はないちもんめに救われる可能性

こんな夢をみた。道が人で埋め尽くされている。これは危険だ。人が殺到して死者が出た事件を思いだす。僕は慌てて少しでも人の少ない道を探してあたりを見回す。

私は家に帰りたかったのだ。だがこうなると、家の方向よりも安全な道を選ぶべきだ。僕は閉所恐怖症のため身動きが取れない状況は想像するだけで目眩がする。おびただしい人の流れをかいくぐり、なんとか広い道にたどり着く。

だが、そこもまだまだ人で溢れている。まだここ安全ではないかも知れない。不安に思っていると、遠くから誰かの掛け声が聞こえてきた。 

「かってうれしいはないちもんめ」 

道行く人たちは手をつなぎ、はないちめんめが始まった。

「まけてくやしいはないちもんめ」

手をつないだ列が見渡す限り何列もあり、みんなで声を張り上げている。

はないちもんめが出来るくらいは人混みに余裕があるのか。僕は少し安心して、その様子をぼんやり眺めていた。

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