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楳図かずお大美術展 阿倍野ハルカス

私の少年時代は親からもらえる小遣いのほとんどを漫画本につぎ込んでいました。
無機質な学業からの逃避行動として漫画を選んでいたのは、
それがあらゆる感動と非日常を与えてくれる媒体という認識で
概ね間違っていなかったからだと思います。

なぜか私は常に感動したいんです。
光の真裏にある哀愁というものを感じたい

私が求める非日常はいまでも変わりません。
感動すること

現実社会においても
人の寂しさ、孤独、葛藤などが垣間見える瞬間にグッときます。

日本ホラー漫画の巨匠、楳図かずお先生。
少年時代に漂流教室を読み、舞台が教室。
そこに訪れる衝撃的すぎる展開と結末、
主人公の勇敢さに心が震えたことを覚えています。

先生の作品は人間模様を色濃く表し、
残酷で常人には理解しきれない部分がたくさんありますが、
そこにメッセージ性を感じるので何度も読み返してしまいます。

今回の大美術展
1982年から4年間にわたり連載された作品『わたしは慎吾』の続編を
40年越し、約100コマあまりの完結編発表を記念し、
今回ド派手に、豪勢な大美術展として開催されています。


わたしは慎吾。(ネタばれはしません)

町工場へ社会見学として赴いた少年悟(さとる)。
そこで出会った他校の少女真鈴(まりん)。
次第に互いが惹かれ、ことの成り行きで結婚を誓います。

工場内の機械(モンロー)に二人が言葉を教えこみ、
やがて言葉だけでなく意思を持つようになり、
悟と真鈴から一文字ずつ取り(慎吾)と名乗ります。

しかし、外交官の父の出張先イギリスへ真鈴が飛び立つことになります。
ここではかなりの事が起こりますが、
月日が経っても真鈴の気持ちは変わりません。

真鈴が入力した18文字の愛のメッセージを
慎吾が悟のもとへ命がけで届けようとする
そんな慎吾(機械です)が愛と意思をもつ物語り。


作中、扉絵にも終始この言葉が出てきます。
『奇跡は誰にでも一度はおきる。だが、おきたことには誰も気がつかない』
が、私解読できてません。

このメッセージの意味をもう少し考えたい。
まだまだ何周も読み返します。

そして入場券もう一枚あるので、
大美術展にももう一度行きます( ´∀` )

40年前に描かれた作品とは思えないほど、
機械に可能性を見出していた楳図先生。
機械が意思を持ち、
宇宙と繋がり運命を変えていくという壮大なスケール展開。

AIの未来がこの作品の中にまだまだ隠されているかもしれません。
楳図先生 
素晴らしい感動をありがとうございます。

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