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アジア4ヵ国から届いた10月の越境ニュースキュレーション!クリエイティブカルチャー、マーケティングの最新情報 ( 2021 )

アジアのクリエイティブカルチャーやマーケティングの最新の動向について、月イチで配信する ubies Newsletter より、ubies Alliance Members を中心とした各地のパートナーが自国のニュースを紹介する News Curation のコーナーを、noteでもお届けします。

🇰🇷 韓国

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済州島と日本のローカルカルチャーの出会い - D&DEPARTMENT JEJU -

Content :
済州島に行くと"d"の形をしたロゴの前で並んで写真を撮る姿を目にする。ここは近頃話題になっているD&DEPARTMENT JEJUの現場だ。ロングライフデザインを発掘し紹介する"D&DEPARTMENT PROJECT"(代表:ナガオカケンメイ / 本社:東京)は、韓国のアラリオミュージアム&ギャラリーと共に、D&DEPARTMENTとして初となる宿泊施設"D_ROOM"を作り上げた。D&DEPARTMENT JEJUでは3つのアプローチで済州島の地域性を紹介している。1階には済州島の旬の食材で済州島の食文化を新たな解釈で伝えるd食堂。2階のD&DEPARTMENT 商店では、済州島ローカルの商品と食品、そしてD&DEPARTMENT が選び抜いた日用品と家具を販売。3階はこの建物の華であるD roomがある。ここではロングライフデザインインテリア用品とUSED家具、現代美術作品と済州の特産品で飾られたそれぞれスタイルの違う13室のゲストルームがあり、済州島の感性とD&DEPARTMENTの哲学を楽しみながら宿泊できる。

< D&DEPARTMENT JEJUで楽しめる様々な文化の空間 >
D&DEPARTMENT JEJUの小路には、アラリオミュージアムと共に協力している様々な文化、美術、産業空間がある。そのうちの代表的な空間を紹介する。

アラリオミュージアム塔洞シネマ
世界100大コレクターとして知られる、アラリオのキム・チャンイル会長が2005年に廃館となった劇場をリニューアルし、2014年10月にアラリオミュージアム塔洞シネマとして開館。コンクリート構造の骨組みをそのまま生かし、独特な空間の雰囲気を演出したのが特徴だ。"スボード・グプタ(インド)"、"ダミアン・ハースト(イギリス)"、"名和晃平(日本)"、"アンディ・ウォーホル(アメリカ)"等、世界的な作家の幻想的な作品を鑑賞できる。地下1階から地上5階まで、世界的な現代美術作品130点余りが展示されている。

PADOSIKMUL
PADOSIKMULは植物と自然を媒介とし、美術、産業、空間の境界線がないプロジェクトを進める、作家デュオかつ商号である。風に乗り海に落ち波に乗り海を渡るモクゲンジにインスピレーションを得たことから名付けられた。ショールームの他にも展示、スタイリング等、様々なプロジェクトで多くの人々にインスピレーションを与える。済州島の自然が感じられる空間を演出し、室内でも済州特有の爽やかな空気を感じることができる。

Magpie
Magpieはソウル発のクラフトビール文化の伝説だ。アメリカ人のオーナーと同僚によって作られ、アメリカンクラフトビールの真髄を見せてくれる。キム・チャンイル会長の長きに渡る説得と、彼の哲学に感銘を受けソウルから済州島に拠点を移し、共に済州島に醸造場まで建てた。韓国のクラフトビール文化に多くの影響とインスピレーションを与えたブランドだけあり、ソウルフルな味と楽しさがそのまま感じられる。

FREITAG STORE JEJU
1993年、スイスのフライターグ兄弟が、捨てられた天幕、自動車の防水カバー等でカバンを作り始めた。それぞれ異なる素材と原色カラーを合わせたデザインで、ストリートファッション界に突風を巻き起こした。韓国内ではソウルの江南店、漢南店に続き、済州島の3つの店舗で運営。済州島に来た旅行客が必ず行くべき場所として人気が高い。FREITAG STORE JEJUは塔洞の古い建物の屋上と傾いた窓枠、床のタイルをそのまま残した空間に門を開けた。植物と共に屋上で過ごすゆったりとしたショッピングの雰囲気を演出した。


🇹🇭 タイ

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👉  ความเปราะบางและความเข้มแข็งของชีวิตในงานศิลปะของ ปิยลักษณ์ เบญจดล

Summary :
ボール・ピヤラック氏はアーティスト、そしてデザインの教授であり、がん患者でもある。氏は初の個展"Fragility"を開催したその日に、3度目のがんを患ってしまった。個展"Fragility"は、彼女が2年間の闘病生活(2回目、3回目のがん)の中で制作した69点の作品を集め、ベル・カノックヌッチ・シラパウィサワクル(Bell Kanoknuch Sillapawisawakul)氏をキュレーターに迎え開催された。この展覧会は、PRACTICAL school of designのPS±Dスペースで展示されたが、タイでコロナ第3波が生じた時期と重なっていたため、来場者数はあまり多くなかった。しかし先日開催された国際アートフェア "UNKNOWN ASIA ONLINE 2021"では、再び彼女の作品が展示された。ボール・ピヤラック氏は昨年9月に亡くなったが、その作品はいまも鑑賞者に感動を与えてくれるはずだ。

Comment :
happeningの記事は、個展"Fragility"に穏やかで感情に満ちたものをもたらした。それは単なる美術展の紹介記事ではなく、アートを通じて病気や死と対峙する自らの人生と向き合い、理解している女性の物語である。誰もが避けることのできない人生の一部のことだ。これは、私たちの人生の脆さについて、記録されるに値する物語であり、そこには恐怖と痛みを伴うが、同時に希望と夢も混在する。ピヤラック氏は作品を作り続けながら、次第に人生の不規則性と共存することを覚えていく。作品が、日々をハードになり過ぎないように過ごすためのツールとなるまで。


🇨🇳 中国

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👉  "2021 Art Shenzhen" successfully concluded with more than 60,000 admissions
👉  ART021 TEAM TO LAUNCH SHENZHEN DNA ART FAIR THIS FALL

Summary :
現代アートフェア"2021 Art Shenzhen"が、9月9日より深圳コンベンション&エキシビションセンター第6ホールで開催され、成功を収めた。世界12か国28都市から72のギャラリーと美術団体が集結したが、これはArt Shenzhenが開催されて以来、最大規模である。また、深圳市当代芸術与城市規劃館(SZMoCAUP)にて、約40のギャラリーやデザイナーが参加する"DnA SHENZHEN( Design and Art )"が、9月30日から10月4日まで開催された。主催したART021は、新たなブランドを若くエネルギッシュな深圳に本格的に定着させた。

Comment :
深圳は様々なものが渾然一体となっている都市である。政策の支援、経済の発展、市場の活力向上、そして地元の人々の文化や芸術への需要が生じ続けることにより、深圳のアート市場はますます注目を集めている。このような状況に際して、より多くの芸術機関、アーティスト、コレクター、そして企業が、深圳の現代アートの発展にエネルギーを注入し、よりオープンで多様なアートエコロジーの構築に貢献することを私たちは期待している。


🇯🇵 日本

庄野 裕晃

👉  一般社団法人J.S.P運営ECサイト「UTAGE」(ウタゲ) 8月26日スタート

Summary :
全国39の蔵元が集まりつくられた蔵元団体J.S.P(ジャパン・サケ・ショウチュウ・プラットフォーム)が、酒造文化と地方文化を共に担う存在として、思いを伝えるために立ち上げたECサイトがUTAGEだ。週替わりで限定酒が登場し、毎週木曜20時にライブコマースでも販売。中川政七氏がビジネスモデルやUI/UXの企画設計、ブランドマネジメントを支援しており注目の蔵元直販サービスだ。

Comment :
新政、而今、風の森など人気の蔵元をはじめ、強いこだわりを持つ蔵元が限定セットを用意し、ライブ中継と共に週替わりで販売するなど購買意欲をそそる体験設計と、洗練されたUIにより、スタートしてから今まで発売されたすべての銘柄が完売している。日本酒・本格焼酎のD2C、ライブコマースの模範的な事例としてベンチマーキングされていくだろう。


📩 このコンテンツは、10月20日配信の ubies Newsletter vol.4 に掲載されたものです。

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