アジア5ヵ国から届いた11月の越境ニュースキュレーション!クリエイティブカルチャー、マーケティングの最新情報 ( 2021 )
🇹🇭 タイ
The Messenger Through The Twilights
Summary :
"The Messenger Through The Twilight( 黄昏を通り抜けたメッセンジャー )"は、タイの現代陶芸アーティスト5人( Piyachaiwut、Aor Sutthiprapha、Mo Jirachaisakul、Eiair )のグループの展覧会だ。キュレーターのManipa Chaiwanが、全てのストーリーを一つに繋げている。本展覧会では、歴史を受け継ぐ材料として土を語る。陶器は、粘土、石を含め、考古学者と地質学者が分析に用い、多くの世代を経た世界と人間文明の過去を調べる上で良い証明となる。つまり陶器は、過去の人類の生活を分析して全貌を明らかにする記録の一つだ。"The Messenger Through The Twilight"では、過去から現在、そして未来に至る世界に目を向ける意味について表現する。時を超える媒体として、陶器素材でストーリーを伝えること。私たちは過去を認識して、未来にメッセージを送ることができる。特に、私たちは"人新世"の時代にいる。この時代は、人間の痕跡が世界を不可逆的に変え、何らかの破滅へと導く。本展示会では、世界滅亡の前後の遷移をアーティスト5人が様々な文脈で解釈する。
Comment :
私がこの展示に注目するのは、現代陶芸アーティストが一同に集まったショーを見るチャンスがほとんどないからだ。ステートメントである「土は自然の地球の起源であり、生命の湿潤剤として考えられる」の全体像を創り上げる各アーティストの作品は賞賛を持って受け入れられている。また、土には物理的な状態の魔法のような不思議さがある。例えば、焼成過程の特有の熱エネルギーによって、弾力がある状態から持続的に硬い状態へ変化する。陶器などの日常使用器具は、その後、各世代の過去の文明に遡れる考古学の効率的な証拠として認められている。つまり、 メディアとメッセージであるという意味では、陶器は未来に完璧に繋がるベルトコンベアとして優れている。きめ細かな天然土の一種である粘土、そして、生命の起源として魔法的な特性により現代文明の証拠を運び制作した陶芸アーティスト5人により、この展覧会が始まった。自己流の陶芸による様々な文脈で世界、人類、生活の条件に関する考えを紹介する。
Aor Sutthiprapha “本質”
人々は、このような器を長い間、数多く使用してた。それらはあまりにも一般的になり、当たり前のものとして考えられてきた。食事利用という本来の目的を超え、今や陶器の器は、裕福さを見せつけるため使われている。このような歪んだビジョン、誤った見方は、いまや人々を苦しめるまでになった。脆い器は踏まれて壊れ、結果として道を歩くことが危険となった。だが時が経つと共に、状況にさらに注意を払うようになる。壊れた器の破片は次第により細かな破片になり、密になるのがわかる。この道を歩くことは、もはや不安定なことではないのだ。
Pim Sudhikam “石になった結び目”
硬化した粘土の結び目は、呪われたような石になる。元に戻したり、解くことは誰にもできないということだ。このような石になった結び目に遭遇した不安に圧倒されると、選択肢は2つしかない。結び目をそのままにするか、変化のために粉々にするかだ。分別を吹き飛ばされたように、提供された不要な選択だけがある。ここで「解くのは簡単そうだが、そうではない」という強調と並置である。行き止まりになったら、前にいた方法に戻すことは不可能だ。
Eiair “寄せ集め”
新しい種の具現化のプロセス、身体組成、組織、遺伝物質は、創造の部屋で分解され貯蔵される。それから、手びねりの磁器により選択されて組み立てられる。単純なテクニックだが、様々な擬人化の表現のため、念入りに洗練されている。
Mo Jirachaisakul “エクス・マキナ”
ホモサピエンスの文明、サピエンスは、足し算と正方形で創造されたと認識されている。疑問は、次世代の人類がCNC(コンピューター数値制御)の創造者に影響されて、引き算と円から文明を作ったとしたら、何が起こるか。
Wittawat Piyachaiwut “もう一つのもの”
本シリーズの作品は、腕と足の組織、模様、色、記号、付属器官で区別される生命のような球体形状の創造だ。各作品のこのように多様な外見は、生物が構成される類似性と非類似性の状態を意図的に創造した。
🇨🇳 中国
👉 深セン湾アートイベント「12th Shenzhen Fringe Festival 深圳湾艺穗节 2021」開催(11/10-21)
Summary :
Shenzhen Fringe Festival が今年も開催される。"FRINGE THE CITY"をスローガンに掲げたShenzhen Fringe Festival 2021は、"FRINGE STAGE 艺穗大戏"、"FRINGE LIVE 艺穗大舞台"、"FRINGE BUS 艺穗巴士"、"FRINGE SHOP 艺穗町"、"FRINGE IN TOWN 艺穗在古城"、"FRINGE ONLINE 艺穗在线"、"FRINGE VISION 艺穗新视野"の7つの素晴らしいセクションで構成される。11月10〜21日までの11日間、目を見張るパフォーマンスの連続で、すべての人と場所にアートを届けたい。
Comment :
2010年のShenzhen Fringe Festivalのスタート以来、常に"Art Everyone, Stage Everywhere(どこでもステージに、みんなでアートを)"が私たちの信条となっています。この11年間私たちは、創造性、驚き、市民参加を追求し、都市生活の様々な形を芸術的なパフォーマンスに統合し、文化と芸術と人の間の、コミュニケーションとつながりの促進を目的としてきた。今年のパフォーマンスでは、劇場、広場、通り、公園だけでなく、バス、本屋、喫茶店など、身の回りの日常的なスペースや会場も舞台となる。会場の境界を越え、新しいアート体験を創造し、都市文化への浸透を試みる。この12年のサイクルの中で、私たちはそれぞれに、FRINGEに対する理解や記憶が異なっていると思う。しかし、アートを身近に感じられるようになることが、私たち全員の期待でもある。私たちは皆さんにこの素晴らしい道のりに参加していただき、すべての人をアートでつなぎたいと考えている。Let's FRINGE THE CITY!
🇮🇩 インドネシア
👉 Bersama
Summary :
"Bersama"はパンデミックの期間に偶然出会い、拠点とするケマンにウォーキングのコミュニティの新たな空間を作った、3名のクリエイターによるコラボ作品である。このパブリックアートのインスタレーションは、アートとデザインの地区、ケマン12730に対する私たちの支援の一環だ。
Comment :
"Bersama"は、ケマンをより創造的でダイナミックなコミュニティ及び環境にするため、ポジティブなエネルギーを提供し、それを広め、一体感を醸成することを目的とした公開インスタレーションだ。このインスタレーションはアートとデザインをより密接に結び付け、ケマンとその環境からインスピレーションを得ている。またこれはケマンの人々がより広いコミュニティのために作り上げたものであり、一般の人々が楽しめるようにもなっている。人々が、そしてより広いコミュニティが"Bersama"にポジティブに反応し、新型コロナウィルスパンデミックの中、私たちの結束の精神が高まってほしいとの願いが込められている。
🇯🇵 日本
👉 CIRCA x Dazed Class of 2021
Summary :
ソーシャルディスタンスを保ちながら野外空間で観賞できるアートを提供するため、2020年10月にロンドンでスタートしたプロジェクト"CIRCA(サーカ)"。毎月1名、デイヴィッド・ホックニーやアイ・ウェイウェイなどの著名なアーティストが、CIRCAのために新たにオリジナル作品を創作。ロンドンにある欧州最大の街頭ビジョン"ピカデリーライツ"の他、ニューヨーク、ソウル、そして東京の屋外大型スクリーンやオンラインで公開されている。CIRCAとイギリス発のファッションカルチャーマガジンDAZEDによる"CIRCA x Dazed Class of 2021"は、ショートムービーのコンテストとして開催され、世界中の若手アーティストが参加。2000件の応募の中から選ばれたファイナリストによる30作品が、CIRCAのサイネージにて9月1日から30日にかけて、日替わりで上映された。そして、ファイナリストの中から選出される優勝者には£30,000が授与される。
Comment :
原画とは違う感動を与える体験を模索する中で、強いインパクトや没入感を与える巨大モニター、プロジェクションマッピング、VRなどとは異なるアプローチで、デジタルサイネージでのアート鑑賞に新しい価値を持たせるこのコンテストに出会った。アイ・ウェイウェイ、デイヴィッド・ホックニーなど、CIRCAに参加したアーティストのプリント作品販売によって生み出された利益が賞金となり、優勝者に提供される。コロナ禍であることをきっかけに、著名アーティストが共感し自らのプリント作品を販売することでお金を集め、若手アーティスト支援にそのお金が使われる循環型のエコノミーが設計されている。また、国を超えて繋がり、都市中心部の最大もしくは最大級の屋外サイネージでアート鑑賞できるという試みと合わせて、新たな才能発掘とアート体験のフォーマットとして注目している。
🇰🇷 韓国
2022年、韓国へ行くなら絶対に訪れるべき都市「麗水(ヨス)」
Contents :
麗水は韓国の南側の海に面した海岸都市だ。全羅南道と慶尚南道の境界となる中間地点で、美しい海岸と島、そして美食の都市として有名だ。これまでは漁業と昔ながらの旅行都市として親しまれてきたが、2022年、MZ世代(20~30代)の間で最も話題に上る都市として、麗水は注目を集めている。美しい岸壁にインフィニティプールのあるホテルが並び、海の絶景を背景に様々なカフェやレストランが次々オープンしており、ここ数年、数多くのSNSスポットが誕生した。その他、都市のあちこちにある数多くの地元飲食店も素晴らしい。麗水に行くなら外せないトレンドスポット8ヵ所を紹介しよう。
ドルゲレコード - 全羅南道麗水市博覧会キル1 エキスポD棟3階
BLACKPINK、aespa、BIGBANGなどのミュージシャンの聖地で有名な梨泰院のウムレコードが作ったsouthcoastレーベル。ブルーオーシャン、アイランド、プールサイド、眩しい海岸を象徴するシティポップとAORジャンルがメインのレコードショップ&バーだ。5年連続ミシュランに選ばれたフレンチシャルキュトリのレストラン、ランパス81とコラボレーションしたフレンチタパスと軽快なナチュラルワインが楽しめる。
サンベッド - 全羅南道麗水市五川洞75
市内から車で15分ほど離れた美しく小さな毛沙金海岸に位置するカフェ&ペンション。海辺を庭として活かし、東南アジアの風景がそのまま表現され、プーケットやバリにあるカフェに来ているような雰囲気が味わえる。手作りハンバーガーと南国情緒あふれるカクテルがおすすめだ。
小雪53 - 全羅南道麗水市中央洞キョトンブクキル10
デザインホテル<小雪>が直営する一軒家の宿。長年薬局として運営されてきた日帝時代の近代建築物を再解釈し、まるで日本の地方都市にある武士の邸宅を連想させる造りだ。麗水旧市街の狭い路地に位置するこの宿は、2階に多様なスペースを設けており、プライベートプールも備えている。
Moifin - 全羅南道麗水市突山邑ムスルモクキル50
絶壁を削って作ったユニークなカフェ。麗水突山島に位置するこのカフェは、4階建てのスペースが海岸絶壁の下につながっている。各階へはエレベーターでの移動が可能だ。ドリンクバーとベーカリーバーが各階に分かれており、麗水の海が一望できるベランダが気持ちよく広がっている。
蓮燈川21番屋台 - 全羅南道麗水市喬洞市場1ギル15-10(屋台通り)
数十年間麗水の夜の海を任されてきた蓮燈川屋台通りに位置する屋外バー。麗水の奥深い雰囲気を味わいたいならここがおすすめだ。口数少ない女性社長が作る豪快な麗水の海産物の旬の料理に、この地域の焼酎を一緒に添えた味は格別だ。麗水を貫いて流れる小さな川辺が調和し、より一層の風情を醸し出している。
ラテラスリゾート - 全羅南道麗水市突山邑平沙里1405-12
麗水の有名なインフィニティプールの中でも最も人気を集めるスポット。麗水の美しい海岸が一望できる様々なスタイルの客室と3つの大型インフィニティプールを備えている。子供が利用できない大人専用プールが別途用意されているので、比較的ゆったりと休息が楽しめる。
ブルーヨット - 全羅南道麗水市水晶洞777-1(Uトップマリナホテル&リゾート)
麗水の青い海を最も身近に感じられるヨットセーリングサービスカンパニー。定期的な運行と画一的なサービスをやめ、人数と目的に合わせた多様なプライベートサービスを提供している。定期旅客船が周航していない麗水周辺の小さな島々を回る"スモールアイランド"周航は、ブルーヨットでのみ楽しめる。希望に合わせて様々なジャンルの飲食物を用意してくれるのもまた素晴らしい。
マティユホテル - 全羅南道麗水市公和洞梧桐島路20
麗水で最も古い麗水観光ホテルを改造したブティックホテル。それぞれ異なる大きさの42の客室が特徴的な造りとなっている。かつて遊興飲食店だった地下はギャラリーとブックストア、そしてデザイン編集ショップとして運営されている点も興味深い。1階のメインビストロである"パダチウム"は麗水の新鮮な食材を活かし韓中日の3名のヘッドシェフが様々な料理を提供している。