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役員からの転職 ――異業種でのアンラーン

Ubie株式会社のグロースチームUbie Customer Science(以下、UCS)でCustomer Success(以下、CS)をしている松下です。

前職はERPベンダーであるワークスアプリケーションズ社に約12年ほど在籍し、顧客である大手企業向けにアカウントマネジメント、導入/保守サポート等を担ういわゆるCS部門を管掌する執行役員を務めておりました。2022年4月よりUbie株式会社でCSとしてジョインしたわけですが、「役員ポジション捨ててまで何故Ubieに…?」と問われる事が多く、本稿では今回転職に至った経緯についてお話しします。

この記事は私と同じように
・テクノロジーの価値をもっと社会に届けたい方
・非医療事業に携わっている方
・自身の経験を社会に適したアウトカムに変換したい方
に向けて、少しでも何か届くものでもあればと思って書いています。

30代半ばになってから少しずつ感じていた焦り

改めて自己紹介も兼ねて、これまでの職歴について触れておきます。
前職では入社時から顧客の保守サポート業務に携わり、退職に至るまで12年の間に様々な変化はあれど、一貫して顧客の製品利活用をご支援する役割を担っておりました。
2021年からは執行役員として、アカウントマネジメント、プロジェクトコンサル(オンボーディングチーム)、問い合わせサポート、カスタマーマーケティングの部門を統括しておりました。人員数は最大120名程度。
身に余るポジションを任せていただき、信頼できる数多くの同僚にも恵まれていたと思います。

顧客は主に大手企業のバックオフィスでしたが、クラウド化と共に様々な分野でシステムのスモールサービス化が進み、昨今では大手企業でも使われるような完成度の高いサービスも徐々に増えつつあります。一つのシステムに情報を集約、統合的に管理するERPという在り方にも、変化が求められるようになってきました。

入社して10年程が経過した頃にそうした外部環境の変化に晒される中で、少しずつ焦りを感じるようになります。
 今のやり方でこの先も通用するか?
 ITベンダーとして社会に十分な価値貢献ができているか?
 自分自身の成長も鈍化していないか?

そして他と比較した時に自社および自分はどういうポジションなのか、客観的に知りたいと感じるようになりました。

なぜUCSに?

主にSNSを通じて、あえて事業ドメインを絞らずに色んな企業の方とお会いし、情報交換をさせていただきました。その過程で、大手企業のバックオフィスとは比にならないくらい、レガシーなやり方で業務が行なわれている業界が多く存在している事実に直面します。医療業界もその一つでした。

いわゆるヘルステックと言われる企業は数多く存在しますが、とりわけUbieの描くビジョンとチャレンジの大きさは突出していました。「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」 をミッションに掲げ、全人類をスコープとしています。それも荒唐無稽なビジョンではなく、医療従事者の業務効率化をサポートするWeb問診票サービスである「ユビーAI問診」と、生活者の適切な受診行動をサポートするWeb医療情報提供サービス「ユビー」を有し、具体的なマネタイズとスケールの戦略に裏打ちされたものでした。

またnote記事等で、これから事業拡大を図るUCSにおける様々な試行錯誤を拝見し、自分が感じていた焦りの本質も理解出来てきました。前職では、素晴らしいプロダクト、顧客基盤、人材に恵まれた状態で組織運営をしていましたが、これらを築き上げる過程の経験値が足りていませんでした。今後望むと望まざるとにかかわらず求められる変化への適応において、それが”足かせ”になるのでは、と感じていたのです。

Ubieの描く事業のスケーラビリティとUCSの積極的な変化と学びの姿勢に触れ、気付けば自分自身の次のフィールドとして魅力を感じていました。
「なぜあえて畑違いの業界へ?」と聞かれる事がありますが、色んな業界の方とお話しする中で、「業界は異なれどCSの本質的な在り方は変わらない」という確信を持っていました。むしろ異なる業界だからこそ社会に対する価値創出のシナジーや自身の成長機会が生まれると期待していましたし、実際入社してみて改めて感じています。(詳細は後述)

実際どう?

医療機関向けSaaSである「AI問診ユビー」のCSとしてお客様と接する中で、「診察時間が短くなった」といった多くの有難いお声をいただき、微力ながら導入医療機関の方々にお力添えを出来ているという手応えを感じています。
一方で、外来業務におけるニーズをプロダクトとして拾い切れていない点は否めませんし、AI問診が導入医療機関に価値発揮出来る領域はまだまだ多く残されています。導入医療機関の先生、看護師、受付の方が何に困っているのかを理解し、解像度高くかつ早くエンジニアにフィードバックし、高速で改善のサイクルを回す事が、今の事業フェーズにおいて何よりも重要です。

UCSという組織はスケールすることを目的に編成された組織であり、事業拡大と並行して、その蓋然性を高めるための仕組み化、ナレッジ化に重きを置いている点も一つの特徴です。

UCSには大切にしているValueの一つに「Everchanging Monsters」というものがありますが、今後入社される方々も含む組織全体でパフォーマンスを発揮できるようにするため、個の多様性を受け入れ、学び、共有していく事をごく自然に行なっている事が、この組織の最大の強みでもあります。
(UCSのValueはこちらの記事をご参照ください「Ubie Customer ScienceがValueをアップデートした理由とその方法」)

私自身、医療業界に関する知識、知見は同僚に教えてもらいつつ、CSに関するノウハウは私からも共有させていただき、UCSならではのやり方を模索しています。
一例ですが、前職のERPの導入プロジェクトでは、その影響の大きさから稼働遅延リスクを最小限に抑えるため、導入プロセスの標準化とヘルスチェックの運用を徹底していました。
翻ってAI問診の導入においては、相対的に稼働遅延による影響が小さいので、そこまで厳密なプロセス管理は行なっていません。ただし、導入効果の再現性を高めたり、導入を通じたナレッジ蓄積やプロダクトへのフィードバックには、やはり最低限のプロセスは必要なので、プロセス管理の水準を下げてローカライズを行なっている最中です。

その他、顧客毎のアカウントプランやバイヤー開拓、ヘルススコアなど、こうしたCS活動におけるノウハウは、顧客特性や事業内容、組織のレベルに応じてローカライズすることで、汎用的に使えることが分かってきました。それは私自身の学びでもあり、異なる業界に飛び込んだからこそ貢献できる価値であると実感しています。

ちなみに私事ですが、実は今年の4月に第一子が産まれました。
なので入社と出産がほぼ同じタイミングで、これについては後に育児の大変さを痛感して若干後悔する事になるのですが(笑)、同僚の育児に対する理解の深さとフォローの手厚さには大変助けられています。オファーをいただいた段階で、その点についてもコミットしてもらえたのは大きかったです。
子供には健康に育って欲しいと、親なら誰しもが願う事だと思いますが、微力ながらその未来の一端を担えている事にも誇りを感じています。

(余談)気になる転職後の懐事情

「スタートアップへの転職って生活レベルを落とさないといけないんじゃないの?」
と不安に思われる人もいると思いますし、ご家族の理解を得るのが難しいというお話もよく耳にします。それぞれご家庭のご事情があるのであくまで参考までに、少しだけ生々しいお話を。
私の場合、夫婦共にそれほど物欲はないので、普段必要な費用は生活費とたまに美味しいものを食べたり旅行したりするくらいで、これ自体は転職前後で特に変化はありません。残った給与所得は全て運用に回していましたが、転職後は運用に回す分が減った一方で、入社時の条件としてSOを付与されている(※)ので、将来期待値としての評価はむしろ上がるよね?という話を妻として納得してもらいました(笑)
※入社時の条件によります。

なお、事業をスケールさせる上で組織も人も成長が必須ですので、最近では社員の報酬レベルを上げるための制度見直しも進んでいます。

最後に

前職で取引していたような大手企業では、ITは業務と切り離せないくらい浸透していましたし、労働環境としては一昔前と比較してもかなり改善が進んできました。一方で、医療現場においては非効率な書類作業によって長時間労働が常態化しており、日本が世界に冠たる国民皆保険制度の維持には医療現場の働き方改革が待ったなしの状況です。
こうした状況にこそ、テクノロジーがその真価を発揮すべきではないでしょうか。そしてそれを一早く医療現場にお届けするのが私たちUCSのミッションです。

UCSのミッション

UCSには様々なバックボーンを持った優秀な人材が多数在籍しており、日々の切磋琢磨の中で37歳でも成長する喜びを感じています。

そして一緒に成長できる仲間を積極的に募集しています。
着実にキャリアを築き上げてこられた方にこそ、是非その知見をお貸しいただきたいです。その豊富なご経験によって確実に解決できる社会課題が、ここにあります。

少しでもUCSにご興味がございましたら、お気軽にご連絡ください。心よりお待ちしています!


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