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韓国バイオレンス三連発『殺人の追憶』『エンドレス 繰り返される悪夢』『ベテラン』

パラサイトのアレからの反動で韓国映画を見たのでまとめて紹介します。とても面白いよ。

前回の韓国バイオレンス三連発

『殺人の追憶』(2003年製作の映画)

ずっと見損ねていたポン・ジュノ監督の実話ベースの犯罪ドラマ。犯人が最近になって見つかったということで話題になったという。(ソン・ガンホが「いずれ面会しに行く必要がある」と言っていたね)

陰惨な殺人、警察の杜撰さ、野蛮な捜査手法、捜査班の不和、単純暴力A++が入り交じり、事態は混迷さを極めていく。二回登場する線路のシーンが印象的であり「犯人じゃなくてもいいから殺す!」まで追い詰められた捜査班の狂気描写がとんでもない。

とはいえ、随所にある気の抜けたギャグ(笑っていいの?)や「有り得ない位置エネルギーの場所に人がいる」シーン等、見どころもたくさん。

最終シーンのまなざしが強く印象に残る作品。


『エンドレス 繰り返される悪夢』(2017年製作の映画)

また出た韓国スリラー。何度も悲劇的な一日を繰り返すことになった医師がループの原因を突き止めるため奔走する。

特徴的なのは一つの悲劇を止めようとする別の悲劇が発生するということ。運命の輪はお前を逃がしはしない。逃れ得ぬ死に対して医師が取りうる手段はあるのか、こういったところが焦点となる。

驚くべき展開のひとつとして「ループの目撃者」が登場する。「お前だけ毎回動きが違うのはなぜだ」そういう視点の人間がいる。複数視点によるループのため「主観」というごまかしが効かない脚本家と観客の真剣勝負となるのだ。

『ベテラン』(2015年製作の映画)

韓国ポリスコメディ。殺人の追憶でも批判的に描かれた刑事の暴力体質がコメディ調に描かれていく。暴力で自動車窃盗犯→ロシアンマフィアを壊滅させるのは「アシュラ」のパク・ソンベ市長でおなじみのファン・ジョンミン。めっちゃくちゃイキイキと暴力をしているので楽しい気持ちになれるぞ。

中盤からは韓国財閥の闇に触れていく展開となっている。実在した事件をモデル(なんでこんな事件が実在するんだよ)にした労働者への財閥暴力事件へフォーカスして、韓国経済からの圧力によって韓国警察は沈黙してしまう。さらに序盤で振るった暴力の反動が暴力刑事に跳ね返り行動を封じられてしまう。

どうする。暴力刑事。このまま黙ってさえいれば、裏金も手に入るし昇進間違いなし。奥様もご機嫌……とはならなかった。

奥様「おいクソ刑事、クソ財閥をぶっ殺せ!」

いけ!逆襲だ!そんな痛快娯楽作としてお楽しみいただけます。


以上です。

次はエキストリームジョブを見たいな!

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