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「社会運動」(ソツィアルニィ・ルフ、Sotsialniy Rukh:SR)とは?

ウクライナの民主主義的左派アクティビストの集まりです。2014年の「マイダン革命」に参加した独立左派、労働組合員、フェミニスト、学生ら左派系のアクティビストや研究者らが2016年に結成しました。主な拠点は首都キーウ、東南部の鉄鋼のまちクリヴィー・リフ、東部の大都市ハルキウなどです。メンバーの多くは若い人たちで、鉱山労働者、学者、学生、看護師、運輸・建設労働者、IT技術者、芸術家、ジャーナリストなど80人ほどが参加しています。

コロナ禍での過重労働の改善を求める看護師の運動支援など、労働運動への参加を中心に、IMFの不当債務の帳消し、LGBTQ+運動、反ファシズム、気候正義など、幅広い社会テーマに積極的に関与し、欧州の進歩的労働組合や政治組織とも交流を重ねてきました。

侵攻直後にはロシアの社会主義グループと共同で反侵略と抵抗を訴える声明を出しました。その後も、メンバーの一人ひとりがそれぞれの地域で侵略への抵抗や相互扶助の仕事を担いつつ、ウクライナの抵抗の意義を積極的に世界に訴えています。また、欧州の労働組合と連携して「国際連帯労組キャラバン」に取り組み、東部の被害地域で支援物資を配布しています。同時に、戦時下に画策されている労働規制の緩和や労働権の制限にも毅然と反対しています。彼らは自決権を掲げて侵略に抵抗するとともに、ウクライナに人間的な社会をつくるために闘っているのです。

「社会運動」のサイトは「‘SOTSIALNYI RUKH’: WHO WE ARE?」(https://rev.org.ua/sotsialnyi-rukh-who-we-are/)で検索すれば見つかります。他に久下格さんのnote(https://note.com/aoisora_org/)やサイト「かけはし」の「ウクライナ特集」(https://www.jrcl.jp/region/ukraine/)が「社会運動」の声明類を精力的に紹介しています。

「私たちは、すべての人が住宅、手頃な医療、安全、そして明日の安心を手に入れる権利を持っていると信じています。生存について日々考える必要のない人間だけが、創造的能力を十分に発揮し、政治的プロセスに参加し、尊厳のある人生を送ることができるのです」(「社会運動」サイトより、「ウクライナに民主的社会主義を」)

「ロシアがキエフを抑え、その占領政権を据えるとしても、われわれはそれに抵抗するつもりだ…それゆえ私の最後の言葉は、ロシアの民衆に向けられる。急げ、プーチン体制を打倒せよ、と。それこそがあなた方の利益であり、同時にわれわれの利益でもあるのだ」(「社会運動」メンバー、タラス・ビロウス「西側左翼へのキエフからの手紙」より)

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