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資料:ロシアによるウクライナ侵攻2周年に際しての声明(欧州ウクライナ連帯ネットワーク)

解説:「ウクライナ連帯欧州ネットワーク(European Network in Solidarity with Ukraine ENSU)」は、「ウクライナの左翼と社会運動、そしてロシアの平和運動と連帯する」ことを掲げるネットワークで、政党、労働組合、左翼組織、個人を結んでいる。フランスを中心に、イギリス、ドイツ、オーストリア、ベルギー、トルコ、アメリカ、ウクライナ、さらにバングラデシュのグループも参加している。ENSUはこの声明への団体賛同を世界に呼びかけている。サイトはhttps://ukraine-solidarity.eu/ ツイッター・アカウントはhttps://twitter.com/EuropeanWith

■ロシアによるウクライナ侵攻2周年に際しての声明

欧州ウクライナ連帯ネットワーク
2024年2月10日

2024年2月24日で、ロシアによるウクライナへの全面侵攻から2年となる。この全く不当な侵略によって、少なくとも2万人のウクライナ市民と10万人以上の兵士の命が奪われた。何百万人もの人々が国外への避難を余儀なくされ、さらに何百万人もの人々がウクライナ国内で避難生活を強いられている。

侵略者は、都市全体と電気・暖房網、学校、病院、鉄道、港などの民間インフラを破壊し続けている。ロシア軍はウクライナ人(兵士も民間人も)を大量に殺害している。性暴力は侵略者の戦略の一部を成している。子どもを含む多くの人びとが、ロシアやベラルーシに強制移送されている。

プーチン大統領、ロシア政府、ロシアにおける主要な政治勢力、宗教指導者、メディアは、ウクライナ人の独立への権利と国家の存立、外交上の選択の自由を否定する帝国主義的アジェンダを推進している。

ウクライナの人々は、この侵略の受動的な犠牲者になることを拒否し、武器を取って、あるいは武器なしで、侵略に対する大規模な抵抗を行っている。草の根の自己組織化(労働組合、フェミニスト組織、人権団体を含む)は、国の防衛と、自由で社会的かつ民主的なウクライナを求める闘いにおいて、重要な役割を果たしている。

しかしながら、米国議会での共和党によるウクライナへの資金援助の阻止に代表される複雑な世界政治情勢を考慮すると、ウクライナ人の軍事的・市民的抵抗を支援するための行動は、これまで以上に必要である。

ロシア政府は、自国の軍事産業のリソースを70%増加させた。それに加え、民間の傭兵部隊や大砲の餌として動員される連邦の最貧困層に戦争を受け入れさせるためのさまざまな補助金を必要としている。プーチンはまた、西側諸国の「民主主義的」レトリックの偽善性を利用して、ウクライナでの自らの犯罪から目をそらさせようとしている。

だがその同じときに、(欧米では)ウクライナ民衆との連帯は、「ウクライナを助けるために」として社会予算の削減や軍事予算の恒久的な拡大を正当化する主流派言説のために損なわれつつある。

社会的かつエコロジカルな緊急事態への対応を求め、平和を求める願いは正当である。だがそれはウクライナ人の生命と権利を犠牲にするものであってはならない。そうではなくて、政府支出の透明性への要求と、それぞれの国でもグローバルにも進む軍事化と社会的に退行していく経済政策への拒否に向けられるべきである。

ウクライナは、侵略者を撃退する上ではNATOが供給する武器なしに勝利できない。しかしプーチンに対する最終的な勝利がもたらす最も大きな意義は、世界支配をめぐる大国間闘争における西側諸国の勝利ではなく、ウクライナ民衆の不屈の抵抗と未来を決める権利の勝利である。それはすべての小国と民主主義の原則にとっての勝利となる。

私たちは、2月24日前後の1週間(19日から25日)を、ロシアの侵略に対抗し、ウクライナと連帯して国際行動を行う時期とするよう呼びかける。

ウクライナに平和を。ロシアの戦争を止めよう!ロシアの空爆を直ちに中止させ、ウクライナ全土からのロシア軍の撤退を! ロシアの侵略に対するウクライナ国民の正当な抵抗に対し、可能な限りの支援と連帯を!

この声明に賛同する団体は、次の連絡先までご連絡ください。
info@ukraine-solidarity.eu

声明の原文はこちらに Statement On Second Anniversary Of Russian Invasion Of Ukraine (ukraine-solidarity.eu)

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