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涙をふけない何か

家族3人で出かけている。雑貨屋で器を見ている。その店の恰幅の良い主人と仲良くなる。

ここでは子どもたちを集めて合宿をしているらしい。私たち夫婦は娘を預ける。店の人奥には大広間があった。お膳が並び子どもたちが食事をしている。娘もその中にいる。

私と妻は娘を残して雑貨屋のスペースに戻る。若い女性が恰幅の良い店主と話をしていた。女性は子どもたちの教師として赴任してきたようだった。女性は何か強く主張をしている。握った手に力が込められ、目には涙が浮かんでいる。私たち夫婦はその雑貨屋をでる。

不安がよぎりパソコンで調べると、娘を預けた団体は有名な宗教右翼だった。妻は名前を聞いても知らなかったが、私はその悪評を聞いたことがあった。慌てて雑貨屋に戻る。

雑貨屋に行くとベッドが置いてあり、先ほどの女性が目を開けたまま布団もかけず横になっている。目じりから涙が伝っている。天井に視線が向いているが意識があるかどうか見た目にはわからない。

その横のドアを入ると10人ほどの教師が大きなテーブルをぐるりと囲んで食事をしていた。子どもたちはお昼寝の時間のようだった。

正面に座っている格好の良い主人のもとに近づく。「娘のおばあちゃんが急に病院に運ばれました。危険な状態なので、娘も連れて今から病院に向かいます」用意しておいた嘘を伝えると私と妻は返事も聞かずに、その奥の大部屋へと向かう。

布団がずらりと並び子どもたちが横になっている。娘の元にいくと先ほどの女性のように仰向けに寝ている。目は閉じているが目じりから涙が伝っている。

枕元には銅板があり、娘の名前と生年月日が刻んであった。その下には判読できない文字がある。どうやららあの後にこれを作らされたようだ。なんてひどいことをと私は思っていた。

「ごめんよ。帰ろうな。」と声をかけるが娘は反応しない。私は娘を抱きかかえる。娘は棒のように体が硬直したままだった。

そのまま娘を抱きかかえ、先ほどの部屋に戻る。格好の良い店主が何か声をかけてこようとしたが、目を合わさずそのまま部屋を出る。

先ほどと同じ状態でベッドに横たわる女性を横目に雑貨屋を出る。うまく脱出できたと安堵する。だが、娘はまだ棒のようになって動かない。

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