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あの日のお盆のラプソディ


この時期は少年時代を思い出す。実家のお盆は大忙しだった。親戚が集まる家だったんだ。8/13~15の期間、ウエダ家は旅行に行ったことがない。家にいなければいけなかった。お客さん(親戚)が来るからね。


中学生のころは、ほんと、いやで。


親戚は酒飲みばかりだからうるさいのなんのって。人の家に行くときはご飯時って外すでしょ。うちは違ってね。おばあちゃんが食堂をやっていたから、みんな料理を食べたいんだよ。たとえご飯を食べてきたとしても、山ほどの料理をつくってもてなすのがおじいちゃんとおばあちゃんでした。逆に食べないとおばあちゃんはガッカリします。


美味しい料理とお酒。大宴会です。親戚はおじいちゃんとおばあちゃんの兄弟とその子と孫たち。大人は宴会で、子どもは私が相手をするんだ。だいたいゲームをやっていたね。もっと小さい子はレゴブロックで遊ばせていました。


一時期はそれがうっとうしくて。反抗期だね。「なんでおれがポケモンの話をせなあかんねん」って感じです。


ある年、私はこじらせててさ。「ヤスー!お客さん来たでー!」とおばあちゃんからお呼びがかかっても、部屋の中にいて大音量でベートーヴェンの第九を流していました。おやおや。しぶしぶ出ていくスタンス、みたいな。


まぁ、それでも血なんでしょうね。はじめはうっとうしくても、やっぱり盛り上げたいんだよ。本気でマリオカートをやってました。接待プレイだけど負けたら「チッキショー!」と悔しがったりしてさ。


私が20歳をすぎても子どもたちの相手をするのは変わらない。「新しいポケモン、クリアしたで。ヤス兄ちゃんはどこまで進んだ?」って、おれポケモンやらねーしと思いつつ、話に乗ったりしてね。私の妹もいっしょにいたんだけど、妹には「宿題おわった?」とか聞いてたな。うちら小学生ちゃうぞ。(妹も20歳はこえてた)


「そろそろ帰るでー!」と子どもたちの親が呼びにきても、まだまだゲームで遊んでいたいからしぶるのよ。(いや、もう勘弁してくれ)と思うんだけど、子どもは元気だ。


「じゃあ、そのゲームあげるわ。家でゆっくりやり~」


そしたら電光石火で帰るんだよ。調子のいいやつらだ。まぁ、楽しんでくれたらそれでいい。


その子たちも今は大きくなって、私と一緒にお酒を飲んで盛り上がってます。いつもね、いろんなお酒をお土産に持ってきてくれるんだよ。感慨深いったらありゃしない。


明日、また親戚が集まります。30歳を過ぎたあの子らに私はこう言うんだ。


「ポケモン、クリアした?」


今日も読みにきてくれてありがとうございます。二日酔い薬を買っておこう。


◆66日ライティング×ランニング〜シーズン2 《48日目》

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《こちらはシーズン1》

ひとりでなかなか頑張れないなら、私たちがいっしょに走るよ。


[画像協力:さちわ]

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