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アジアのクリエイティブカルチャーやマーケティングの最新の動向について、月イチで配信するニュースレター "ubies Newsletter" に掲載されたコンテンツを、noteでも…
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#庄野裕晃

アジア5ヶ国のクリエイティブカルチャーを振り返る Looking Back 2021 - 日本編 庄野裕晃

クリエイターオリエンテッドな世界 2021年は、あえて小さい規模で、やりたいことを自由にやっている人達から目が離せない年だった。その中から、国際アートフェアのUNKNOWN ASIAの運営を共にしてきた3名の、インディペンデントな活動を紹介したい。 私と一緒にUNKNOWN ASIAを立ち上げた谷口純弘さんは、長年勤めたラジオ局のFM802から独立後、ubiesでも活躍頂いているクリエイティブコーディネーターの笹貫淳子さんとタッグを組み、chignittaを立ち上げた。大阪

愛される存在でいるためには - ubies 庄野裕晃のコラム

"summertime"がTikTok東南アジア各国の利用楽曲1位となり、"TikTok流行語大賞2020ミュージック部門賞"を受賞した、注目のポップスバンド evening cinema。SNSスタンプDL数5億を超えるキャラクター "うさぎゅーん!"とコラボしてIPビジネスを展開するなど、領域を軽やかに超える自由な発想でevening cinemaを売り出すのは、所属レーベルAno(t)raksを傘下に持つ、グリッジ株式会社代表の籔井健一さんだ。 中国深圳で開催される世

アジア5ヵ国から届いた11月の越境ニュースキュレーション!クリエイティブカルチャー、マーケティングの最新情報 ( 2021 )

🇹🇭 タイThe Messenger Through The Twilights 👉 News 👉 VIRTUAL ART EVENT Summary : "The Messenger Through The Twilight( 黄昏を通り抜けたメッセンジャー )"は、タイの現代陶芸アーティスト5人( Piyachaiwut、Aor Sutthiprapha、Mo Jirachaisakul、Eiair )のグループの展覧会だ。キュレーターのManipa Chaiwa

誰かの人生のドラマ - ubies 庄野裕晃のコラム

言葉の壁は大きく、才能があっても海外で活躍するクリエイターは限定的だ。しかし語学に長けたクリエイターが、必ずしも国を越えて仕事ができているわけではない。越境しチャンスを得るためには、他に何か大切なことがありそうだ。 若手絵本作家の鹿島孝一郎さんは、インドネシアのグラフィックデザイン領域における第一人者 Ignatius Hermawan Tanzil さんに見出され、彼が運営するアートスペース"Dia.Lo.Gue"で開催された”Ruka Rupa Rasa”展に出店作家と

アジア4ヵ国から届いた10月の越境ニュースキュレーション!クリエイティブカルチャー、マーケティングの最新情報 ( 2021 )

アジアのクリエイティブカルチャーやマーケティングの最新の動向について、月イチで配信する ubies Newsletter より、ubies Alliance Members を中心とした各地のパートナーが自国のニュースを紹介する News Curation のコーナーを、noteでもお届けします。 🇰🇷 韓国 済州島と日本のローカルカルチャーの出会い - D&DEPARTMENT JEJU - Content : 済州島に行くと"d"の形をしたロゴの前で並んで写真を撮る

あなたはどこにいるのか - ubies 庄野裕晃のコラム

1990年の始め頃、就職を先延ばしする免罪符を得るかのようにワーホリビザを取り、カナダのトロントに滞在していた。そこには、後の人生に多大な影響を及ぼす邂逅が待っていた。サンフランシスコから来た背が高く面長なマイクと、オーバーサイズのスタジャンを着こなす小柄なキャットのふたりとの邂逅だ。 ある日彼らに「トロントを皮切りに世界中でレイヴを開いて回るんだ。一緒にやらない?」と誘われ、好奇心だけで仲間に加わり、割れた鏡とロフトのベッドしかない彼らのアパートに転がり込んだ。外壁一面に

アジア6ヵ国から届いた9月の越境ニュースキュレーション!クリエイティブカルチャー、マーケティングの最新情報 ( 2021 )

アジアのクリエイティブカルチャーやマーケティングの最新の動向について、月イチで配信する "ubies Newsletter" より、ubies Alliance Members を中心とした各地のパートナーが自国のニュースを紹介する News Curation のコーナーを、noteでもお届けします。 🇯🇵 日本 👉 みんなの銀行、「Red Dot Design Award」で最優秀賞を受賞。UIやイラストなどが評価 Summary : ミレニアル世代、Z世代といった

越境を支えるエージェントの条件 - ubies Newsletter 庄野裕晃のコラム

クリエイターのエージェントを始めて20余年になる。依然として、日本でこの仕事は馴染みがなく、業界内ではレップ(Representative = 代理人の略)と呼ばれたり、マネージャーと誤解されることもある。無理もないのだが、自分がそう認識されるのは、実はかなり抵抗がある。 交渉や調整などを代行するのは、たしかに重要な役割のひとつだ。でもそれだけだと、クリエイターのエージェントとしての存在意義は薄い。 クリエイターにも企業にも、特有のカルチャー、思考や背景といった無数のコン

3万年前も、2021年の今も - ubies Newsletter 庄野裕晃のコラム

アジアでの仕事が最初からすべてが上手くいくことなんて、ほとんどない。いくら現地の優れたクリエイターを起用するといっても、狙った成果が得られる保証はどこにもない。これは越境プロジェクトの現実だ。それでも、ubiesがこれまでやって来られたのは、一体なぜなのか考えてみた。 News Curationでも取り上げたが、その昔、危険を省みず、未知の島であった日本を目指し海を渡った人たちがいた。必要に迫られたわけでもないのに、彼らを突き動かしたのは "新しい世界を見てみたい" という