしまい、年上のおじさんたちとなぜか会話したり、私が当時読んでた本の著者のおじさまからメールをいただいたりと、謎のリーチが発生したのでした。

正直、延々と震え続けるガラケーとかまじこわいぞ。どんだけセンターからメール拾ってくんねんっていう。でも、それが長続きするほどの才覚は私にはなくて、結局「たまたまクリティカルヒットした」ってだけだったので、バズ的なものはここ数年まではとんと縁がなかったのです。

なお、この再現性のなさはインターネットおまんま食べ族(もといIT屋)になっても相変わらずで、連載記事をいただいて執筆していても、未だに「これは良さそう!」とドヤ気味で書いたものは全然PV伸びないのに、「えい、ままよ……!」と半ば投げやりに無理やりひねり出して編集さんに渡した時のほうが10万PV越え叩き出したりするんで、本当自分の感覚が信用できない。

「推し色メーカー」だってそうで、一生懸命数字見ている時ほど全然うんともすんともしなくて、半分忘れかけて「あっ、ひさびさにFirebaseコンソールみるか」とか思ったタイミングのほうが数字の成績よかったりするという。更に言うと、一瞬Twitterのトレンド入り(日本)した時に至っては相方・はが氏が第一発見者だからね。相方さまさまじゃねえか……。

正直、こんだけ自分の気合と結果がきれいに反比例だと、PDCAとは、バズとは何かについて考えさせられてしまうんですわ。

そういうわけで、私は「バズを狙う」という行為については完全に懐疑派です。私の中では「バズ狙い」っちゅうのは「教材買ったら仕事もらえて元取れる!」と同じくらい胡散臭いカテゴリに含まれてたりする。そんなんすぐできたら人生苦労しねーからな?

選ばれようとすると選ばれない人生でもあった

そして、私の人生を形成した出会いというのはいずれも、「なんか時の運とタイミングで向こうから突然登場してきた」ものだったりして、転職とかもモロそうなんですよ。

ほぼ確実に最初に「ここ行きたいな」と思ってた会社からは選ばれず、突然物陰から現れる野生のポケモンのような会社に選ばれる人生でございました。ちなみに、私の人生でターニングポイントになった会社は2社ほどあるのですが(夫さんと出会った会社・現職)、いすれも出会い方が

夫さんと出会った会社…エージェントで見せてもらった求人票で無駄に異彩を放っている会社があった(社長面接一発終了)ので、ただのノリで応募してみた
現職…エージェント氏が突然「こんな会社あるけどどう?」と差し込んで来た

くらいの野生のポケモンぶりでした。

ここまできれいに「狙いに行けない」と、もう狙うことそのものを諦めたりもするわけですよ。しかもさ、前者の会社で配偶者もついてくるとか、どんなオマケだよって感じしませんか。事前に想像できてたらこえーよそれ。

でも、「狙いに行く」というのは「自分の枠から出ない」ことでもある

狙うというのは、自分の手持ちの情報と、現時点で認識できる範囲の情報で絞り込んでいく行為だったりもするんですね。そこに例外事項や遊びの要素はあまり考慮されない。

もちろん、弓で的を狙うかのように、的確に狙える才能がある人はいて、そういう人は好きなだけその武器を磨けばいいのです。それは立派な強みなので。ただ、そうじゃない人は結構いるんです。それはいろんな人間がいる以上、当たり前の事実です。

インターネットではこの手の弓で狙いに行ったり、地引網仕掛けられる才能が目立ちがちで、評価されるように感じるんですが、それはインターネットの評価軸がまだ未熟だからです。この遊び場、正直まだ赤ちゃんなんよ。

補足すると、日本で商用インターネットが初めて利用できるようになったのは1992年の出来事です。(インターネット歴史年表より)電話は1869年に日本で開通したので、5倍ほどの歴史の違いがあります。

インターネットは生まれて28年。「これからの遊び場」との付き合い方試案

このインターネットを「大人」だとみなすから、評価軸のゆがみを苦しいと思うのであって、まだまだ伸びしろのある赤ちゃんだと思って、赤ちゃんにつきあうつもりでいた方がより健康的に生きられると思います。

私とかはドングリいっぱい埋めるんだけど、素でうっかり掘り出し忘れて、いくつかが苗木になってたというリスのようなタイプなので、飛距離がモノを言う世界では戦いにくいです。ただ、ある程度距離が近い状況であれば、このリスのような能力がそれなりに周囲の役に立つと自負があります(それこそ、小規模サークルとかそういう場でね!)。だからこそ、自分の才能の形と強みはちゃんと知っておいた方がいいと思うのです。

超マジレスすると、私のこのnoteアカウント、どんなに多くても2,000PV/月くらいしかないんですよ。
でも私にはこれだけあれば必要十分で、楽しい人と沢山出会えていて、連載もいただけたし、わずかばかりのお小遣いもnoteから頂けているのです。正直、個人としてはこれ以上を望むのは望みすぎだと思います。

そういうわけで、私はこれからも面白いものを探して、埋めて、うっかり忘れていこうと思います。

いただいたサポートは個人活動の運用・改善の原資に充てられます。 ★サポート機能で「ブラック企業アラート」サービスを始めました!詳しくはこちらのnoteからどうぞ→ https://note.com/ubon_ratchat/n/n44eb4c6cf958