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EdTechが変える教育の未来[後編]

続きです。


7.どのように授業に入ってくるのか

世界の多くの学校では紙の教科書やノートも併用して、デジタルとアナログの両方のメリットを取り入れながら、授業で活用しています。

写真や動画の活用や、インターネットの検索、プレゼンにまとめて発表、こういった学習を通じて、児童生徒が自然にITリテラシーを学ぶことができます。

また、教師主体の知識注入・伝達型授業から、学習者主体の双方向型授業へと変えることもデジタル導入の目標です。

デジタルを使えば、情報の発信や共有が簡単にできます。書いたり消したりの試行錯誤が簡単にできるため、相手に分かりやすく伝える練習ができます。

インプット重視の教育から、アウトプット重視の教育へとシフトする狙いがあるといえます。

8.エドテックの日本への導入

間違いなくされます。それもすごいスピードで。

現在、日本のエドテックにかけているお金は、現在先進国と呼ばれる国の中では最下位とのことです。でも、エドテックがアベノミクスの中に組み込まれることが2018年に決定しました。国がエドテックの普及に力を入れていくことが発表されたのです。

キーワードはソサエティ5.0です。テクノロジーによって、少子高齢 化・地域格差・貧富の差などの課題を解決して、誰もが快適に暮らせる社会を実現することを内閣府は目標にしています。

そのソサエティ5.0を実現するために、文部科学省もエドテックの推進に取り組むことを決めました。これも昨年の2018年のできごとです。

エドテックへの予算も倍増されていきます。
普及しないわけがありません。

9.これからの教育は?

少し耳の痛い話かもしれません。日本の教育で IT の活用が進まない理由のもっとも大きな原因は、「教育」に関わる人の多くが情緒的、感情的、人間的、職人的な側面に囚われすぎていて、テクノロジーでは対応できないと思っている点にあります。

教育において、感情や情緒は大事です。しかし、人間は単純ミスをすることもあれば、気づかずに偏った評価を下してしまうこともあります。

このため、学習者に対する教育の効果や評価は一定のものになりません。これは伝統的な教育方法ですが、唯一無二の素晴らしい方法であるという保証はどこにもありません。

しかし、教育現場では人間の経験則や、その場の判断の方が重要視されます。つまり、「人間の勘 vs テクノロジー」の二項対立になってしまっているとのことです。

しかし、大事なのは対立させることではありません。「人間の勘(職人技・感情)×テクノロジー(科学・再現 性)」という具合にかけ合わせることが大事です。

テクノロジーで人間の勘をサポートして、多くの人が利用できる「科学」にできれば、教育のレベルを押し上げられます。

テクノロジーも万能ではありません。テクノロジ ーでできることと、人にしか理解できないことが何であるかを明確にし、うまく組み合わせて使うことが必要になってきます。

また、このままテクノロジーの進化が進むと、国や自治体の教育制度に頼らなくても学びが手に入る、「学習者中心」の世界がやってきます。

これまで学びたいと思ったら、学校という「場」に参加し、「先生に教えを請う」という方法しかありませんでした。明治時代からそうです。

しかし、現代においてはスマホ1台で、Youtube やGoogleなどが先生になって、24 時間365日どこでも学習者の知的欲求を満たしてくれます。

そこで、大事になってくるのが「教育者に求められる役割」です。

この話を聞けば、「もう学校いらんやん。」と感じる方もいると思いますが、筆者はそうは思っていません。

なぜなら、テクノロジーは誰に対しえも有効なわけではなく、機能しない学習者の層も存在するからです。

これからの教育者は「テクノロジーが得意なこと」「学校でしか学べないこと」「人間にしかできないこと」を区別し、 学習者にとって最適なもの選んでモチベーションを高める存在へと変わるべきだと記されていました。

10.僕の感想

ここからは、僕の感想です。

ここまで本書の内容を自分なりにまとめ、伝えてきましたが、今の教育はもう少しの間続きます。指導要領の改訂も10年おきです。ICTだって、まだまだ整備されていません。こんなこと聞いて授業に使おうとしたって、僕の学校のPCは使い物になりません。

でも、これから来る社会のことを知っておくことは必要だと感じました。なにより、僕たち教師の在り方についてもう一度考えるべきだと思いました。

これからの時代、どんどん子どもたちは自分で賢くなっていきます。先生を超える子がバンバン出てきます。

そのことを、僕は嬉しく思うべきだと感じます。日本のある校長の言葉には、「先生という職業は、無意識に生徒の自立を拒む。」というものがあります。

「先生これ教えてください。」と自分を頼ってくる生徒は、確かに可愛いです。自分の承認欲求を満たしてくれます。

でも、それはエゴだと僕は思います。 これからの先生は、「自ら教えること」を一番に考えるのではなく、「学習を促進させること」を一番に考えるべきだ と感じました。

「教師」ではなく、「指導者(個別対応時)」 「促進者(多人数対応時)」になるべきだと思いました。

これから来る社会に備えて、子どもたちに本当につけなくてはいけない力が何なのかを考えるきっかけをもらいました。

以上が僕のこの本を読んでの感想になります。
ここまで読んでくれた方、長い間お付き合いありがとうございました。

せっかくですから、よかったら何か言いたいことや思ったことをコメントに残していきませんか。
ぜひ、今後の教育についてみなさんとお話したいです。

ありがとうございました。

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