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吸気口に換気扇を取り付けるにはどうしたらいいのか? 【その5・3Dプリンタで試作編】

【追記&お知らせ】
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【その4・3Dプリンタ導入編】の続きです。

 『隔離・換気扇』は、アタッチメントと換気扇本体の2点で構成されます。このふたつを3Dプリンタで試作します。(´∀`)9

 設計は方針は以下の通り。

(1)誰にでも簡単に取り付けできること。
(2)お部屋に馴染む、シンプルなデザインにすること。
(3)できるだけ小さくすること。

まずはアタッチメントの設計

 誰にでも簡単に取り付けできるように、アタッチメント方式を採用したのですが、さて、どうしたら誰でも簡単に取り付けできるものになるか。

先人の知恵を借りる

 身の回りのある製品ーー扇風機や空気清浄機など、実際に「誰でも簡単に取り付け(取扱い)できる」物を参考にしました。エアコンの前面カバー。換気扇の前面カバー。扇風機。パソコンの内部。さらには製品の素材もチェック。ABS素材。PP。ポリプロピレン。>PP<。エトセトラ……。さらに自分の経験を元を頭を捻ります。取り付ける給気口を見つめながら(倒置法)

 この作業、小説を書くことと似ていると思いました。

 小説ってゼロから物語を創造していきますが、作者という人間の土台の上に積み上げるように創造(クリエイト)していきます。だから完全にゼロからではないんですよね😃

 換気扇という、ありふれたものを土台に、まったく新しいデザイン、設計を創造(クリエイト)する。

 モノ作りに携わる人も作家、クリエイターなんだなぁと。

話が大幅に逸れていますが、アタッチメントです。

 アイデアをメモしたり、紙に手書きで図面を引いてみたり、とにかく頭を捻ってイメージを作り上げます。それをせっせと3Dモデルで引いて――

そうして出来上がったアタッチメントがこちら!😚

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 これは、吸気口と換気扇を接続させるためのアタッチメントです。右側が上になります。内側の四角の中に吸気口が収めます。方眼が刻まれた面がそのまま壁とイメージしてください。

こちらは換気扇本体のモデリング

画像2

換気扇本体の裏から見た状態です。

 左右の側板がないのは、3Dプリント時間を短縮するためですが、それでも5時間ばかりかかる。側面まで印刷すると、印刷時間が9時間くらいになってしまいます。試作品なので見た目は気にしない。強度確認に必要な部分だけ造形。むしろ、気密スポンジの形状をみるためにシースルーの方が良いのです。

 んで、3Dプリンタで印刷したものを実際に吸気口に取り付けてお見せすれば、文字通り一目瞭然なのですが、廃棄しちゃいました……😅

 基本的に最新版しか保管していません。

 アタッチメントだけでも11種類作成しました。亜種も含めると20種類くらい。これを全部3Dプリントすると結構な量になります😣

画像3

 この写真の30倍くらい印刷しました。印刷して実際に試しては廃棄。印刷して試しをひたすら繰り返す。保管場所がない……😖

ということで、図面でご説明します。

機構図面

 上部のフックに本体が側の棒をひっかけ、その棒を軸にしたに下げおろして、下部に配置した爪にカチャンとひっかけ、固定する。

 フックにひっかけることで、ハマルようにしかはまらない構造。どこかで見かけたことありませんか? エアコンとか換気扇とか。あと車のハッチバック。というとで、これをハッチ機構を呼びます!

しかし、ハッチ機構と、コロシアム型・気密スポンジの組み合わせは、構造上の不都合が……。

 コロシアム型・気密スポンジはその構造上、斜め上から吸気口に接続すると、均等に密着してくれず、ともすると内側に折れ込んでしまい、隙間ができる可能性がある。

気密1

 吸気口に対して、垂直に真っ直ぐ接続するのがベストなんです。垂直なら気密スポンジの構造上、必ず外側に広がります。外側に広がれば均一に密着して気密がしっかり取れる。コロシアム型形状にした、本来の目的が100%果たせるのです。

気密2

 図面上ではなんとかなりそうに見えますが、どんな人でも、どんな場所でも、どんな給気口でも、ちゃんと使える商品にしたいのです。

 ということで、悲しいけど、ハッチ構造は思い切って破棄としました😭

 ハッチ機構は破棄と決定するまで、2週間くらい。2週間がパーになっちゃった……。いや、2週間がんばったから、破棄すべきとわかったんだ!

という事にして、次回のnoteにつづく!

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