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【旅の話】スリランカ②

ヒッカドゥワで2泊した後、旅の最大の目的であるバワ建築のホテルに泊まるべく我々はダンブッラへと向かう。カンダラマホテルで2泊、そしてシーギリヤロックへ登頂する予定だ。

前日にドライバーと連絡をとり朝8時にピックしてもらうことになった。ヒッカドゥワのホテルは清潔でスタッフにもとても親切にしていただいた。お礼をしていざ出陣と構えるが、ここでスリランカの洗礼を浴びることとなった。待てども待てどもドライバーが来ないのだ。これが日本だったら大きな問題になってしまうがここはスリランカ。急がずのんびり、もともとそのつもりで心得てきた。ただそのつもりでいてもさすがに不安になるほど時間が経つ。ホテルのスタッフにも手伝ってもらい、やっとドライバーと連絡がついた。渋滞でなかなかたどり着けないんだと。(たぶんただの寝坊)

我々はのんびり待つことを決めて、ホテルで朝食をいただくことにした。ドライバーが来たよとスタッフに言われやっと出発する。結局2時間近く出発は遅れた。そしてこれからの旅を供にするMr.Aと最初の挨拶を交わした。今度こそ、いざ出陣!

ヒッカドゥワからダンブッラへはスリランカ中央の山道を通るルートで向かう。道は限られているが山の中にいくつも町があるので景色をみているのもなかなか楽しい。道も想像以上に舗装がきちんとされている。ただ交通ルールは最低限しかないようで日本ではあり得ないような走り方をしていた。気になる人は事前に安全運転してもらうよう伝えた方が良いかも。Aさんが朝食まだなんだと言うので途中お店に立ち寄ったり露店のバナナを買ったり、まあなんというか自由だ。

味のあまりないパンケーキ?と砂糖いっぱいの紅茶でブランチ。

紅茶列車を諦める代わりに我々が選んだのは、象に乗ること、キャンディの仏歯寺に行くこと。しかし薄々気づいてはいたが、2時間近い出発の遅れでキャンディでは長居ができない…残念だが仏陀の歯はまた次回。
この専属ドライバー制度、立ち寄る場所や目的地はもちろんリクエストできるのだが、ある程度特定のルート(というかお店や施設)が存在するようだ。そういうところと組んでマージンをもらうような仕組みになっているのだろうが、ここは行かない!これは絶対!と意思表現をしないとかなり行程を無視される。日本人には少々ハードルが高いかもしれない。

途中立ち寄った象の保護施設にて象乗りと水浴び体験。初めて見る象使いはなかなか印象深い。「象使いは象に殺される」こんな一節がふと頭に浮かんだ。これは親密性から生まれた事故を表現したようだが、彼らの関係性はよく分からなかった。

その後施設の隣にある「象糞の製紙場」を見学した。指のないお爺さんと握手を交わして中を案内してもらう。若い女性達が作業していた。どこの国も女の方が強いんだ、そんなことをお爺さんが言えば彼女たちは片眉を上げていた。

象の上は怖くて落ちないよう必死だった。

◼︎クラブ・コンセプト・エレファント・ライディング

B199, Rambukkana 71100 スリランカ
+94 352 263 130
https://goo.gl/maps/c9v5S8TiaprRgAvh7

ドライバーに連れていかれたのはここ。すぐ隣に製紙場とショップがある。

そういえば至る所でトランスフォーマーのステッカーを見かけたのだが流行ってるのか…?

キャンディにたどり着いたのは夕方の良い時間。チェックインには到底間に合わないなと思いながら、次に案内された紅茶工場で見学をしてしっかりお土産を買ってくる。中で使っている機械には日本製のものもあった。こんな素敵なスリランカガールに個別で案内してもらえてラッキーだな。ただし折角説明してもらった茶葉のお話は全く忘れてしまった。

◼︎ギラガマ紅茶園
Geragama Estate Rd, Pilimathalawa, スリランカ
+94 812 577 053
https://goo.gl/maps/t4kg8GREnCiFYuyt9

有無を言わせず連れてこられた紅茶工場。

後はひたすら山道を爆走していく。あたりはどんどん暗くなる。家路へつく人々の影が街から集落に続く道へ伸びる。森が深くなり気温も下がってきた。スリランカは温暖な気候だが標高差がそれなりにあって、ダンブッラのあたりは寒さを感じることもある。山は海とは違った恵みを与えてくれる。政治的な情勢は好ましくなくても、壮大な自然は人々の暮らしを豊かにしているはずだ。

窓からの景色が見えなくなるころ、目の前にカンダラマ湖が現れた。対岸にぼんやりと灯りが浮かぶ。どんどん狭い道を進み本当にこんなところにホテルがあるの?と不安になっていれば、まるで違う世界に迷い込んだのではないかと錯覚してしてしまうように、唐突にホテルのエントランスが現れた。で、でかい…!裸足のホテルマンが静かに出迎えてくれた。暖かい国特有の中も外も無い造り。自然の岩がゴツゴツとホテルを飾る。

折角だし、と予約したスイートルームはとても居心地が良かった。窓にはカンダラマ湖が浮かんでいる。夕飯を食べてからは館内を散策してみた。広すぎてどこに何があるのか分からない。ウロウロしているとバンド演奏とスリランカ伝統の踊りキャンディアンダンスのショーが始まった。そして待ってましたと言わんばかりに友人は持ち歩いていた太鼓を隅の方で叩き出す。(もちろん人目につかない場所と音量でね。なぜ持ち歩いていたかは定かでは無い。)

ジェフリーバワのこだわりがたくさん詰まっている。

翌朝は朝食を食べる間も無くシーギリヤロックへと向かう。ありがたい事にホテルが朝食にとBOXを渡してくれた。パンに牛乳にフルーツ、それからスナック。嬉しい心遣いだ。ホテルを出て車を走らせ、カンダラマ湖が視界に入ってきて驚いた。こんなに大きかったのか。静かに広がる湖の横で車を走らせながら、このまま朝靄に溶けてしまいたい気持ちになった。

朝一で向かったシーギリヤロックは既に多くの人で賑わっていた。それでも少し時間をずらしただけで登頂するのも億劫になるほど人が集まるので、予定のある方はお早めに。Aさんは登頂口まで同行してくれて写真を撮ったり岩場を登るのをサポートしてくれた。ちなみに彼、元々アメリカ軍で働いていたらしい。

頂上に向かう途中にある壁画のシーギリヤレディを拝んでどんどん上へ登る。それにしても事前に調べてはいたのだが、かなり高い場所まで上がらなければならない。というのも私は高い所がとても苦手なため、簡易的な階段や足場の悪い道に何度も膝がすくんでしまった。目指すは頂上のみ。下は見ない。

どこにでもいるよね、こういう人。

頂上からの景色はとても素晴らしかった。眼下に広がる神秘的な深い森を、追われた王様は何を思いながら見たのだろう。ひとしきり記念撮影をし、我々はぐるりと頂上を回る。すれ違う観光客とどっから来たの?なんて軽く挨拶すると、自分は今日本にいないんだなあと実感してしまう。

下山した頃にはかなり時間が経ってしまい、Aさんがあんまり遅くて迷子にでもなっているのではと心配してくれた。…のはいいのだがここからがまた大変。既に疲れ切った我々は、ホテルでゆっくりしたいから戻りたいと伝えれば「折角スリランカに来たのに?!ダメだ!次はこのツアー!それからこのサリー服屋に行って、あとはサファリ体験!」聞くだけでグッタリだ…。結局フルコースで回ることになったのだが、疲れつつ楽しい時間は過ごせた。途中お金がないから無理だと言って両替屋に連れて行かれた時は流石にオイ!と思ったが。

結局ホテルに戻ったのはしっかり夜になってから。夕飯を楽しみホテルで最後の夜を過ごす。

乾季であまり動物はいなかったサファリ。風が気持ち良い。

そういえばホテルでひとつ事件が起きた。どうしてもホテルのWi-Fiに繋がらないのだ。実は借りていたWi-Fiが1日リセット制度ではなく使い切りタイプだったため、旅の初日に使えなくなってしまった。(完全に笑い話だが国によって契約内容が異なるらしい…) そのためホテルのWi-Fiは非常に重要だったのだが、何度トライしても部屋の敷居を跨いだ瞬間落ちてしまう。専門のスタッフを呼んであれこれやってもらうが直らない…まあWi-Fiがなくても何とかなるというのは既にここまでの数日で分かっていたので(笑)特に問題はなかったのだがやはり不便。これ案外LANが抜けてるだけだったり、なんて思っていたら本当にその通りだった!

試行錯誤する若きITマネージャー。色々と良くしてもらい、チェックアウトの時も手土産を持ってお見送りにきてくれた。

残念ながらホテルで楽しむ時間は限られてしまったがまた遊びに行けばいい。カンダラマだけでなくスリランカには沢山のバワ建築がある。時間をかけてゆっくり堪能しよう。

◼︎Anura Village Tour
Sigiriya, スリランカ
+94 77 965 7873
https://goo.gl/maps/vsczHbj7y9GYuEvh9

有無を言わせず連れてこられたヴィッレッジツアー。牛車に乗せられ、船で蓮池を進み、豪快に割られたココナッツを飲んだ。

◼︎Lanka Silks
Sigiriya Road, Galakotuwa, Kimbissa, スリランカ
+94 77 776 2778
https://goo.gl/maps/Hd7t5Y9C5qBKwpZo8

有無を言わせず連れてこられたサリーのお店。試着もできる。驚くほどイケメンの店員がいた。

◼︎ヘリタンスカンダラマ

11, Dambulla 21100 スリランカ
+94 665 555 000
https://goo.gl/maps/QgKf38peMn4QpUQQ6

#旅の話
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